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値段がなぁ……と思いつつも発売日に即決で購入――【2019年買ってよかったモノ:写真家・鹿野貴司さんの場合】

2019年の振り返り企画…ということで、プロの写真家やカメラライターに「2019年買ってよかったモノ」(※)を一斉調査! なぜ買ったのか、どうして“よかった”のか、ざっくばらんに語ってもらいます。今回は、写真家・鹿野貴司さんの2019年ベストヒットアイテムをご紹介!

※2019年の新発売製品に限定していません

 

鹿野貴司さんの2019年買ってよかったモノソニー「α7R IV」

▲仕事道具ではあるけれど、ストラップやフィルターでちょっとだけドレスアップ。α7R IIIからグリップは大型化したものの、依然としてホールディングは不安定。そのため仕事のときはバッテリーグリップを装着することが多い。

 

今年買った一番の“大物”はソニーα7R IVだ。昨年末にα7IIIをα7R IIIに買い替えたばかり。ばかりなんだけど、モデルチェンジしたんだから仕方がない。もっとも今回は買い替えではなく買い増し。α7R IIIもまだメインを張れるスペックなので、サブとして活用している。

 

今年の夏まではEOS 5D Mark IVをメインに、α7R IIIをサブにしていた。α用のEマウントレンズももちろん揃えているが、マウントアダプター(シグマMC-11)を介せばEFレンズも使えるのだ。とはいえαでEFレンズを使うのは決して便利でもなく、またローパスレスで画素数の多いα7R IIIをメインで使いたい場面も増えた。そこにα7R IVが颯爽と登場したのである。

 

EVFは約369万画素から約576万画素に増えてとても見やすいし、シャッターやボタンの感触、その他もろもろα7R IIIより向上している。でも値段がなぁ……と思っていたが、いずれ買うのなら早く買って使い倒す方が賢い。というわけで発売日に即決で購入した次第だ。

 

外観こそα7R IIIとそっくりなα7R IVだが、中身は購入前に想像していたよりずっと進化していた。AFの顔認識はさらに精度や速度が上がった気がするし、メニューが九龍城なのは相変わらずだが、できることは地味に増えている。

 

6100万画素は当初そこまでいらないと思っていたものの、トリミングしても十分な画質が保てるので仕事ではやはり重宝している。僕はステージの撮影も多いのだが、今までは一眼レフで400mmや、ときには600mmまでカバーするズームレンズを使っていた。それがα7R IVならトリミング前提やAPS-Cクロップで撮影することにより、300mmまでで済む。RAWで撮らないのなら「全画素超解像ズーム」という機能もあり、これにAPS-Cクロップを組み合わせれば、24-70mmの標準ズームでも約200mmの写真が2600万画素で記録できる。もう望遠レンズいらないじゃん(そんなことはないけど)。

 

ただα7R IVを買って困ったこともある。メディアやハードディスクの容量を食うことだ。とりわけSDカードの容量不足は深刻。これまで32GBと64GBをそれぞれかなりの枚数所有していたのだが、64GBでRAWが1000枚程度、RAW+JPEGになると600枚程度でいっぱいになる。交換の手間もさることながら、そこで何らかのミスを犯すのが何より怖い。そこでサンディスク・エクストリームプロの256GBを購入。ダブルスロットで同時記録したりもするので2枚。SDカードの容量や枚数が増えてもワクワクすることはないのだが、これがないことにはどんな優れたカメラがあっても写真は撮れないですからね。

 

来年は東京五輪もあるので、買い物はほどほどにして、たくさん写真を撮りたいと思う今日この頃である。たぶんいろいろ買っちゃうんだろうけど。

 

<α7R IVの使用作例>

6100万画素+ローパスレスの解像力は目を見張るものがある。シグマ、タムロン、コシナといったサードパーティーも含め、レンズの選択肢が充実しているのも魅力だ。

ソニーα7R IV シグマ35mm F1.2 DG DN|Art 絞り優先オート F2 1/160秒 ISO320 WB:太陽光