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ようやく出会えたお気に入りのショルダーバッグ――【2019年買ってよかったモノ:写真家・大浦タケシさんの場合】

2019年の振り返り企画…ということで、プロの写真家やカメラライターに「2019年買ってよかったモノ」(※)を一斉調査! なぜ買ったのか、どうして“よかった”のか、ざっくばらんに語ってもらいます。今回は、写真家・大浦タケシさんの2019年ベストヒットアイテムをご紹介!

※2019年の新発売製品に限定していません

 

大浦タケシさんの2019年買ってよかったモノ:ハクバ「IND2 M200」

▲今や所有するカメラバッグのなかで最も出番の多いIND2 M200。ミラーレス1台にレンズ3、4本が余裕で収納できる。ショルダータイプなので収納した機材にアクセスしやすいうえに、撥水性も高い。もうワンサイズ大きいIND2 P100かIND2 P200も気になっている。

 

このバッグに出会うまでショルダータイプのカメラバッグの選択に難儀していた。2000年代に入り、大学生時代から20年間以上愛用していた北米の某カメラバッグブランドが身売りに次ぐ身売りを図り、それまでの質実剛健で信頼性あるつくりからあまり興味を引くことのないものへと変わってしまったからだ。ちなみに1990年代以前はショルダータイプのカメラバッグが全盛。私もそのブランドのショルダータイプのカメラバッグを大中小といくつも揃え機材の量や気分などに合わせてチョイスしていた。

 

時代は変わりカメラバッグもバックパックタイプやキャリータイプものが幅を利かすようになると、私自身も試行錯誤を繰り返しながらも頃合いのよいバックパックタイプのカメラバッグをいくつか見つけ、機材が多いときなどに使用するようになった。しかしながら、カメラ1台に交換レンズ2、3本ほどを収納できるコンパクトなショルダータイプのカメラバッグは相変わらず決めかねていたのである。

 

そして、今年ようやく出会えたのがハクバ「IND2(インダツー) M200」だ。バッグデザイナー半杭誠一郎氏の展開する「INDUSTRIA(インダストリア)」の弟分(妹分?)にあたるブランドのショルダーバッグである。なお、INDUSTRIAは半杭氏が直々にプロデュースするブランド、IND2は半杭氏とハクバとの協業によるブランドである。

 

とにかくこのバッグは重宝している。愛用しているミラーレスと交換レンズのセット一式が余裕で入れられるからだ。具体的には富士フイルムX-T3もしくはX-E3に標準単焦点レンズ、広角単焦点レンズ、望遠ズームという組み合わせか、オリンパスOM-D E-M1に標準ズームと望遠ズームという組み合わせだ。また、ときには標準ズームを装着したフルサイズデジタル一眼レフも入れたりしている。フロントポケットも大きく、スマートフォンや予備バッテリー、名刺入れ、筆記用具などを入れてもまだ余裕。しかもバッグの形がカメラの重みで崩れてしまうようなことがない。

 

さらに、ありがたく思えるのが、撥水効果の高さだ。上面と側面はナイロン製で(1680Dナイロンと言うらしい)、さらに防水ジッパーとしている。これまで幾度も雨天での撮影で使用したが、雨水が浸み込んだことなど一度もない。バッグ底部にはターポリンという素材を使用し、こちらも朝露に濡れた芝生や草の上などに置いても水気がバッグの底から浸み込むことなど全くない。

 

このバッグの唯一の不満といえば、バッグ側面にペットボトルを入れるようなメッシュのポケットがないことだろう。スナップ撮影のときなど水分補給のためにペットボトルを持ち歩くことが多いが、収納場所がなく難儀する。背の低いタイプのペットボトル用のポケットでよいのでぜひ採用をお願いしたい。

 

現在はM200と同じIND2シリーズのトートバッグ「IND2 T200」も愛用している。主に打ち合わせやプレゼンなどで用い、M200では入らないブックやパソコンを収納することが多い。また、インナーボックスを入れてちょっとおしゃれなカメラバッグとしても活用している。

 

半杭氏が考案したバンジー構造により、メインハンドルを手に持ったり肩にかけたりして歩き回るとき、ショックを和らげてくれるのも気に入っている部分だ。ポケットは多く、ペットボトルを入れるポケットもバッグ側面に備わっている。

▲今年の夏前に手に入れたIND2 T200。トートバッグタイプでプレゼン用のブックやパソコンを入れて使うことが多い。さらに、インナーボックスを入れカメラを収納して使うことも。バンジー構造のハンドルで手や肩への負担を軽減してくれるのもこのバッグの特徴となっている。

 

IND2シリーズのカメラバッグは、マテリアルやつくりのよさの割にリーズナブルな価格設定がなされており、コストパフォーマスが高いことも気に入っている部分。ホントはあまりひとに教えたくなかったけど、売れないとブランドも続いてくれないし、かつて好きだったブランドのように品質が低下してしまうこともありうる。聞けばこのIND2シリーズは昨年登場したばかり。息の長いカメラバッグブランドに育ってほしいと切に願っている。