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「進化形三脚」をチェック! 変わっていないようで、今どきの三脚は便利機能がスゴイ

構図にこだわる風景から夕景、夜景まで、カメラをしっかり支えてくれる三脚。フィルム時代からそのスタイルは変わらないが、今どきの三脚は使いやすさが別モノ。カメラの次は新しい三脚を手に入れよう!

 

撮影シーンを広げる三脚が機能を充実させ進化した

日進月歩のカメラやレンズに比べると、三脚や雲台はフィルム時代からたいして変わっていないように思えるかもしれないが、それほど目立たないものの着実に進化している。

 

三脚では脚を上方に反転収納するトラベルタイプが、今やほとんどの三脚メーカーが採用するほど広まっている。センターポールを廃して剛性アップと同時にスリム化、軽量化をはかる手法を採用したモデルも増えつつある。また、照明機器を固定するためのアームなどのアクセサリーを装着できるコネクター(ネジ穴)を設けたモデルも多く見られるようになった。

 

一方、雲台では3ウェイの新製品がグッと少なくなった。以前はフレーミング調整のやりやすさから3ウェイ雲台が主流だったが、現在はよりコンパクトで軽いボール雲台(自由雲台)が主流となっている。これにはカーボン三脚が普及して軽量化志向が強まったこと、微妙なアングル調整を補助するフリクションコントロール機能のおかげで、重量機材への対応力が向上したことが関係しているのかもしれない。アルカスイス互換のクイックシューが事実上の世界標準になり、ジッツオなどにまで広まったのも大きな出来事だ。

 

【三脚編】軽量コンパクトなトラベラーが人気! 使いやすさも進化

Topic(1)アクセサリー取り付け用の「リンクコネクター」を装備

三脚のベース部分にネジ穴を設けてアクセサリーを固定できる三脚が増えている。LEDライトやストロボ、レフ板、外付けモニターなどを取り付けられる。マンフロットやレオフォトにはオプションでさまざまなアーム類が用意されているのでこちらも要チェックだ。

マンフロット
055プロカーボンファイバー三脚3段

参考価格/56,200円

<その他のおすすめモデル>
・スリック システムカーボン73  参考価格/71,030円
・レオフォトLX-284CT+XB-38セット 参考価格/60,500円

 

Topic(2)「脚部反転機能」を搭載した人気のトラベラー三脚

脚を反転させて雲台を挟み込む構造にして、コンパクトに折りたためるトラベラー三脚を最初に発売したのがジッツオ。その後、瞬く間に多くの三脚メーカーが同様の手法を取り入れていることからもジッツオの先進性がよくわかる。

ジッツオ
トラベラー三脚GT0545T+雲台GH1382TQDキット

参考価格/116,600円

<その他のおすすめモデル>
・マンフロットbefreeアドバンス カーボンT三脚キット 参考価格/34,960円
・ベルボンUTC-63ⅡAS  参考価格/44,880円

 

Topic(3)「開脚キャンセルボタン」で操作性アップ

セミオートタイプの三脚では開脚レバーを戻すのに脚パイプを一度開かないといけないが、開脚キャンセルボタンは押すだけで開脚レバーが復帰する。操作ミスを素早くカバーできる、地味ながら使うほどにありがたみを感じる機能だ。

ベルボン
プロフェッショナル・ジオN730

参考価格/58,970円

<その他のおすすめモデル>
ベルボン プロフェッショナル・ジオN740(2020年4月発売予定)

 

Topic(4)「センターポールレス」で軽快に持ち歩く

三脚の剛性を落とす要因だったセンターポールを廃したタイプが増えつつある。従来の三脚よりもスリムに収納できるので携帯性が高く、軽量化されているのもメリット。風景などのセンターポールをあまり使わない撮影には有利と言える。

リアリーライトスタッフ
TVC-24Lヴァーサシリーズ2MK2三脚

参考価格/192,500円

<その他のおすすめモデル>
レオフォトLS-324C+LH-40セット 参考価格/62,630円
シルイTM-284+A-10Rセット 参考価格/52,350円

 

【雲台編】軽量なボール雲台! アルカスイス互換タイプに注目

Topic(1)クイックシューは「アルカスイス互換」がトレンド

世界的に見るとアルカスイス互換のクイックシューを装備した雲台が標準と言っていい状態になっていて、国内メーカーも対応が始まった。L型プレートと組み合わせることで縦位置でも安定感の高いセッティングが可能だ。

ベルボン
QHD-G6AS

参考価格/18,910円

<その他のおすすめモデル>
・ジッツオ3ウェイフルード雲台GHF3W  参考価格/65,450円
・スリックSBH-180 DS  参考価格/11,730円

 

Topic(2)「フリクションコントロール」でカックントラブルを回避

細かなアングル調整がやりづらかったのがこれまでのボール雲台の泣きどころだが、ボールの動きの重さを変えられるフリクションコントロール機能の登場で使い勝手が大幅に向上。風景撮影などでもボール雲台のユーザーが増えている。

リアリーライトスタッフ
BH-40 ProⅡ

参考価格/70,400円

<その他のおすすめモデル>
・ジッツオGH1382QD  参考価格/49,710円
・マンフロットXPROボール雲台Q6付き 参考価格/20,910円

 

Topic(3)「クイックリリースクランプ」でアルカスイス互換に変身

ネジ止め式の雲台をアルカスイス互換化できるクイックシュークランプ。素早い着脱が可能なレバー式は同じメーカーのプレートとの組み合わせがおすすめ。ノブ式は互換性面では有利だが、ノブの回転量が小さいものを選びたい。

KIRK
QRC-1.8

参考価格/9,900円

<その他のおすすめモデル>
・リアリーライトスタッフ B2-LRⅡレバーリリースクランプ 参考価格/22,000円
・マーキンスQR-48NSショートノブ 参考価格/12,220円

 

Topic(4)特殊雲台なら新しい写真が撮れるカモ!?

ギア雲台

微妙なアングル調整が可能なギア式雲台はフレーミングを正確に決められるのが強み。最近はボール雲台と組み合わせて素早い操作が可能なハイブリッドタイプも増えつつある。

レオフォト
LH-40GR

参考価格/57,200円

<その他のおすすめモデル>
マンフロット410ギア付きジュニア雲台 参考価格/22,970円

 

ジンバル雲台

重さのある機材を軽い力で動かせるジンバル雲台は超望遠撮影には欠かせないアイテム。ビデオ雲台に使われるフルード機構を搭載したタイプは、ほどよい操作感で扱いやすい。

ジッツオ
GHFG1

参考価格/76,800円

<その他のおすすめモデル>
・スリック テレマスター800 参考価格/26,880円

 

解説/北村智史