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ソニーユーザーなら無料で使える「Imaging Edge(イメージングエッジ)」ってどんなもの? 実はいろいろできるすぐれものだった

ソニーのミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラ利用者に無償で提供される「Imaging Edge(イメージングエッジ)」は、3つのパソコンアプリケーションとモバイルアプリが連係して動作するソフトウェアシステム。それぞれの使い方をマスターすれば、撮影から画像確認、セレクト作業、補正・現像から保存までをスムーズに行うことができる。本稿では具体的にどんなことができてどういうシーンで活躍するのか紹介する。

 

3つのパソコンアプリケーションとモバイルアプリが連係して動く

(1)Remote

ファインダーを覗きながら、細かな設定を行ったり、四隅まできっちり構図を決めるのは、案外たいへんな作業。「Remote(リモート)」を使えば、パソコン上でじっくりと設定や構図を決められる。フィールドで動き回る被写体には向かないが、屋内でブレを防ぎながら撮る用途には最適。撮影した画像をパソコンの大きな画面で即時に見られるのも便利。プロがスタジオ撮影で使っている機能が手軽に使えるのだ。

パソコンにつなげてカメラ操作や画像転送が行える

こんな用途に向く

  • 構図をしっかり決めたいテーブルフォトや物撮影に
  • 厳密にピントを合わせたいマクロ撮影に
  • 大画面で撮影画像を確認したいスタジオ撮影に
  • メモリーカードを介したデータ転送が面倒なとき

 

(2)Imaging Edge Mobile

「Remote」の機能をアウトドアで使えるようにしたスマホ&タブレット用のアプリが「Imaging Edge Mobile(イメージングエッジモバイル)」だ。カメラが捉えたリアルタイムの画像を見ながら撮影でき、ボケや色みの変更も反映されるので、イメージどおりの写真にしやすい。三脚を使った風景撮影などでは、特に威力を発揮する。

「Remote」操作がスマホやタブレットでできる

こんな用途に向く

  • アウトドアで「Remote」機能が使いたいとき
  • カメラの背面モニターよりも大きな画面で撮影した画像が確認したいとき
  • ブレを極力防ぎたい風景撮影ではリモコン代わりに使える

 

(3)Viewer

撮影後に、写真をセレクトするのも楽しみの1つ。「Viewer(ビュアー)」を使えば、高画素な写真もスムーズに一覧表示される。また、細部を拡大したり、2枚を同時に表示して比較したりといった作業も手軽にできる。「Remote」と連係して動作させることもできるのでファイルを介した面倒な手続きも必要ない。セレクトした写真はスムーズに「Edit」へ移行できる。

撮影した画像を確認・閲覧・選択する

こんな用途に向く

  • 写真の細部まで詳細に確認したい
  • 2つの画像を見比べながら検討したい
  • 数多く撮った写真を整理したり、ベストなものを選んだりしたいとき

 

(4)Edit

会心の1枚を、よりクオリティの高い作品に仕上げるのが「Edit(エデット)」のRAW現像機能。すべてではないものの撮影時に思いどおりにできなかったカメラ設定を、改めてやり直すことも可能。明るさや色み、コントラストなどを納得いくまで試してみれば、写真は格段に上手くなる。多機能なRAW現像ソフトには及ばないが、必要十分な現像ソフトとして便利に使える。

補正やトリミングを行い現像・保存する

こんな用途に向く

  • 撮影後に明るさやコントラスト、ホワイトバランスなどを変えたいとき
  • 部分的に補正して印象を高めたい
  • トリミングや傾き補正を行い、主題を目立つようにしたいとき

 

「Imaging Edge」のワークフロー

ここからは「Imaging Edge」を使った、撮影から現像までの大まかな作業手順を見ていこう。3つのアプリケーションは、それぞれのメニューから相互に呼び出すことができるし操作方法も近いので、1本のアプリケーションを使っているようにスムーズに作業を行える。

 

撮る

撮影は、カメラとパソコンをUSBケーブルやWi-Fiで接続したうえで、「Remote」を起動して行う。初期設定では、シャッターを切ると「Viewer」が立ち上がるようになっているので、すぐに撮影画像を確認できる。「Remote」のリアルタイム画面でも、各種の設定内容は反映されるが、実際に保存される画像とは若干異なるため、「Viewer」で確認したほうか、より確実だ。

Remoteを使って撮影

▲撮影中の操作はパソコンから行うが、撮影中の動きは人がカメラを操作しているかのよう。電動ズームを装着した場合、「ImagingEdge Mobile」を使えば、ズーミング操作もできる。

撮影画像をViewerで確認

 

見る・選ぶ

撮影した画像は「Viewer」を使い、さまざまな表示方法で確認できる。良いと思った写真には、5段階の評価を付けておけば、後から絞り込むのがが楽になる。

Viewerの一覧表示で選択

拡大表示

▲拡大率を変えて、細部までピントが合っているか、ブレはないかをしっかり確認しよう。明るさや絞りの違いを撮り分けた場合は、比較表示にするとわかりやすい。

比較表示

 

調整・現像

明るさやホワイトバランス、コントラストのパラメーター、クリエイティブスタイル、D-レンジオプティマイザー、シャープネスなど、カメラ側でできる設定のほとんどは、「Edit」で再設定可能(撮影時のファイル形式で異なる)。納得がいくまで調整して完成させよう。

Editで細部を調整

 

▲ここでは、背景の花が大きくぼけた1枚を選択。[明るさ]と[ホワイトバランス]、[黒レベル]、[シャドウ]を整えた。修正の前と後は[バージョンスタック機能]で確認できる。

現像して保存

▲最後に、余分な空間をトリミングして[現像出力]すれば完成。

 

【参考本紹介】

ソニー イメージングエッジ完全マスター

ソニー イメージングエッジ完全マスター

ソニー純正画像ソフト「Imaging Edge (イメージングエッジ)」のガイドブック。ミラーレスカメラ“α”シリーズをはじめとするデジタルカメラユーザー向けにソニーが無償提供しているイメージングエッジの使いこなし方がわかる。特にRAW現像は、プロの画像調整テクニックを詳しく紹介。カメラとスマートフォンの連携もわかりやすく解説している。

2019年12月24日(火)発売
A4判 オールカラー130ページ
本体 2,500円(税別)
ISBN 978-4-05-611548-2

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