写真ギャラリーやショールーム、サービスセンターの移転や統合が加速している。新しい写真スポットはどこがどう変わったのか、写真でレポートする。
高品質・高機能の映像機器を開発・生産・販売するEIZOは、石川県白山市に本社を置く。EIZOの東京のショールームは、「EIZOガレリア銀座」が2020年10月下旬に閉館となり、2020年11月4日に東京・大森にある東京事業所へ移転、「EIZOショールーム東京」に名を変え、オープンした。「EIZOショールーム東京」を紹介しよう。
EIZO東京事業所は、JR京浜東北線・大森駅から徒歩3分ほどのオフィスビル・大森ベルポートのE館にある。駅前は賑やかな大森だが、大森ベルポート周辺は閑静なビル街。建物の中も静まり返っている。
東京事業所の受付。見慣れたロゴの下には、ポツンと電話が置かれている。その脇には、季節柄クリスマスツリーが飾られていた。
受付の左手にある、モニターが並ぶエリアがEIZOショールーム東京だ。EIZOガレリア銀座と比べると、物足りない印象は拭えないが、EIZOガレリア銀座が特殊な空間だった。基本的には、EIZOショールーム東京は法人向けの展示スペースで、見学2日前までの事前予約制となっている。密にならないようにしていることもあって、見学予約が法人の商談で埋まってしまっている場合もある。以前のショールームでは、テレワークが増え始めるに従い、見学の問い合わせが大幅に増え、入場を制限した時期もあったのだそうだ。
壁面には、4Kのカラーマネージメントモニターがディスプレイされている。
展示の目玉の一つは、ウルトラワイド曲面モニター「EIZO FlexScan EV3895」(2020年10月16日発売)。これだけを見るためにショールームを訪れる人もいるそうだ。3台のパソコンの画面を一台で表示できるのが特徴だが、タイムラインを表示するのにワイド画面が適しているため、動画制作で使いたいという人も多い。量販店でも展示されているが、ここなら表示を変えて試したり、操作してみることができる。
おなじみのカラーマネージメントモニター「ColorEdge」だけでなく、医療現場で使われているメディカルモニター「RadiFoce」も展示されていた。
高演色LEDを装備したLEDスタンドも展示されている。なおショールームは展示のみで、その場で購入することはできない。見たい機種が展示されていないといった場合には、展示されている量販店などを紹介してくれる。
一般の人が見学できるショールームはここまでだが、法人向け説明エリアを特別に見学させてもらった。会議室のある専用エリアの中にあり、展示されているモニターも業務用に特化したものとなっている。
扉の先の壁面には、ショールームや会議室の位置を示す配置図が大きく描かれていた。会議室がR・G・Bとホワイト・ブラックで色分けされているのは、いかにもモニターの専業メーカーらしい。
法人向け説明エリアは、実際のオフィスのように各種モニターが展示されていた。
正面にあるのは、防犯カメラに直接つながるモニター。複数カメラ映像をマルチ表示できたり、映像の視認性を向上させるシステムのデモが行われている。また、下にあるテーブルのような大きなモニターは、展示会などでもあまりお目にかかることがない電子海図表示用のモニター。タッチセンサーを搭載し、海図を回転させたり、拡大、縮小して表示することができるというものだ。
新しくなったEIZOショールーム東京は、基本的に法人向けという位置付けなので、予約が必要だったり、展示しているモニターも業務用が中心だったりと、以前のEIZOガレリア銀座に比べると少し敷居が高くて物足りなくなってしまったように思う。また、セキュリティの問題などからEIZOショールーム東京では、これまで開催していたようなカラーマネージメントなどのセミナーも一般向けには予定していないということだ。
しかし今後は、出張セミナーというかたちでカラーマネージメントやカラーマッチングなどの講座を開催していくそうで、法人向けだけになるというわけではない。作品づくりに欠かせない高品質・高機能なEIZOのモニターは、これからもお世話になり続ける存在。機会があったら、じっくりと説明を聞きながら、モニターを見てみる機会を作るのもいいかもしれない。
EIZOショールーム東京
住所 東京都品川区南大井6-22-7 大森ベルポートE館6階
営業時間 10:00~17:00
アクセス JR大森駅北口より徒歩3分、京浜急行線 大森海岸駅より徒歩4分
休館日 土曜・日曜・祝日・EIZO休業日
TEL 03-5764-3402
※EIZOショールームは事前予約制です。見学する場合は、2営業日前までにショールームまで電話にてお申し込みください。新型コロナウイルス感染予防のため、入館時はマスクの着用、手指の消毒などに協力を。
〈文・写真〉柴田 誠