1年で世界のありようがガラッと変わってしまった2020年。あっという間に1年が終わってしまったという方も多いのでは? ほんの少しでも楽しんで明るい2021年を迎えていただきたく、プロの写真家やカメラライターに「2020年に買ってよかったモノ」を一斉調査しました! さあ、何が出てくるかな?
園部大輔さんの2020年ベストバイ「Feiyu Tech a2000」
ずっと探していた両手持ちジンバルを破格値でゲット
私が2020年に買って良かったもの。それは、ずばりデジタル一眼用のジンバル、Feiyu Tech (フェイユーテック)「a2000」だ。かねてから動画の時代が来ると考えて、手ごろなジンバルをずっと探していた。
「a2000」はすでに後継モデルが出ているものの、機能性は十分なうえ、新品同様の中古があのフジヤカメラでなんと2万円台という破格すぎる価格で並んでいでもう即買い。値段を見たときには何かの間違いかと思ったが、本当にその値段で買えてしまった。
日ごろからフルサイズ一眼レフを使用しているので、最近主流の棒型片手持ちタイプよりも、両手で構えられるグリップがついた安定性の高いジンバルを狙っていたのだが、両手持ちは基本的に10万円前後の値段であることが多い。フルサイズ一眼レフでの使用は妥協して、「LUMIX GH5」あたりでの使用までに留めてワンサイズ小型のものも検討していた矢先、まさに最高のタイミングでの出会いだった。
大型三脚なみの安定感、一度持ち歩けば間違いなくハマる
やはり両手持ちでの安定感は素晴らしく、歩行中はもちろん、パンする場合などでもまるで大型三脚を使用しているかのよう。またレンズ込みで1Kg以上のカメラを使うとなると片手ではやはり持ちづらく、むしろ疲れてしまう。一眼での動画撮影のクオリティが一段階上がったと間違いなく感じることができた。
サイズ感も、実際に持って使うときは大きいものの、使用後はある程度折りたたむことができるから、運ぶ際にはそれほど大荷物にはならない。
フルサイズ一眼レフとフルサイズミラーレスを併用する際も、大は小を兼ねるでおおむね問題なく使用できる。オリンパスやパナソニックのミラーレス、キヤノンの「EOS R5 / R6」などには強力な手ブレ補正が搭載されているが、やはりジンバルを併用するとその効果の差は歴然で、一度持って歩いてみたら間違いなくハマれる商品だ。
一眼動画用として理想の形
しかし現在ジンバルは片手持ちタイプが主流で、「a2000」のように両手でがっしり構えられるタイプはほとんど見かけなくなり、両手持ちだったとしても前後に構えて持つオプショングリップを着けるモデルへと移行しているようだ。重たい一眼レフよりも小型・軽量のミラーレスカメラが増えているので、傾向としては仕方がないが、片手持ちジンバルは両手持ちグリップを付けたとしてもやや不自然な姿勢で持つことになるので、撮影時間が長引けば腕などへの負担が大きいように思う。
新型であればリモコンで一眼を操作できる機能などが充実しているのだが、少なくとも一眼を使う場合のグリップに関しては「a2000」の形がいまだに理想ではないだろうか。ちなみに軽いカメラを「a2000」で使用する場合は、片手持ち用のグリップも付属しているのでコンパクトに使用することも可能だ。使用感も気に入っているうえ、「a2000」タイプのグリップのモデルがほとんど手に入らない現状では、これからもしばらくはお世話になる逸品だと感じている。
ジンバルは比較的小型のミラーレス用のものであれば3~5万円、スマホ用のものであれば1~2万円程度から数多く出回っているから、興味を持った方はまずスマホ用から試してみるといい。ちなみにスマホ用は特に種類が多く出回っており、大きさやブレ補正の効き具合だけでなく値段もピンキリなのが悩ましいところで、悩んだら無難にDJIの「OM3」か「OM4」あたりを購入しておけば間違いない。値段も手ごろで、補正能力や使用感は間違いない。
動画でわかる両手持ちジンバルの手ブレ補正効果
カメラは「ニコン D810」を使用しています。
一眼レフカメラに「Feiyu Tech a2000」をつけて撮影
一眼レフカメラだけで撮影
〈文・写真〉園部大輔