1年で世界のありようがガラッと変わってしまった2020年。あっという間に1年が終わってしまったという方も多いのでは? ほんの少しでも楽しんで明るい2021年を迎えていただきたく、プロの写真家やカメラライターの「2020年に買ってよかったモノ」を紹介してきたこの企画。最後に番外編として、編集スタッフの買ってよかったモノを紹介します!
編集部・稲葉利二の2020年ベストバイ「ハーマンミラー アーロンチェア リマスタード ライト」
2020年はコロナ禍によりCAPA編集部の働き方も大きく変わり、中でもリモートワークの推奨はその最たるモノ。ほとんどの仕事を家の机の前で行うようになったわけです。そこで私が買ったのはイスです。ワーキングチェア。その名も「アーロンチェア」。究極のイスと言われるアレです。
10年以上使った中古の一代目から新品の二代目へ
発端は10年以上前、部屋の1時間も座るとお尻がヒリヒリする安物のイスに辟易していたころ、ある作家の書いたアーロンチェアのエッセイを読み感激して「座ってみたい」ととりあえず中古を入手。それを気がつけば十数年使っていました。
それ (一代目と呼ぼう) の座り心地は確かにその辺のイスとは違っていました。クッションがよく効くとか自分の存在を訴えてくるのではなく、ずっと座っていても、とにかくお尻や腰が痛くなったりシビれることはなく、疲れることもない。座るということに関して何も気にならなくなるのです。 (ほかのイスの出来の悪さはよくわかるように……)。そしていくらでも座っていられます。本当です。
で、一代目を快適に使っていたのですが、十数年使って「このまま中古だけ使って終わるのか?」と思ったら少しむなしくなり、給付金も出たタイミングでもあったのでまっさらの新品 (二代目) に替えちゃいました。 (ちなみに届くときの段ボールの大きさがエグい。回収してくれますが) 一代目は資金の足しにヤフオクへ。最近は中古も増えてずいぶん買いやすくなりました。
一生モノとはまさにコレ
調べてみるとアーロンチェアは2016年に約20年ぶりにモデルチェンジを実施。その進化にも興味がありました。座り心地は……全く一緒でした。究極ってことですね。新品には12年の保証期間が付くのも安心。実際は20年やそこらは余裕で持つらしいので、もう私の余生は二代目だけでまかなえるはず! 一生モノとはまさにこれのこと!
ということでイスだけは大変快適ライフを送れています。RAW現像するにも、ほかの仕事をするにもイスは大切ですよ。「リモートになって腰いわした」というのもよく聞きます。1日何時間も座って仕事しないといけない人、腰痛持ちの人は迷わずアーロンチェアにした方が幸せになれます。保証します。
アーロンチェア快適さの秘密
正式名称はハーマンミラー「アーロンチェア リマスタードライト」。1994年に人間工学に基づいて作られ、ニューヨーク近代美術館にコレクションされるほどの逸品。2016年にリマスタードにモデルチェンジ。
ライトとは簡易版のこと。フル装備版には、前傾チルトという文章打ちに最適なモードというのがあるのだがあまり自分に合わなかったので不要。アームレストも細かく調整できるのだが、その分剛性感がなくてこれが唯一の不満点。個人的には直付け式のライトのアームレストの方がカチッとしていて快適なのでこちらを選択。値段も安いし。
快適な座り心地の秘密はペリクルメッシュという細かいワイヤーを編み込んだ座面にあるらしい。体にキレイに分散されて荷重が掛かる。ウレタンのようにヘタることはない。 (ワイヤーが切れることはある)
欠点ではないが、アーロンチェアにはなぜかヘッドレストがありません。たぶん仕事用のイスだから。でも考え事のときなど頭を休めたい時もあるので、ネットから入手して付けました。仕事を放棄してうたた寝にも最適。
腰部もしっかりサポートしてくれるポスチャーフィットはリマスタードになって形状が変わったが、快適性は変化なし。
〈文・写真〉稲葉利二