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これさえ知っておけば撮影できる! Vlogを始める“前の前”【超基本・後編】

ブログの動画版・Vlog (ブイログ) は、どうやったら始められるのか? どんな風に作ったらいいのか? 前編では、いま主流のスタイルを通してVlogとは何かを解説した。後編では、実際に撮影する前に最低限知っておきたいことを紹介する。

Vlogを始める前の前

  1. Vlogを始める前の前・前編
  2. Vlogを始める前の前・後編

 

難しく考えすぎず、まずは始めてみよう! 知っておきたい Vlog制作の常識

これまで説明してきたように、Vlogはブログの延長みたいなものだから、ブログをやっている人にとっては、Vlogを始めるのはそれほどハードルは高くない。ただし写真とは違って、動画ならではの注意点がいくつかある。

最初の撮影機材はスマートフォンからでいい

高価な機材をいきなり買い揃える必要はない。スタートはスマートフォンで十分。編集もアプリを使ってエフェクトやプリセットを試してみてからでいい。カメラを使った本格的な撮影に挑戦してみるのは、それからでいい。まずはたくさん撮っていろいろ試してみることだ。

Vlogを始める前の前

簡単な操作で動画撮影ができるスマートフォンは、Vlogの入門機としてもオススメできる。豊富なアプリをうまく利用すれば、編集までできてしまうから、利用しない手はない。また、インターネットとの親和性も高いので、撮ってすぐに公開できる手軽さもある。もちろん、スマートフォンではできないこともあるから、それがわかってからでも高価な撮影機材を買うのは遅くない。自分の撮影スタイルに合った機材を見つけるためにも、まずはスマートフォンで撮ってみてはどうだろう。

慣れない編集作業はアプリまかせで始めてみる

写真撮影にはない動画の編集作業の面倒くささが、Vlogへのハードルを上げる一因にもなっている。慣れるまではアプリを使った、お手軽編集を利用してみよう。アプリのプリセットの機能にもの足りなくなったら、いよいよ編集ソフトデビューだ。

Vlogを始める前の前
GoProの公式アプリ「Quik」。画像のつなぎやBGMの調整は不要で、プリセットを選ぶだけ動画が完成する。

三脚、ジンバルを使ってカメラブレしない配慮を

動画の撮影で気を付けたいのはブレだ。見ていて疲れるし、うまく伝わらないことも多い。ブレがカッコよく決まっている動画もあるが、はじめからそんなにうまくいくわけがない。ある程度撮影に慣れるまでは、三脚やジンバル (スタビライザー) などを使って、ブレ対策をしっかりやっておこう。

Vlogを始める前の前

ブレ対策は、Vlogのクオリティを左右する重要な要因の一つ。手持ち撮影ではどうしても限界があるので、定点撮影なら三脚、移動しながら撮るならジンバルを使うのが望ましい。また、シューティンググリップや自撮り棒などがあると、カメラの操作性がよくなってアングルの自由度も高くなるので、ブレの軽減にもつながる。しかし、何でも揃えればいいというわけではない。自分の撮影スタイルに合ったものをチョイスしよう。

撮影禁止場所、危険な場所での撮影は絶対NG

撮影では、とにかく無茶をしないこと。視聴回数を増やしたいユーチューバーの中には、危険な場所で撮影したりといった例もあるが、日常がテーマのVlogでは、視聴回数を増やすことにあまり意味がない。

当然のことだが、カメラを持っていれば、何でも許されるというわけではない。撮影のルールはきちんと守ろう。公共施設内や私有地など、撮影が禁止されている場所はいろいろある。また、写真撮影はOKでも動画撮影はできないという場合もあるし、海外では金銭を要求されるといったトラブルになることもあるから、注意が必要だ。一部のYouTuberのような、視聴回数を増やすことが目的になってはいけない。

忘れちゃいけない! 音楽には著作権がある

著作権や肖像権への配慮も忘れずに。無用なトラブルに巻き込まれてしまっては、楽しいはずのVlogライフもつまらないものになってしまう。

音楽には著作権があるので、VlogのBGMに好きな曲を自由に使えるわけではない。BGMには、編集ソフトやアプリにプリセットされているものを利用したり、著作権フリーの音楽集などから選ぶのが一般的だ。せっかく作って公開した動画を削除しなければならなくなったり、場合によっては訴えられたりすることになりかねないから、注意しよう。

Vlogを発信するのはYouTubeだけに限らない

動画 = YouTubeというように思われがちだが、動画を公開できるSNSはいくつもある。Fcebook、Instagram、Twitterなどを使い分けているVloggerも少なくない。Vlogを誰に見てもらいたいのか、自分とつながりのある人なのか、不特定多数の人なのかなどを考え、それぞれのSNSの特徴にも配慮して、公開先を考えよう。またリンクを貼って、同じ動画をいくつものSNSで同時に公開することもできる。

Vlogを始める前の前
SNSごとに公開する動画を変えたり、同じものを同時に公開したりすることもできるから、うまく使い分けよう。

まとめ

Vlogを始めるには、まず動画を撮ることからスタートしよう。写真と同じ機材を使って、写真撮影との違いを知ることができれば、それは大きな進歩だ。写真を撮っているからわかることも少なくないはずだ。あとは、たくさん撮って、たくさん公開すること。数をこなすことこそ、上達への近道だ。

 

 

村橋茜さんに聞いてみた!「多くの人に伝えたいからSNSを使い分ける」

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村橋茜さん
MC / リポーター / フォト・ビデオグラファー。世界を駆け巡りながらYouTubeで映像、オフィシャルサイトでブログ配信をする。

本格的に動画を撮るようになったのは、2014年に震災後の東北を訪れてからです。東北の現状を多くの人に伝えたくて、最初はソニーのハンディカムで自撮りスタイルで撮影していました。

その後、画質のいい一眼カメラに替えて、レンズやジンバルなどが少しずつ増えていきました。「Insta360」の前モデルは360°が撮れて映像に変化が出るので、サブで愛用しています。撮ってすぐにアップしたいときには、スマートフォンを使うこともあります。

動画は、あとで一覧しやすいように、すべてYouTube にアップしていますが、いくつかのSNSにもアップします。より多くの人に伝えたいからです。

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▲メインのカメラは「ソニー α6500」。マイク、ジンバルを装備する。サブカメラには「Insta360」を持って、シーンで使い分ける。
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▲上がYouTubeのあかねチャンネル、下がFacebook。基本的に動画はYouTubeにアップしているが、多くの人に伝えたいとの思いから、Facebook、InstagramのSNSにもリンクを貼っている。

細井研作さんに聞いてみた!「アプリで手軽に編集できるDJI、GoProの機材がオススメ」

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細井研作さん
日常の何気ないシーンを日々撮影するライフログアーティスト。「日常を集めるとフシギとワクワクする」をテーマに1500本以上の動画をYouTubeにアップ。トラベラーズノートはりはり会を主宰する。

Vlogは、スナップショットと同じような感覚て撮っています。これまで、いろいろな機材を使ってきましたが、今、手元に残っているのは、DJIの「OSMO Pocket」と「iPhone 11 Pro」です。DJIのアプリは、カメラのパンがプログラミングされていたりして、使い勝手がいいんです。また、BGMをつけて画像をつなげてくれるなど、すごく完成度が高いアプリだと思います。

先日手放したGoProのアプリもすごく良かったです。どちらもガジェットとして魅力的なだけでなく、真似のできないアプリがあるからこそ人気があるんじゃないでしょうか。

スマートフォンでも動画をよく撮ります。画像転送が早くて楽というのが理由です。パソコン用のソフトで難しいエフェクトをプリセットしているアプリがあるのも魅力です。Vlogは、直接つながっている友人、知人に見てほしいので、最近はFacebook、Instagramで公開することが多くなっています。

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▲細井さんが現在愛用しているのは、DJIの「OSMO Pocket」。DJIのアプリはエフェクトの種類が豊富で完成度が高い。
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▲細井さんのVlogは「KEN 3TV (けんさんてぃーびぃー)」のタイトルでYouTubeとFacebook、Instagramにアップされている。「日常を集めるとフシギとワクワクする」というキャッチコピー通り、おばあちゃんとの思い出や旅行、グルメや参加したイベントの記録など、細井さんの日々の暮らしを綴ったものになっている。友人に自分の近況を伝えるような内容だ。

 

 

〈取材・文〉柴田 誠