ここからは、惜しくも選外となった作品の中から、鶴巻育子先生が気になった作品をピックアップしてアドバイスします。
永遠に
岡村友梨 (神奈川県川崎市 / 17歳 / 神奈川県立川崎北高等学校 / 写真部)
2020年のお正月に親戚一同で初詣に行ったときの様子です。マスクをしていない光景に違和感を感じてしまいます。慣れというものは恐ろしい。家族の温かさを感じるいい写真という見方もありますが、この写真の魅力は、写っている人はお参りという一つの目的があるにも関わらず、それぞれがバラバラの動作、表情をしていることの面白さです。
画面が少し窮屈です。もう少し引いて神社の雰囲気が感じられる空間を作るといいと思いました。
楽しかった時間
生越若葉 (島根県大田市 / 16歳 / 島根県立大田高等学校 / 写真部)
小さな雪の玉がついた手袋は、雪遊びをしたことを物語っています。手の形がよくわかる俯瞰のアングルもいいですね。
遊び終わったあとに部屋で撮影したと思われますが、雰囲気が今ひとつなのが残念でした。背景を工夫したり、光の質なども考えて撮影すれば、より「楽しかった時間」が表現できたでしょう。
見守られて
松井勇磨 (愛知県豊田市 / 18歳 / 愛知県立猿投農林高等学校 / 写真部)
なぜ民家にウルトラマンが? 狭い場所に樹木と一緒に並んでいる様子が滑稽で面白いです。確かに、帰宅途中の小学生を見守っているように見えてほのぼのした光景です。歩く子どもたちが等間隔なのもバランスが良いです。
被写体ブレは意図的なのかわかりませんが、ブレが中途半端に感じました。また、少し斜めになった構図が気になります。シャッタースピードを速くして全体をくっきりさせ、真正面から捉えるほうが、潔さを感じるスナップになると思います。