ここからは、惜しくも選外となった作品の中から、鶴巻育子先生が気になった作品をピックアップしてアドバイスします。
さよなら
関戸雅空 (愛知県豊山町 / 16歳 / 小牧南高等学校)
机に残された1枚の手紙 (?)、さっきまで誰かが座っていたとみられる椅子、風になびくカーテン。そして、「さよなら」というタイトルが、さまざまな物語性を感じさせます。非現実的な印象を与えるグリーンの色味も効果的です。
よく見ると奥の机にサンダルらしきものが置いてあるのに気づきました。手紙とカーテンの白だけをポイントにするほうが、美しく、見る側の想像力も高まったでしょう。
爽 (2枚組)
辻野加菜 (大阪府松原市 / 16歳 / 大阪府立生野高等学校 / 写真部)
「爽」という文字からイメージを集めた作品。おもしろい視点です。足の写真は、反射で水面がキラキラし、不思議なフォルムも目を引きます。ペディキュアの色も相まって美しい一枚に仕上がっています。
スマホ画面に映った空の写真も、透明感があって色も綺麗。周囲の状況が写り込み説明的になってしまったのが残念でした。スマホの画面だけ切り取ると、空の風景がよりダイナミックに写り、「爽」をより感じられ、もう一枚の写真と共通点ができたでしょう。
コレクション (3枚組)
杉浦 碧 (愛知県岡崎市 / 15歳 / 光ヶ丘女子高等学校)
作者もコメントしていますが、不気味で怖い雰囲気ですが、どこか可愛げのあるオブジェですね。特にプロレスラーのような鬼は愛嬌たっぷりです。写真は被写体にパワーがあると、ただ撮るだけでもいい写真になるものです。それに反応できるかどうかです。
この日は曇りのようですが、光が違うとさらに強い印象になりそうです。また、トライしてもっと印象的で面白い写真を見てみたいです。