2021年は少しずつ良い方へ変化の兆しが見え始めた1年でした。2022年は久しぶりに楽しい写真ライフを過ごせることを願って、プロ写真家やカメラライターに「2021年に買ってよかったモノ」を一斉調査しました。最後に番外編として、編集スタッフの買ってよかったモノを紹介します!
CAPA編集部・北井保孝の2021ベストバイ「EIZO ColorEdge CS2410」
テレワークの時代だからハードウェアキャリブレーション可能なモニターにチェンジ!
自宅では、今でもデスクトップパソコンを使用しているため、液晶モニターは必需品です。これまでは普通の液晶モニターを使用していたので、ソフトウェアキャリブレーションで色合わせをしていました。すでに10年以上使用しているモニターなので、バックライトに冷陰極管が使用され、この時期は寒さのため、本来の明るさが得られるまで時間がかかります。その煩わしさからやっと重い腰を上げ、新しい液晶モニターを探すことにしました。ソフトウェアキャリブレーションは面倒なので、今回はハードウェアキャリブレーションモニターを選びました。
まずはサイズの検討です。さすがに30型オーバーの大型モニターは手に余るので、24.1型と27型の二択。可能なら大きいほうがいいとは思いますが、置き場所と予算も考慮に入れなければなりません。パソコンラックの幅が約60cmなので、左右を少しはみ出させれば27型も置けないことはなさそうですが、今回は24.1型で我慢することにしました。
リーズナブルな価格が購入の決め手になった
次に選択したのが色域です。24.1型のモニターにはAdobeRGBモデルとsRGBモデルがあるため、用途に合わせて選ぶ必要があります。私の場合は、カメラの色域設定はsRGB、プリンターも普通のA4複合機を使用しているため、sRGBモデルで十分と判断。価格もグッとお安くなります。
ここまでくると選択肢は「EIZO ColorEdge CS2410」と「NEC MultiSync LCD-P243W」の2機種に絞られます。「CS2410」はColorEdgeシリーズとしては破格の5万円台を実現、「LCD-P243W」は10bit表示に対応したモデルです。ただ、いろいろ調べてみると「LCD-P243W」は量販店などでの取り扱いがなく、NECのSOHC/企業向けショッピングサイトで136,400円、Yahoo!ショッピングなどでは7万円台から16万円台と幅広い価格設定が見受けられます。「CS2410」もEIZO直販サイトのみの販売で、量販店のポイントを使うことはできませんでしたが、税込54,780円の価格が決め手となりました。
ハードウェアキャリブレーションの手軽さと安心感は格別
「CS2410」には遮光フードや測色センサーとのお買い得なセットモデルも用意されていますが、測色センサーは「ColorMunki Photo」を所有しており、遮光フードはパソコンラックの上部が棚になっていて遮光してくれるので、今回はモニターのみを購入。専用のキャリブレーションソフト「ColorNavigator 7」は無償でダウンロードでき、対応している測色センサーがあればハードウェアキャリブレーションができます。
キャリブレーションといっても、「CS2410」は工場で個別調整されているので、通常は経年変化の補正がメインです。私の場合は仕事柄、印刷向きのキャリブレーションモードも使用していますが、ハードウェアキャリブレーションの手軽さと安心感は格別です。表示性能も満足できるレベルなので、これから10年は使い続けたいと思います。
〈文・写真〉北井保孝