さまざまなパターンのNDが併用でき、輝度差が大きい場面やスローシャッター表現で欠かせないアイテムとなりつつある角型フィルター。これまで2回にわたって、角型フィルターの利点と導入する際のポイントを紹介した。今回は、各社の主な100mm幅フィルターシステムを紹介する。
目次
- 角型フィルターの利点とは?
- 角型フィルター導入のポイント
- 各社の主な100mm幅フィルターシステム
H&Y K-Series Landscape Set
風景撮影の基本セットが揃う
マグネットフレームとドロップインフィルターを採用。GNDフィルターは「ゴリラガラス III」を使用し、落としたりしても割れにくい。平面性が高く、撥水・防汚・低反射コーティングが施され、重ねてもレンズ性能への影響が少ない。このセットがあれば風景撮影全般で対応可能。
直感的な操作で着脱が素早くスムーズ
フレーム付きでフィルターガラスに指紋などが付着しにくい。金属製のホルダーはロックネジ付きのMark IIに進化。1枚だけだが、ショックなどによる脱落を防いでくれる。
マルミ マグネットスリムフィルターシリーズ
初めての角型システムにオススメ
H&Yのマグネットフレームを採用したシリーズ。フィルターガラスはショット社製で、撥水・防汚・低反射コート仕様。CPLはアダプターリングに装着するのでホルダーなしでも使用可能だ。それぞれ単体販売で、比較的安価なので、まずは角型システムを使ってみたい人にオススメ。
NiSi V7ホルダー TRUE COLOR CPLキット
耐久性が高く水辺撮影などにも向く本格派
ホルダーはアルミ製 (フィルターを保持するパーツは樹脂製) で100mm幅フィルターを3枚まで差し込める。フィルターは2mm厚の光学ガラス製。撥水・防汚・低反射のNano IRコーティングと耐久性・光学性に優れる。2枚のフィルターの角度を変えられるタイプも。
高性能CPLの着脱がスムーズに
専用のCPLフィルターは従来よりも色の偏りを減らした高性能タイプで、素早く着脱できるバヨネット式に変更された。アダプターからの脱落を防ぐロックネジを備えている。
LEE100 デラックスキット
樹脂製で軽いため山岳撮影用にオススメ
ホルダーは樹脂製だが強度は十分なので軽いのはありがたい。フィルターの枚数を1枚 / 2枚 / 3枚に変えられるパーツが付属しているのも便利な点。NDとCPLフィルターはガラス製、GNDフィルターは樹脂製。
CPLは前面に装着でき干渉を軽減
CPLフィルターはホルダー前面に装着するタイプで歪みなどによる干渉が軽減できるのがメリット。ホルダーのつまみで3段階のロックが可能。脱落や不用意な回転を防げる。
Cokin NXエキスパートキット
確実な操作性で夜間撮影にも最適
2枚の100mm幅フィルターが装着できるホルダーは金属製で独自のスプリングロードボール方式を採用。確実でスムーズな操作が可能なうえ、脱落の危険性も少なく、夜間撮影にも便利。2mm厚の低反射コートの強化ガラス製フィルター4枚がセット。
独特の圧力ボールが確実に保持する
フィルターを保持するスロットに圧力ボールが組み込まれていて、確実な装着とスムーズなスライド操作を可能にしている。フレームがあることで指紋などが付着しにくい。
KANI スタンダードセット100mm II
口径が大きな広角レンズを使った撮影に
差し込み式のホルダー本体は金属製。フィルターは撥水・防汚・低反射コートが施された強化ガラス製で両面を超精密研摩で仕上げている。別売アダプターで86mm、95mm径のレンズにも対応可能。
CPLはアダプターリングと一体型
CPLフィルターはアダプターリングと一体型でホルダーなしでも使える。別売のアタッチメントに換装すると2枚のGNDフィルターをそれぞれ別角度に傾けて使用可能。
kenko ハーフプロソフトン (A) 100×125mm
星景撮影に持っておきたい
星景写真の定番、ケンコー「プロソフトン」の角型ハーフタイプ。地上の風景はシャープなままで空の部分にだけソフト効果を与えられる。サイズが100×125mmなので、フレームありのシステムには要注意だ。
H&Y K-Series ヒーティングホルダー
結露防止に役立つ便利アイテム
H&Yでは夜間や冬季の結露、凍結を防ぐヒーターを内蔵したKシリーズホルダーを用意。背後からの光による影響を抑える遮光板を装備。−10℃での動作テストで結露や凍結がないことを確認済み。
星景撮影の必需品・光害カット用フィルター
水銀灯やナトリウム灯などによる色かぶりをカットできる夜景・星景撮影用の特殊フィルターが各社から発売されている。黄色系のくすみを抑え、カラーバランスを保ちつつ引き締まった夜空が撮れる。角型のほか、CPLフィルターと同様の装着方法のものがある。