ここからは、惜しくも選外となった作品の中から、鶴巻育子先生が気になった作品をピックアップしてアドバイスします。
凝視
神﨑美桜 (福岡県福岡市西区 / 15歳 / 博多青松高等学校)
バランスよく木の棒に座っている猫。水彩画のようなタッチでなんとも不思議な雰囲気を出しているプリントでした。
スマホのカメラで拡大にして撮影した感じでしょうか。はっきりしたことはわかりませんが、デジタルらしさが際立った面白さとインパクトがあるのは事実です。
このような写真は、1枚よりも複数枚で見せて世界観を作るほうがより面白さが増すと思います。スマホのフットワークの良さを生かしてたくさん撮って作品にするのも良さそうです。
おいしい音
記野莉緒 (東京都西東京市 / 16歳 / 東亜学園高等学校 / 写真部)
揚げ物を調理する音に惹かれてストレートに撮影した写真。油に浮いている肉が整列し踊っているようで楽しそうに見えます。
周りを写し込むことで日常的なイメージを捉えることができますが、あえてフライパンだけを切り取ったり、さらにモノクロにしてみたり、現実とは違う見え方を意識してみるのも面白いと思います。レンズの選択も必要かと思いますし、火傷に気をつけて撮影してください!
14:00 (3枚組)
植野さくら (和歌山県田辺市 / 17歳 / 和歌山県立神島高等学校 / 写真部)
変顔をした写真が強いインパクトで夢にまで出てきそうです。ほかの2枚は、子どもらしい仕草と表情を捉え微笑ましい瞬間を写しています。また、家族の尊い時間が伝わります。
プリントで拝見したとき、それぞれの写真が分離して見えてしまいました。それぞれ単写真で見せても十分なパワーがある写真群だと思います。組写真にする場合、もう少し数があるとまとまりが出たでしょう。