カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2023」が、2023年2月23日~26日にリアル会場とオンラインで開催。4年ぶりとなるリアル会場から、注目の新製品や各社のイチオシ、取材スタッフが見つけた注目アイテムを紹介します。
ケンコー・トキナー
ケンコー・トキナーブースは、交換レンズ、フィルター、コンパクトデジタルカメラ、三脚、望遠鏡、双眼鏡、ジンバルなど、さまざまなジャンルの多彩な製品が目白押し! 注目のアイテムに絞って紹介したい。
Tokina
トキナーの交換レンズコーナーで強力にアピールされていたのが、3本の超望遠ミラーレンズ。2022年秋にクラウドファンディングで製品化され、2023年2月3日に市販が開始されたホットな新製品。「SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」「SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」「SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」の3本は、それぞれソニーE、富士フイルムX、キヤノンEF-Mの3種類のマウントが用意され、自由に手に取ることができた。
トキナーのマウントアダプター「SZ Mount Converter EF-FE (TA-019)」はCP+2023に合わせて発表された新製品。トキナーのEFマウントレンズをソニーEマウントのミラーレスカメラで使用するためのもので、オートフォーカスやAEが連動する。AFモードは静止画用のモード1と動画用のモード2を選択できる。microUSB端子付きで、ファームアップにも対応するようだ。2023年3月24日発売。
超望遠ミラーレンズが充実してきたトキナーから、被写体に狙いを定め、画面内に収めるのをサポートする照準器「SZ スーパーテレファインダーレンズ (TA-018)」が登場。耐防水性能2mの頑丈なつくりで、カメラのアクセサリーシューにセットして使用する。2023年3月24日の発売が予定されている。
Lensbaby
レンズベビーの新製品は、ボケの形状を変えられる交換式絞りディスクに対応した「コンポーザープロII ダブルグラスII」。従来の「コンポーザープロII」に、新しい50mmレンズユニットを加えたもの。フルサイズ対応で、各種マウントに対応する。
ユニークな形状の絞りディスクにより、点光源のボケの形状をコントロールできるのが大きな特徴。描写は「スウィート50」よりソフトで、イルミネーション撮影などに効果があるとのこと。2023年3月10日発売。
SAMYANG
サムヤンからは、世界初のAFシネマレンズが登場。従来のシネマレンズは、マニュアルフォーカスのみだったが、カメラ側のAF機能が動画にも対応できるようになったためAF化が図られた。「V-AF 24mm T1.9」「V-AF 35mm T1.9」「V-AF 75mm T1.9」の3本で、すべて同じ大きさ (φ72.2×72.1mm)、重さ (280g) で揃えられているのは、ジンバルやドローンに搭載することを考えてのこと。マウントはソニーEマウントのみ。2023年4月の発売を予定している。
このV-AFシリーズ用のアクセサリーとして、「V-AF専用MF Adapter」が参考出品された。V-AFレンズは先端部にもマウントがあり、ここに取り付けることで、アダプター側のリングでフォーカシング、レンズ側のリングで絞りを操作することができる。
Kenko
ケンコーのフィルター製品では、新たに2つのアイテムが登場。1つは「ブラックミスト プロテクター」。ハイライトとシャドウのコントラストを抑え、柔らかな描写が得られるブラックミストのソフト効果をNo.1の1/4、No.05の1/2に抑えることで、常用フィルターとして使いやすくしたもの。撥水・撥油コートを採用し、プロテクターとしても使用できる。2023年4月に発売の予定。
もう1つは「スターリーナイト プロソフトン」。星景写真を撮るときに使われる光害カットフィルターの「スターリーナイト」と、星座の強調効果がある「プロソフトン」を1枚のフィルターにまとめた。重ね付けの必要がなく、ケラレや不要な反射を抑えるメリットがある。フィルター径は49mmから82mmまでの9サイズ。2023年6月に発売の予定。
複数の円形フィルターを入れられるフィルターケースも新型が登場。最大82mm径のフィルターに対応する4枚収納のスクエアタイプ「LUCE フィルターケース 4 BKCF」と、8枚収納のロングタイプ「LUCE フィルターケース 8 BKCF」がある。カラビナが付属し、カメラバッグなどに取り付けが可能。2023年3月中旬に発売の予定。
「LUCE フィルターケース」の内部。2つのファスナーで2室に分けられており、内側の生地は赤く、視認性が高い。ポケットは、フィルターを保護しつつ、取り出しやすい形状となっている。
「LUCE フィルターケース」と同じサイズで、ファスナーが防水タイプになった「SanctuaryIV WPフィルターケース」も併せて登場。ケースの生地も防水なので、多少の雨や水しぶきを浴びても安心。野鳥の姿がアクセントとしてデザインされている。カラビナが付属し、カメラバッグなどに取り付けられる。2023年3月中旬に発売の予定。
スマートフォン用のコンバージョンレンズやクローズアップを展開してきたケンコーは、新たに「EXAPRO」シリーズを発表。ベースとなる「EXAPRO フィルタークリップ」は49mm径のフィルターを取り付けられるのが大きな特長。任意のフィルターを付けて撮影できる。近年、スマホのカメラ機能の強化によって複数のレンズを搭載するものが増えているが、「EXAPRO」であれば、1枚のフィルターですべてのレンズをカバーすることができる。このクリップ本体とレンズフードがセットになったものが2023年4月に発売される。
双眼鏡は自然観察用から舞台や演劇鑑賞に最適なものまで、携帯性に優れたコンパクトなものを中心に新製品を多数展示。天体望遠鏡や赤道儀の新型も紹介されていた。
SLIK
スリッックの三脚製品では、スリムなアルミ三脚と金属製のテーブルがセットになった「レプトス A294 camper」がユニーク。キャンプ時に三脚をテーブルにしてしまおうというアイディア商品で、通常の「レプトス A294」にグリーンカラーを施し、裏側に三脚ネジ穴を持つ金属製のプレートがセットになったもの。コッヘルや調理器具を引っかけられるホールや切り欠きが設けられている。2023年3月17日に発売される。
同じ「camper」シリーズとして。グリーンカラーの自立式一脚「スタンドポッド GX camper」も展示。一脚本体に仕掛けはなく、付属の収納ケースがプロジェクターのスクリーンにもなるのが特長。こちらも2023年3月17日に発売。
三脚関連では、吸盤によってガラス面や金属の平面に強力に吸着する「サクションベース SVM-75 / SVM-120」を新製品として展示。本体から飛び出した排気ポンプをポンピングすると吸盤内の空気が吸い出され、吸着力を高める。本体には1/4インチ、3/8インチのネジが付き、別売の雲台を取り付けて機材を固定する。吸盤の径が小さい「SVM-75」と、径が大きく吸着力の高い「SVM-120」がある。いずれも2023年4月21日発売。