ここからは、惜しくも選外となった作品の中から、公文健太郎先生が気になった作品をピックアップしてアドバイスします。
別れ
松室茜里 (千葉県鎌ケ谷市 / 千葉県立柏の葉高等学校 / 15歳)
ゆっくりと動く観覧車と、動きのある女性の髪。遊園地を楽しんでいるようにも見えますし、逆に別れのストーリーも連想することができます。太陽が写り込んでいますが、すこし強すぎる気がします。人物の後ろにもう少し隠せば、フレアによるシャドーの破綻が軽減されます。髪の毛のディテールが写り、表情 (顔ではなく心情) が表現できたのではないでしょうか。
日の目
安藤咲奈 (愛知県豊川市 / 豊川高等学校 / 写真部)
真っ赤に染まる夕焼けと、その夕焼けを透かした窓の赤さ。絵としても美しいですし、人の暮らしを感じる情緒もあります。しかしどうしてここまで絞り、シャッタースピ−ドを上げたのでしょうか? あえてノイズを加えたかったのでしょうか? 美しい夕焼けなのに、恐ろしいほどノイズが乗ってしまっています。もう少し低感度で!
光を求めて (4枚組)
鈴木琢斗 (愛知県豊川市 / 豊川高等学校 / 写真部)
ソフトボール部の練習を捉えた作品。大胆な切り取り方や、配色、選手の仕草などが目を引きました。ただ残念なのは1枚目の作品です。黄色いコーンにフォーカスを合わせていますが、他の3点に比べると主題が弱いです。なんとなく色があるからフォーカスを合わせるのではなく、主題に合ったフォーカスのポイントを探しましょう。