ここからは、惜しくも選外となった作品の中から、公文健太郎先生が気になった作品をピックアップしてアドバイスします。
共鳴
磯部彩華 (香川県坂出市 / 16歳 / 香川県立坂出商業高等学校 / 写真部)
朗読劇でしょうか。二人の女性が物語に入り込んで語っている様子が伝わってきます。声は聞こえなくても、表情から舞台の緊張感が伝わってきます。悲しみや苦しみを伝える状況なのかと思います。少し構図を崩して、右上の余白を大きめにとり、あえてバランスを崩してみても良かったですね。より均衡が崩れ、不安感を強調できたと思います。
すぐに追いつくよ!
及川杏琉 (宮城県塩竈市 / 16歳 / 宮城県立塩釜高等学校 / 写真部)
兄弟並んでの背比べの様子。弟君の表情や動きが良いですね。ここはお兄ちゃんのマスクを外してほしかったです。コロナ禍でマスクが日常化してしまい、マスクがなかったら、と思う写真がたくさんあります。もちろん状況にもよりますが、マスクを生かした撮影でない場合、ちょっと声をかけて外してもらうと良いと思います。やはり表情が語る情報は大切ですから。
進歩
蔦原茉奈 (和歌山県田辺市 / 18歳 / 和歌山県立神島高校 / 写真部)
影、砂利、海、山、空のラインが美しいです。また、少女の足が岩を離れる寸前のタイミングだからこそ、恐々と飛ぶ感じが伝わってきます。さらに高度ではありますが、より冷静に撮っている感じが出たら良かったです。飛ぶことに引っ張られず、風景として撮る。もうちょっとだけ引いても良かったかもしれません。飛ぶことに集中しつつも、飛ぶことをとらない。禅問答のようですが期待を込めてのコメントです。