【2時限目】テーマの見つけ方と写真のセレクト
2時間目は、実際に写真をセレクトする作業。こうしたチームごとの展示は初めてということもあり、中井さんのリードによって、各班の展示の方向性を作り上げていくことに。
中井さんが、まず机に並んだプリント全体を一望しながら、チームの個性を見出していく。「このチームは、心象的な写真が目を引きますね。さらに、光を生かしていたり、色に着目しているものが多い。『私の見つけた光と色』という方向性で写真を選んでみたらどうかな」。提案しながら、その方向性に沿った写真を次々と選び出していく。
プリントをグループ分けすることでテーマが明確になり、始めは「?」という顔で聞いていた生徒たちも納得の表情に変わり始める。「選んだ写真だけが良くて、ほかの写真がうまくないっていうことじゃないんだよ。文化祭で組写真を作って発表するということは、設定したテーマを、展示を見てくれるお客さんに伝えるということ。だから、テーマ次第で選ぶ写真は変わるんです」。
数多くの中から限られた枚数に自分の写真を絞っていくのは、プロ写真家にとってさえ難しい作業。具体的なテーマを設定する重要性と、それに合わせて写真を選ぶ厳しさを一人一人が実感したようだ。
A班の展示候補作品から
「A班は、色や光に着目した写真が印象的だったなぁ」と中井さん。生徒たちも「そう意識すると、選ぶ基準ができて意識が変わります!」。特に黄色と水色のコントラストが目立つ作品を軸に、候補写真をセレクトした。
B班の展示候補作品から
中井さんは「B班はこのトンネルみたいな構図の写真がメインになるんじゃない?」と助言。「ほかは青空や濃い緑の鮮やかな風景が多かったから、『秩父の夏』をテーマにしてみては?」。中井さんの提案に「まったく思いつきませんでした!」と今回も目からウロコの生徒たち。