久しぶりに行動の自由が戻ってきた2023年。プロ写真家の皆さんに「2023年、買ってよかったモノ」を一斉調査しました。2024年の明るく楽しい写真ライフの参考になれば幸いです。さあ、どんなアイテムが出てくるかな?
鹿野貴司さんの2023ベストバイ「ソニー FE 20-70mm F4 G」「タムロン 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」「シグマ 50mm F1.4 DG DN | Art」
最近の撮影事情に合わせてソニーのF4標準ズームを中心にレンズ構成を一新
仕事で使っているのはソニーの「α7R IV」と「α7R III」で、2023年こそどちらかを「α7R V」に買い替えようかと思いつつ、結局は越年。画質が向上したところでクライアントさんがそれに気付くこともないし、ましてやカメラ代を請求書に乗っけるわけにもいかないし……。とはいえ、レンズは仕事の成果や生産性に大きく関わってくる。
2本のズームレンズで欲しい焦点距離をカバー
ここ数年はタムロンの「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」で仕事の8~9割をこなしていたが、28mmでは収まらない、あるいは200mmでは足りない場面がそこそこある。そのたびに広角ズームや望遠ズームに替えていたのだが、今年2月にソニーから「FE 20-70mm F4 G」が登場。発売と同時に購入し、己のレンズ構成を一新した。
併せて購入したのはタムロンの「50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」。これで20mmから400mmまでを2本でカバーでき、しかも50mmから70mmという実用的なゾーンが重なる。ステージやイベントの取材では50-400mm一本で済んでしまうことが多く、しかも描写は8倍ズームとは思えぬキレのよさがある。20-70mmも便利だが、50-400mmはそれ以上に買ってよかったなぁと思っている。
私用として購入した50mmは仕事でも活躍
そして「FE 20-70mm F4 G」と同じく今年2月に発売されたシグマの「50mm F1.4 DG DN | Art」も購入。仕事はともかく、私事なら標準レンズ一本あれば何でも撮れる僕だが、手持ちのソニーEマウントレンズを見渡すと40mm、45mm、55mm……と50mm前後ばかり。なぜか王道の50mmを持っていなかった。欲しくなるレンズがなかったというのもあるのだが、シグマがやっと出してくれた……と思ったら、追いかけるようにソニーから「FE 50mm F1.4 GM」も登場。少し試す機会があり、その光学性能に驚愕してシグマとどちらにすべきか迷うも、「35mm F1.4 DG DN | Art」「85mm F1.4 DG DN | Art」というきょうだいモデルを使っていることもあって、シグマを選んだ。もちろんソニーより価格が安いこともあるが、シグマ歴も長くなるとその “味付け” に安心感を覚えるのだ。
50mmを購入したのは私事のためでもあるが、仕事でも結構稼働率が高い。以前は仕事で人物撮影というと、85mmで縦位置というのが定番だった。しかし最近は掲載先がWEB媒体になったことで、横位置を指定されることが増えている。85mm+横位置で人物を撮るにはかなり引く必要があり、結果として50mmを使うことが増えたわけだ。
今はこの3本+タムロン28-200mmで仕事のほとんどをカバーできているが、マウントアダプター経由でまだ一眼レフ用を使っているマクロレンズを、来年こそはEマウントネイティブに買い換えたいなぁ……などと思う年の瀬である。
作例
ソニー FE 20-70mm F4 G
標準ズームが広角寄りにシフトした20-70mmは、風景やスナップを撮るときには無類の安心感がある。ソニーでは普及価格帯のGレンズに属するが、描写も実にすばらしい。
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シグマ 50mm F1.4 DG DN | Art
万能なズームも頼りになるのだけど、プライベートであれば50mm一本が気楽でいい。目の前の光景をそのままスパッと切り取る気持ち良さは、標準レンズならではのものだ。
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レンズが3本なのに作例は2点ですみません (50-400mmは仕事でしか使わないので、お見せできる作例がなく……)。