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【2023ベストバイ】ボディキャップ感覚で持ち歩ける「キヤノン RF28mm F2.8 STM」が大活躍

久しぶりに行動の自由が戻ってきた2023年。プロ写真家の皆さんに「2023年、買ってよかったモノ」を一斉調査しました。2024年の明るく楽しい写真ライフの参考になれば幸いです。さあ、どんなアイテムが出てくるかな?

プロが買って良かったモノ教えます! 2023ベストバイ特集

オカダキサラさんの2023ベストバイ「キヤノン RF28mm F2.8 STM」

【2023ベストバイ】オカダキサラさん

肩の力を抜いて、いい瞬間に誘ってくれる小型軽量レンズ

今年はフリーランスのカメラマンとして本格的に活動するようになったため、カメラ機材の購入が多い1年だった。中でもキヤノンの「RF28mm F2.8 STM」は、仕事でも作品撮りでも大活躍している。

私はカメラを2台持っている。「EOS R5」と「EOS R6 Mark II」だ。どちらも素晴らしいカメラだけど、困っていることがあった。私は40mmの単焦点レンズで作品の撮影をすることが多いのだが、キヤノンのRFレンズには40mmの単焦点がまだ存在しないのだ。

「EF40mm F2.8 STM」は画角と私の視野がマッチしていて最高のレンズだった。ところがEF40mmをミラーレスカメラに装着する場合、マウントアダプターを間に挟まなくてはならず、レンズの軽量さを生かせないのだ。もったいないなぁ、と思っていたときに登場したのが「RF28mm F2.8 STM」だった。待ちに待ったパンケーキレンズ。即座に「欲しい!」と思ったが、「いや、でも……」という迷いもあった。

焦点距離だ。

電卓を叩いた。クロップ機能を使えば1.6倍で焦点距離は44.8mm相当になる。……微妙。40mmより望遠にはなるが50mmよりも広角。どんな画角なんだろう……? 想像できず、銀座のショールームで試写することにした。

軽量でシンプル、性能もバッチリ

実際に見た「RF28mm F2.8 STM」はシンプルな作りだった。スタッフさんが「ボディキャップの代わりにもなります」と紹介してくれたほどだ。AFも素早く、MFへの切り替えもリングを回せばいいだけなので簡単。性能の高さはバッチリだ。

問題の画角は? 正直、ショールームのテスト撮影では判断できなかった。わからなかったけど、120gと軽量なのに高性能なところに惹かれ、結局お店を出てすぐに予約した。

持ち運びの便利さは良いスナップ写真を撮るための必須条件

それから1か月してレンズが手元に届いたので、さっそく使ってみた。懸念していた画角について結論を言うと、まったく問題なかった。「あともうちょっと画面に入れたいなぁ」というときはクロップをオフにすればよく、準広角から標準までを1本で補える。スナップショット向きのレンズだと思った。

レンズが短いため首から下げていても負担が少なく、私にとってはかなり助かる。持ち運びの便利さは良い写真を撮るための必須条件だ。「せっかくカメラを持って出かけたのに、シャッターを切らずに帰ってしまい残念だった」という話を耳にすることがある。重たく大きいレンズを持って出かけたのに、1枚も写真が撮れなかったらショックだろう。そういう記憶や体験が重なると、カメラを置いていきがちになってしまう。

「RF28mm F2.8 STM」は小型なので、「撮らなくちゃ!」というプレッシャーをあまり感じさせないのではないかな、と思う。スタッフさんの言葉を借りれば、写真も撮れるボディキャップをつけてるくらいな気軽さで持ち運べる。

不思議だけど写真は「撮ろう!」と意気込んでいるときほど、うまく撮れなかったりする。肩から余計な力が抜けているときの方が良い写真が撮れる、とは写真家からよく聞くし、私もそう感じることが多い。

好きな景色を見つけたとき、一緒に眺める相棒。そんな気持ちでカメラを持って出かけるのに、「RF28mm F2.8 STM」はピッタリなレンズだ。

作例

東京駅丸の内駅前広場を行幸通りから撮影。

【2023ベストバイ】オカダキサラさん
キヤノン EOS R6 Mark II RF28mm F2.8 STM 絞りF4.5 1/125秒 ISO2000 WB : オート