ここからは、惜しくも選外となった作品の中から、鵜川真由子先生が気になった作品をピックアップしてアドバイスします。
ピックアップ「かくれんぼ」(3枚組)
竹野陽向子 (愛知県豊川市 / 16歳 / 豊川高等学校 / 写真部)
非常にインパクトが強く、気になる作品でした。モノクロで粒子の粗い作風も、シンプルにかっこいいと思います。ただ入選できなかったのには理由があります。同じ作風の人がたくさんいるということです。どんなに素晴らしくても、同じ作風の中からは一人しか選ばれません。ほかの人にはない自分だけの強みは何なのか、研究を続けてほしいと思います。
ピックアップ「挟み撃ち成功」
板倉昊大 (鳥取県鳥取市 / 13歳 / 鳥取県立鳥取聾学校 / 写真部)
ほのぼのとした、いい作品ですね。手前に写る3人の影に追い詰められている様子がよく伝わってきました。ただ、お友達と撮り合いをしているのだと思いますが、同じシチュエーションや同じ登場人物の作品が多くありました。それもやはり選ばれるのは一人だけです。場所や演出も、新しいものを見せていただけたらうれしいです。
ピックアップ「ミツケタ…。」
田中美羽 (千葉県松戸市 / 16歳 / 千葉県立柏の葉高等学校 / 写真部)
なんとも不思議な (そしてちょっと不気味な) 写真ですが、かなり気になりました。田中さんは3枚の写真を別々に応募してくださいましたね。個々でも面白いのですが、やや決定打に欠けていました。ところがすべてを合わせて組写真にしてみると、とんでもなく素晴らしい作品だと思いますよ。今回は惜しかったですが、この作風を大切に育ててほしいと思います。