2024年5月18、19日に開催されたSUPER FORMULA 2024 第2戦オートポリス九州大会(大分県日田市)。レースだけでなくイベント広場では様々なイベントが開催される中、『「フォトサポ」カメラ女子が学ぶ講座』と題されたトークショーが実施された。
フォトサポの詳細はこちら▷▷https://fotosapo.nikon.com
そのトークショーに、CAPA「流し撮りGP」審査委員長としてもおなじみのJRPA会長・小林稔カメラマンが登壇。SUPER GT 300クラス「muta racing」レースアンバサダーであり、昨年からカメラに興味を持ち始めた後藤佑紀さんが、小林カメラマンからモータースポーツ撮影のコツを学ぶという企画。20分という時間に「もっと聞いていたかった」という声も多く寄せられていた。
冒頭、後藤さんからはニコンがSUPER FORMULAと展開する「フォトサポ」という写真による応援サイトについて説明。公式の写真に特化したSNSであり、レースごとに写真を投稿したり、選手を顔認識することが可能。後藤さんは「今日と明日で私もたくさん写真を撮って投稿しますので皆さんもぜひ投稿してくださいね」と呼びかけた。
小林稔カメラマンが大事な基礎を伝授
トークショーでは、「フォトサポ」に投稿された中から事前に3枚の写真を後藤さんが選定。「どうすればこんな写真が自分も撮れるようになるのか」という質問をぶつけた。小林さんは「流し撮りの写真にあこがれるのは分かるが、最初はフレーム内にマシンをしっかり納めることを意識すること。シャッタースピードも上げて良いので」というアドバイス。それに対し後藤さんは「シャッタースピードもどんどん遅くして、すでに1/50にしちゃってました…欲深いもので(笑)」と会場の笑いを誘った。
流し撮り撮影時のコツとして、小林さんは「フォロースルー」の大切さも挙げた。「ゴルフや野球などのスポーツと同じで、カメラもフォロースルーが大切。走るマシンに合わせて身体を回転させカメラを向けるが、シャッターを切った後もしっかり振りぬくことが大事」という解説に、後藤さんや会場のモータースポーツファンも熱心に耳を傾けた。トークショーを終えた小林さんに感想を聞いた。
「私のアドバイスで後藤さんが上達できると嬉しいです。そして皆さんも彼女と一緒に、上手くなっていただき、モータースポーツ写真の楽しさを知ってもらいたいです。自信作はぜひCAPA「流し撮りGP」にも応募してくださいね」
Z 8とレンズを借りて本格的な撮影が楽しめる!
イベントの最後には、その後の予選で使用できる「フォトサポ」カメラレンタルサービスも募集された。ニコン「Z 8」+「NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR」を本番のレースで試せるという企画に、レンタル参加者からは「実際に使ってみたらその性能にびっくりした」「お店で試したりもしたが、実戦的な環境で撮れたのが良かった」「ぜひ他のサーキットでも実施してほしい」と好評だった。カメラの経験があまりない人でも、ニコンのスタッフがサポートとしてついてくれていて、参加者は安心して楽しんでいた様子だった。
大西カメラマンも驚きの上達ぶり
翌日のトークショーは、同じく後藤さんと、JRPA事務局長の大西靖カメラマンが同様のテーマで対談を実施。前日の小林カメラマンのアドバイスを受け実践を重ねた後藤さんの写真に、大西カメラマンも「正直腕が上がっていて驚いた」「シャッタースピードは上げても良いので、フレーム目一杯にドンとマシンを捉える写真を撮っていくこと」といったコメントやアドバイスが飛び出した。
親も子供もファインダーを覗く瞳は真剣
レース期間中には他にも、ファミリー向けの企画も実施された。後藤さんと一緒に家族みんなでレースの写真を撮ろうという呼びかけに多くの希望者が集まり、カメラレンタルサービスと同様の機材を貸し出された。こちらも後藤さんと同世代からお子さん連れまで、楽しく写真撮る・皆で写真を通じて応援する、という「フォトサポ」のコンセプトが具現化された企画に参加者の満足度は高かったよう。
写真を通して楽しむ「推し活」に注目!
「フォトサポ」には、2日間で数百枚の写真がアップされている。「オーポリセレクション」と題して、通常の投稿に加えて、スマホ部門「オーポリの魅力が詰まった写真」・カメラ部門「私の応援するドライバー」で写真を募集。投稿された写真のうちいくつかはSUPER FORMULA公式SNSで紹介されるというものだが、レース中のマシンはもちろん、ピットでの選手やレースクイーンの写真、2日間のオートポリスで行われた様々なイベントや、フォトスポットなど、「こんな場所があったなんて」という写真も多く寄せられている。
ニコンでは、SUPER FORMULAだけでなくJリーグともサッカーを通じて「フォトサポ」の取り組みを行っている。今回のスーパーフォーミュラのオートポリス大会のように、写真関連のイベントやフォトコンテスト、カメラレンタル、特別なカメラシートなど、スポーツ×写真を楽しむための企画を展開。これらは全て「フォトサポ」を通じてファンとクラブ、ファン同士がエンゲージメントを高めていくことを目指した取り組みとなっている。
他のエンタメ同様、スポーツにおいてもファン主導のコンテンツ作成は最近注目されている領域でもある。SNSなどで自発的に投稿・発信をするファンも多く、サーキットやスタジアムにカメラを持ち込む人も年々増えつつある。各種競技団体もこれに応え、Jリーグではガイドラインが改定されるなどこの動きを前向きにとらえていこうという流れもある。
ニコンではそれに合わせて、応援する選手やチームを「写真を撮ること」で応援する、いわば「推し活」を楽しく安心してできる場づくりを主催団体とともに仕掛けている。これまでカメラ本体や関連製品など撮影する機材を提供してきたニコンが、主催団体と共同して撮影する機会をつくり、後藤さんのようなアンバサダーとともにコミュニティをつくり、カメラファン同士をつなげていく試みだ。まだまだスタートしたばかりではあるが、「フォトサポ」の今後に注目したい。
最後にアンバサダーの後藤さんにオートポリスでのイベントの感想と今後楽しみにしていることについて聞いた。
「オートポリスでは初のイベントにも関わらずたくさんの方がカメラレンタルやイベントに参加して下さいました! 「フォトサポ」も投稿がどんどん増えていて、皆さんとSUPERFORMURAの楽しさを共有できているのがとても嬉しいです! 今回もそうでしたが、カメラや流し撮りが全くの初心者の方も参加してくださっていたのでみんなでワイワイ話しながら一緒にカメラを楽しみ、上達していけたら嬉しいです。「フォトサポ」は私もいいねをして回っているのでこれからも皆さんが写真やサーキットを楽しんでいる姿を見られることを楽しみにしています! ぜひたくさんアップしてください♡」