CAPA CAMERA WEBで連載中のカメラ女子・沙倉しずかさん。今回は9月14日に開催された「利根川大花火大会」の撮影しにチャンレンジした模様をリポートします。
今年はモデル業をしながらも「ANEST IWATA Racing with Arnage」(SUPER GT 300クラス参戦中)のチームカメラマンとして、サーキットで撮影の日々を送っている沙倉さん。そんな沙倉さんが花火撮影にチャレンジしたい!ということで、茨城県境町 利根川河川敷で開催された「第37回利根川大花火大会」の撮影にCAPAも同行&アシストさせていただきました。花火撮影は2022年のスーパー耐久24時間レースで撮影して以来という沙倉さん。内閣総理大臣賞を受賞した4大花火師が集結した日本最大級30,000発の花火、果たしてうまく撮れたのか?
花火撮影には下調べと準備が重要
今回は数ある撮影スポットの中から、関宿城博物館付近からのお城を入れた構図の花火写真が撮れる場所を提案。移動が楽になるよう撮影ポイントからできる限り近い駐車場を探して予約しました。花火大会当日はどの駐車場も満車になってしまうため、事前の予約は必須です。また、大会会場の近隣の道路は交通規制も行われるため、駐車場が指定した時間までに通行しないと目的地に入れない可能性もあるので注意が必要です。
「花火は夜なので都内からでも午後に出発すれば余裕だろうと呑気に考えていましたがそれは大間違いで、昼過ぎにはもう花火大会の会場周辺では渋滞が発生しており、交通規制の時間に間に合うかどうかハラハラでした。また、花火大会の日だけ駐車場として有料で貸し出している土地が多数あるということも驚きでした(しかもなかなかいいお値段!)。
お借りした駐車場は普段は田んぼで、水が抜かれているとはいえ、田んぼの中に車で入っていいの!? と悪いことをしているような気持ち半分、好奇心半分でした。撮影場所には場所取りのため花火大会の開始5時間以上前から三脚がずらーっと並んでおり、カメラマンさんたちの写真にかける熱い想いが伝わってきました。今回の撮影場所はメインの会場から少し離れた真裏にある田んぼで、花火に合わせた音楽もアナウンスも全く聞こえず、お祭りのような色とりどりの屋台もない、聞こえるのは花火の音と、無数のカメラのシャッター音、そして花火の破裂音の振動に反応する車のセキュリティーアラームのみ、足元には田んぼに住んでいるカエルと虫たちという超ストイックな環境でした(笑)」(沙倉さん)
お城を間近に入れて撮るポイントもあったのですが、残念ながらすでに場所がいっぱいでした。さながら家電量販店の三脚売り場かと思うくらい、たくさんの三脚が並んでいました。
あるとベストNDフィルター
花火撮影の必需品として、三脚やレリーズがありますが、NDフィルターもあるとベストです。「スーパースターマイン」など次から次へとたくさんの花火が上がって、夜空一面を覆いつくすような花火となると光量もすごく、長時間露光をする花火撮影では白トビして露出オーバーになってしまいがちです。そこで活躍するのがNDフィルターです。今回はマルミ光機さんのご協力で、「CREATION Variable ND2.5-ND256/V」をお借りしました。狙った濃度に合わせやすい段数目盛りと可動範囲ストップ機能があり、サイドレバーも付いているので暗闇でも操作がしやすいのが特徴です。サイドレバーはロングとショートを付け替えることもできます。
「NDフィルターを使ってみて感動したのは、立派な花火が立て続けに上がるのでついついシャッターを閉じるタイミングがわからなくなってしまい、これはきっと白トビしちゃっただろうなぁ〜と思って写真を確認すると、全然白トビしていないんです。もっと前から使っていればよかったと素直に思いました。また、以前フィルターなしで花火を撮ったときは、花火の煙が映ってしまい全体的にもや〜っとした写真になりがちだったのですが、今回NDフィルターをつけて撮ったら、花火の光のラインが1本1本はっきりと写っていてびっくりしました。可変フィルターは回すだけで濃さが変えられるので、いちいちNDフィルターを交換せずに済むのが楽すぎて、面倒くさがりの私にはぴったりでした!」(沙倉さん)
スタンバイ完了。いよいよ花火の打ち上げです!
だんだんと日が暮れはじめ花火大会のスタートが近づきます。利根川大花火大会は2時間で30,000発の花火が夜空を彩ります。2時間あるのでゆっくり座って撮影ができるようにアウトドアチェアも用意。三脚にカメラをセットし、レリーズを繋げて花火の打ち上げを待ちます。メイン会場ではないので、アナウンスや音楽などはかすかに聞こえる程度です。ただ周囲にはたくさんのカメラマンがカメラを構えて待っています。そしてついに、花火が打ち上りました。
「こんなに大きな規模の花火大会に行ったのは初めてで、最初から最後まで大迫力の花火に感動しました。以前撮影したことのあるサーキットでの花火は15分ほどしかなく、ちゃんと撮れるかどうか不安で緊張しましたが、今回の利根川大花火大会は全部で約2時間もあったので、設定やレンズを途中で変えることもできました。写真を撮るだけでなく、自分の目で花火をじっくり鑑賞できたことが楽しかったです。本当に行って良かったです!」(沙倉さん)
今回掲載した沙倉さんが撮影した花火写真は、合成無しのすべて一発撮りです。約2年ぶりでほとんど花火撮影をしかことがなかったことを考えれば、チャレンジは大成功と言えるでしょう。これからもどんな撮影にチャレンジしてくれるか楽しみです。
写真 / 沙倉しずか
北海道出身。モデル兼SUPER GT ANESTIWATA Racing with Arnageのチームカメラマン。趣味はお笑いライブ、食べ歩き、検定。ミスFLASH2019グランプリ。東京オートサロン2022イメージガール「Aclass」。
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沙倉さん撮影 / 編集部