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【密着レポート】 ソニーの動画制作ワークショップ 第5回「CREATORS’ CAMP」。充実の3日間。

企画から撮影・編集までを行ってPR映像を作り上げる密度の濃い3日間


ソニーマーケティングが主催する映像制作のワークショップ「CREATORS’ CAMP」。第5回目の舞台となったのは北海道・函館市だ。9月27日(金)~29日(日)の3日間にわたって行われた「CREATORS’ CAMP」に密着した。

「CREATORS’ CAMP」は、プロの映像クリエイターの指導を受けながらチームで地域のPR映像を制作するという実践的ワークショップ。講師と受講生がひとつのチームになって企画・撮影・編集を3日間で行い、函館市の魅力を紹介する3分以内のPR映像を制作する内容になっている。湯の川温泉の老舗ホテル万惣を会場に行われた。

今回は講師と3名ずつの受講生が1つのチームになって、4チームがそれぞれPR映像の制作に挑戦した。受講生は以前の「CREATORS’ CAMP」に参加したことがある人や、映像に制作に興味のある人、趣味や仕事で映像制作をしている人などさまざま。

撮影に同行させてもらったCチームのメンバー。左から鍋島雅郎さん、須田光さん、小林和仁さん。3人とも映像制作の経験者で、慣れた感じで作業が進められていた。出来上がりが楽しみだ。

3名の講師陣によるチームも結成。受講生たちと同じ条件で 映像を制作することも発表された。3日間で映像を完成させるというのは、講師陣にとってもめったにない経験ということだ。

会場には函館市長も駆けつけ、 PR映像に寄せる期待を熱く語ってくれた。新しい視点で捉える函館の魅力への期待や近年増えているインバウンドにも函館をアピールしていきたいといった市長の挨拶の中から、PR動画の方向性を探ろうという感じで聞いていた人も多かったに違いない。

■1日目:翌日の撮影に向けて企画、担当割、機材チェックとやることは盛りだくさん

1日目は事務局からロケ地の説明や注意事項が伝えられたあと、自己紹介、機材の設定といったレクチャーが行なわれて、さっそく企画の打ち合わせに入る。3日目の昼までに映像を仕上げなくてはいけないので、明日の夕方には撮影を終えて編集作業に入らないと完成に間に合わない

会場で初めて顔を合わせたばかりのチームメイトだが、どんな映像を作りたいのか、どんな切り口にするのかなどが、講師を交えて話し合いが進んでいく。その中で役割分担やPR映像の構成が詰めら、少しずつ形になっていく。

キーワードを書き出したたり、簡単な絵コンテを書いたりとチームによってやり方はさまざまだ。

撮影をスムーズに進めるには、移動時間を含めて、どの場所でどのくらい滞在して撮影するのかといった進行管理も重要になる。あらかじめロケ候補地がいくつかピックアップされているので、効率よく撮影する順序を決めておくのも重要な作業だ。また各チームがロケ地でかち合わないように時間調整も行われていた。


機材の確認と設定のチェックも初日の重要な作業のひとつ。各チームにはソニーFX30が2台と広角から望遠までをカバーする交換レンズ、マイク、記録メディア、ジンバル、三脚、NDフィルターなどが提供される。またそれぞれのチームに運営スタッフがサポートにつき、移動は貸切のタクシーを利用するため、撮影に集中することができるようになっている。

■撮影日和の2日目:夕方までに撮影を終えて編集作業に入る過密スケジュール

2日目はチームごとに市内のロケ地に向かい、カメラ、ディレクターなどに分かれて撮影がスタート。


観光スポットの多い函館だけに、観光客に配慮しながらの撮影になる場面も少なくなかった。

スタッフは撮影のサポートだけでなく、交通整理や機材の運搬、記録写真の撮影などと終始大忙しだった。

カメラ2台体制で撮影するCチームのメンバー。機材の扱いにも慣れている感じで、大きなトラブルもなく撮影は順調だ。

撮影が終わって戻ってきたチームは、さっそく編集作業に取り掛かる。タイムリミットは翌日の正午ということで、編集作業は夜遅くまで行われていた。

■ドキドキの3日目:最終日はお待ちかねの上映・審査そして講評

締め切りが迫る中、映像に音声や文字を入れたりといった仕上げの編集作業が続けられていた。

午後には出来上がったPR映像を全員で鑑賞・審査が行われた。緊張した面持ちでプロジェクターに注目する受講生たち。やり切った表情の人が多い中、疲れた表情の人もちらほらいる。自分たちのPR映像の出来栄えも気になるが、他のチームのPR映像を見るのは初めてとなる。

企画構成・表現力(映像美)・PR映像としてのクオリティ・自治体の魅力の発信力といった基準で審査された。審査員には7名の講師に函館市観光部の高井次長も参加して行われた。


どんな映像に仕上がったかをアピールする上映前のPRタイム。自信ありという感じでにこやかな表情のCチーム。どの作品も短時間で作られたとは思えないほどクオリティが高く、すぐにでも函館市のPR映像として使えそうなレベルの仕上がりに思えた。講師陣チームの作品も見応えのあるものだった。

優勝したのはBチーム。ワンテーマで1つの場所の映像をコンパクトにまとめ、幾つもの場所を紹介できる企画の幅広さと、あまりメジャーではない観光地を取り上げた着眼点などが評価された。

同行したCチームは惜しくも2位。函館の秘宝を探してまわるというかたちで名所を紹介していくユニークな内容だが、審査員の評価は分かれたようだった。

上位3位までのPR映像は、過去の作品も含めて「CREATORS’ CAMP」のサイトで見ることができる。

■3日間の「 CREATORS’ CAMP」を終わって

3日間の「CREATORS’ CAMP」 に密着して感じたのは、ユーザーに対するソニーの本気度だ。企画から撮影、編集までを行って、制作したPR映像の講評までしてもらえるワークショップはなかなかない。しかも機材に詳しいスタッフ付きで機材を貸し出してもらえる。単に機材を使ってもらうだけでなく、チームを組んで実際に映像を制作して見てもらえる体験ができたことは、受講生にとってかなり有意義な3日間だったはずだ。

参加した3人に話を伺った。(写真右)経験豊富なメンバーにも恵まれ、楽しい3日間だったと語ってくれたのは須田さん。撮影現場での的確な指示に助けられ、編集作業でもいろいろ勉強になったそうで、今後の映像制作に役立つワークショップだったとコメントしてくれた。
3回目の「CREATORS’ CAMP」 にも参加していた鍋島さん(中央)は、普段バラエティ番組の制作をしているのだそう。カメラの操作や編集などの基本をしっかり学びたいということで2回目の参加を申し込んだのだという。天候もよく、出演してくれたスタッフもよかったので、編集作業はスムーズにできた。函館を観光しているように撮影できて楽しかったということだ。
小林さん(左)も以前「CREATORS’ CAMP」に参加したことがある経験者だ。函館は初めてだそうだが、メンバーにも恵まれ優勝を確信していたのだそうだ。優勝したら引退をするつもりだったが、2位だったのでまた参加する理由ができたとうれしそうに語ってくれた。

Cチームの講師を担当したUssiyさん。若い受講生ばかりだと誰も先陣を切れなくて撮影が進まないことはよくあるそうだが、今回は映像制作の経験者や CREATORS’ CAMPに参加したことがある人もいたので、進行はスムーズだったという。アイデア出しは一緒にやったけど、撮影と編集に関してはほとんどノータッチだったとのこと。どのチームの映像も素晴らしかったが、その中で2位は立派な成績。今回一番印象に残った映像だったと思うとチームのメンバーを労ってくれた。

上映会にはソニーマーケティングの川口大輔社長も参加して、熱気ある会場をさらに盛り上げていた。

最後は参加者、スタッフ全員で記念写真を撮影してお開きとなった。

【お詫びと訂正】『CAPA』11月号P.79の記事「CREATORS’ CAMPレポート」の中でカメラ名がFX3となっていますが、正しくはFX30です。お詫びして訂正いたします。(編集部)