大注目のキヤノン最新ミラーレスと迫力のLレンズシリーズ超望遠レンズが大集結! 去る2024年10月27日に開催の「CAPA & Canon サッカー撮影体験会」。「アクション優先」などの高機能を存分に楽しんだ撮影会の1日をレポートする。
カメラの高性能を駆使してサッカーの瞬間を捉えた
サッカーなどのスポーツシーンで、AFを合わせる対象を「特定のアクションをする選手」に切り替えて素早くピント合わせを行なう「アクション優先」機能を備えた「EOS R1」「EOS R5 Mark II」。AFの基本性能や連写性能がアップした両モデルは、スポーツ撮影ファンには目が離せない存在だ。
これらのカメラで生のスポーツをぜひ撮ってみたい。そんな夢をかなえるべく、キヤノンからカメラとレンズを借りて、鎌倉市を本拠地とするサッカーチーム、鎌倉インターナショナルSC公式戦の撮影体験会が開催された。
イベントに招待された参加者は10名。多くがスポーツ撮影の経験者だが、サッカー撮影は初めてという人や、普段はスタンドからの撮影ばかりという人もいて、ピッチ近くからの撮影体験は刺激的だったようだ。
「RF100-300mm F2.8 L IS USM」をはじめとしたLレンズシリーズ超望遠レンズを手に、トップスピードで戦う選手を追うのは大変。しかし、ボールを保持した選手を瞬時に捉え追い続ける「アクション優先」も手伝って、どの参加者もピント合わせで苦労することはなく「撮れ高」は上々の様子だ。
天候にも恵まれ、試合もチャンスシーンやビッグプレーが繰り広げられる、見せ場の多い展開。スポーツ写真家の長田さんの指導のもと、アップで引きでローポジションでと、参加者がそれぞれのアプローチで熱の入ったサッカー撮影を堪能した。
スポーツ撮影に威力絶大な「アクション優先」に注目だ
これまではAFフレームをできるだけ小さくし、撮りたい被写体をそのAFフレームに捉え、シャッター半押しでトラッキング開始。というのが、被写体が複数混在するシーンの基本撮影スタイルだった。しかし、「EOS R5 Mark II」や「EOS R1」のアクション優先は、画面内の複数の選手やボールの位置を解析し、もっともプレーのキーマンとしてふさわしい選手にAFフレームを合わせてくれる。だから広いAFフレームでも大丈夫。後ろ向きでも被写体を見失わないのもスゴい。(伊達淳一)
白熱の瞬間が撮れる! 進化したカメラの超性能を実体験
鎌倉市内の試合会場に集合後、貸し出しカメラ、レンズを抽選で決定。ドキドキの瞬間だ。
撮影ポジションについての注意や、サッカーの狙い方について長田さんがレクチャー。
サッカー撮影初の人も経験者もカメラ&レンズの力を実感
晴天に恵まれたピッチ上で激しくスピーディーな試合が展開される。そのプレーを10人の参加者が、「EOS R1」と「EOS R5 Mark II」を駆使しながら追っていく。ピッチサイドの近距離、しかも選手と同じ高さだから、プレーの迫力も倍増だ。カメラとレンズの性能に力を得て、サッカーの素早い動き、瞬間の変化を狙いながら前後半90分たっぷりと撮影を楽しんだ。
■長田さんがアドバイス
■「EOS R1」を使ってみて
■「EOS R5 Mark II」を使ってみて
■「RF100-300mm F2.8 L IS USM」を使ってみて
■「EOS R5 Mark II」を使ってみて
「アクション優先」で主役の選手にビシビシピントが合う! 未知の撮影体験を堪能した
長田さんの総評「皆さんの写真が印象的でした。継続して表現を高めましょう」
幸い天気が回復してくれたおかげで、前半は逆光、後半は順光と光線の変化による表現が楽しめました。そんな光の生かし方が一つのポイント。またどういうシーンを狙っていくかも重要です。選手のカッコいい瞬間を写すのも大切ですが、喜びや悔しさといった気持ちが伝わるような写真が撮れると、スポーツ写真の表現がより高められるはずです。皆さんの自分なりの方向性が感じられたので、続けて撮影を楽しんでもらえればいいと思いました。
長田さんの「EOS R1」使用インプレッション
「EOS R1」で注目の「アクション優先」は効果も高く、ケースに合わせて使ってみたいと思いました。AFのトラッキング性能や連写性能もより高くなり、今後さまざまなスポーツ撮影で使用するのが楽しみです。「EOS R3」にはない「プリ撮影」も有効な機能だと思います。
ドリブルシーンは、ボールを入れると空間が広くなりがち。そこで弾んでいるボールを追う選手が狙い目。上半身中心にアップで撮ると、タイトで迫力ある構図で、かつボールのあるカットになります。
前ボケのGKが効果的
ゴールネット越しのシュートシーン。アクション優先のおかげで手前にキーパーが入ってもピントはシュートする選手にしっかり合っていますね。
動きや表情が決まった1枚
アクション優先の効果がわかりやすいです。サッカーを撮るのが初めてだとは思えません。ボールを追う2人の選手の動きや表情がいいシーンを捉えています。
大胆なフレーミングが◎
選手を大胆なフレーミングで狙いましたね。切り取り方がいい。選手の動きを追って高速連写した中から、バランスのいい瞬間をうまく選び出しました。
蹴る足の動感がGOOD
遅いシャッター速度で、動きを感じる写真になりました。「引き算の写真」「足し算の写真」がありますが、前者の良いカットです。遠くの選手たちの足が効果的。
最良の瞬間をキャッチ!
ゴールキーパーがボールを止めたいい瞬間を捉えられました。画面下でボールを抑えるキーパーにピントが合っているのはアクション優先の効果ですね。
輝く背中に喜びが見える
大胆なアップで得点者の喜びをよく表現した作品です。高速連写をしたため良い瞬間が押さえられていますね。背景と白いユニフォームの対比が印象的です。
躍動感のある一瞬を撮影
ゴールを狙う選手とキーバーの攻防をアクション優先で撮影。高速連写で躍動感のある選手の動きを捉えています。ポジションも光の具合も適切です。
選手の表情もバッチリ
ボールを追う選手を高速連写で捉えた躍動感のある作品です。秒間約30コマで撮影した中から選ぶのは大変ですが、バランスのいいカットをセレクトしています。
影までが面白いカット
ゴールを決めた瞬間。皆さん同じシーンを撮りましたが、カメラポジションが少し違うだけで写真が大きく変わってきます。逆光で躍動感が増しています。
印象的な喜びのシーン
ハットトリックを決めた選手の表情をうまく撮影。大口径超望遠レンズできれいにぼけたシンプルな背景が表情をさらに引き立てています。
サッカー撮影体験会 参加者の声
■川合絢三さん (栃木県宇都宮市)
「EOS R5 Mark II」のアクション優先と「RF200-800mm F6.3-9 IS USM」の組み合わせで、選手が密集するシュートやコーナーキックのシーンを狙ってみました。RF200-800mmをクロップして超望遠でも使ってみました
が、思った以上に迫力のあるシーンが捉えられたと思います。
■佐々木海さん (神奈川県藤沢市)
「EOS R1」でアクション優先を使って撮影しましたが、いつも使っている「EOS R3」とは違ってAFが被写体に食いついていくような感覚でした。サッカーのような選手が交錯するシーンの多い競技を撮るのに向いていると思いました。「RF200-800mm F6.3-9 IS USM」は1本で引きも寄りも狙える便利なレンズでした。
■金尾真里さん (神奈川県横浜市港北区)
普段はバスケットの試合をよく撮っているので、屋外でフィールド競技を撮ることはめったにない経験でした。最初のうちは選手との距離感がつかめずにちょっと戸惑いましたが、「EOS R5 Mark II」と「RF100-300mm F2.8 L IS USM」の組み合わせは狙ったところに素早くピントが合ってくれました。
■金子紘さん (神奈川県横浜市泉区)
単焦点レンズを使ってスナップを撮ることが多く、ズームレンズでスポーツシーンを撮ること自体あまりないことだったので、楽しい経験ができました。「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」は、AFが速くてしっかり被写体を捉えてくれるので、迫力あるいいカットが撮れました。
■田代陽平さん (神奈川県横浜市西区)
サッカーの試合を撮るのは初めてでしたが、楽しく撮影体験ができました。キヤノンのカメラを手にするのも実は初めてでしたが、「EOS R5 Mark II」の被写体認識はすごいのひと言。レンズはAFが速くて描写もきれいです。近いうちに、ぜひまた使ってみたいシステムです。
■都谷伊織さん (神奈川県横浜市都筑区)
「EOS R5 Mark II」のアクション優先を使って撮影しましたが、ボールを持っている選手をカメラが追尾し続けてくれるので、AFのピント位置を気にせずに絵づくりに専念できました。「RF100-300mm F2.8 L IS USM」の描写もきれいで高画質なので、ある程度トリミングしても十分使えると思いました。
■桃木和彦さん (東京都港区)
普段は「EOS R3」を使っていますが、「EOS R1」はAFだけでなくプレビュー表示も速く、すべての挙動が速いカメラだと感じました。ファインダーが大きくて見やすいので、プレビューは背面の液晶モニターを使わずにファインダーで確認できます。AFはカメラ任せにして、フレーミングに集中して撮影できるのがよかったです。
■土井良一さん (東京都稲城市)
アクション優先で撮ると、密集する選手の中でもボールを持っている選手にしっかりピントが合い続けているのに驚きました。「EOS R5 Mark II」と「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」は自分で所有しているシステム。カメラの性能を知るいい体験ができました。
■藤本洋志さん (東京都江戸川区)
「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」を使ってみましたが、レンジが広くて幅広いシーンをカバーできる扱いやすいレンズだと感じました。軽さも魅力ですし、ピントが合いやすいのもいいですね。「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」をメインに使っていますが、EOS Rシステムに買い替えたくなりました。
■増田知彬さん (神奈川県相模原市)
ときどき野球やゴルフを撮っていますが、メインで使っているのは70-200mmです。それに比べると「RF200-800mm F6.3-9 IS USM」は便利で面白いレンズだと思いました。ピントもバッチリ合います。「RF400mm F2.8 L IS USM」は背景の大きなボケに感動しました。美しい仕上がりにできるレンズですね。
- 撮影指導 : 長田洋平さん (アフロスポーツ)
- 1986年、東京都出身。2009年、早稲田大学教育学部卒業後、アフロに入社。スタジオアシスタントを経て、2012年よりアフロスポーツ所属。夏冬オリンピック・パラリンピックとサッカーW杯を撮影。車いすバスケットボールを題材としたスポーツドキュメンタリーにも力を入れている。
→ アフロスポーツ
- サッカークラブ情報
- 今回の撮影会に協力いただいた鎌倉インターナショナルSCは、神奈川県鎌倉市を拠点に「CLUB WITHOUT BORDERS」をビジョンにかかげて活動するサッカークラブ「鎌倉インターナショナルFC」のセカンドチーム。チーム、クラブの情報は公式サイトへ。
→ 鎌倉インターナショナルFC