展示する写真を選ぶ、並べ方を考える
展示構成が決まったので、それに沿って写真点数や並べ方を決めていく。ゆ~とびさんが意見を伝え、生徒たちに問いながら進められた。写真を撮る作業と比べ見せる作業は迷いがあるようで、沈黙になることも。正解のない作業に悩む生徒たちだが、写真プリントを実際に入れ替え、並び替え、その違いを確認することで納得しつつ、自分の考えも出していた。
展示できる点数は18枚。A4にプリントした候補写真約40枚を机に並べ、まずは半分くらいに絞っていく。ここでゆ~とびさんはテーマを決めるのではなく、一人ずつ展示したい写真を順に選んでいくことを提案。ゆ~とびさんと部員4人で4順して、20枚をセレクト。ただ残りの写真もまだまだ候補。
展示パターンCは大1枚と小2枚の組み写真。大きくしたいメイン写真を選んで、それに合わせて小2枚を組み合わせていく。その際のセレクト基準は「統一感」。時間帯や色味、被写体のほか、上下に並べる3 枚の構図の向きや視線誘導の流れなどを総合的に判断して決める。前工程で選ばれた20 枚で組めないときは、候補外からの写真も検討。
展示できるのは6セット。その並び順を決めていく。3枚1セットの机を移動させ、展示する壁面ごとに分けて、引いて全体を眺めながら鑑賞。壁面を色味で分ける、時間帯で分けるなどのアイデアが出て、その都度、机を並び替えてどれが良いかを検討する。正解はないので、多数決で決めるシーンも多く見られた。
並べる際は「統一感」を意識! 写真をプリントすることでみんなで検討や共有ができる
展示構成を考える際、テーマを先に決めて、それに沿って写真をセレクトする方法もあるが、今回はゆ〜とび流で進められた。テーマよりも良い写真、見せたい写真をまずはピックアップし、それらを元に詰めていく。
これは「高校生ならではの感性を全面に出した写真展にしたい」というゆ〜とびさんの考えからだ。また、今回は3枚1セットの組み写真が複数あるレイアウトに決まったので、1セットごと、または壁面ごとに統一感があれば問題ないという判断である。
とはいえ、答えはなかなか出ない。途中、候補の中に目ぼしい写真がなく、スマートフォンやパソコンに保存してある写真を探すことも。その都度、A4にプリントして並べて確認する。
このように、複数人で検討するときにはプリントは不可欠だ。写真を入れ替えたことによる印象の違いをみんなで議論し、共有しながら行なえるメリットは大きい。また、並べたプリントは客観的に鑑賞でき、展示の全体像や並びの流れを確認するのにも適している。
写真展は箱や面、空間全体で表現するもの。パソコンや頭の中だけで組み立てるよりも、プリントしたほうがより明確に視覚的に判断でき、かつ作業がスムーズに進むと実感した。