写真展と同じように壁に貼って確認しよう
昼食を挟んで、午後はプレ展示を行なう。教室の壁に実際に貼って鑑賞、確認。今回は大プリント1枚+小2枚の構成なので、大きくする写真はA3ノビにプリントして、A3ノビとA4を展示のように壁2面を使って並べてみた。机に平置きして見るよりも、より本番の展示に近いイメージだ。写真を平置きした場合と壁に貼った状態では印象が異なり、これによりまた入れ替えが……。
ここでテーマを発表「自然と高校生の共生」
展示の全体像が見えてきたところで、ゆ〜とびさんがテーマを発表。3枚組のどのセットにも自然と高校生が写っている点に注目した。大人が八丈島に来たら自然しか撮らないし、都内や大阪にいる高校生は街中で高校生を撮ることが多いので、「自然と高校生の共生」がいいかな、と伝えた。みんなは普通かもしれないけれど、この異色の組み合わせはほかと差別化できて、島の高校生ならではの強いテーマだと。
これを導き出せたのは、統一感をメインに写真をセレクトし、並びを決めたから。最初にテーマを決めてしまうとどうしてもテーマに合わせようとして、良い写真は置き去りになりがち。今回はこの方法で進めたのが正解で、高校生らしい展示構成ができたのではと、ゆ〜とびさんは話していた。
展示前にプリントして写真を見ることはメリットしかない!
大切な写真展。個展になればなおさらだし、お金もかけている。いざ会場に展示してみて「イメージと違った……」とがっかりしないためにも、今回行なったプリントして並べて見る、壁に貼ってシミュレーションしてみることはとても有効だ。写真をセレクトする際、自分の写真を客観的に見ることができたり、足りない要素 (写真) の確認ができたりとメリットしかない。
今回は複数人で作業するためA4サイズにプリントしたが、2Lサイズ程度でもプリントしないよりは、したほうが断然良い結果を導き出せる。作品クオリティーの写真を印刷する前に、ぜひ行なってほしい。
顔料プリンターと染料プリンター、展示プリントにはどっちがいい?
顔料と染料で悩む人は多いだろう。両方にメリットとデメリットがあり、またプリンターによってもその性能や性質は異なるので、展示プリントの場合はまずインクよりも写真高画質プリンターで出力することがマスト。そのうえでインクの特性を理解し、自分の作品に合わせて選びたい。
■顔料プリンター
エプソン プロセレクション SC-PX1V
■染料プリンター
エプソン EW-M973A3T