2024年11月13日〜15日の3日間、千葉の幕張メッセで開催された、プロフェッショナルが集うメディア総合イベント「Inter BEE 2024」。今年で60回を迎え、1,058社/団体が出展。来場者数は昨年(31,702人)を上回る33,853人だった。【Inter BEE 2024レポート その1】では紹介しきれない製品がまだまだたくさんある。会場で見つけた写真関連の注目アイテムやユニークな製品をピックアップして紹介しよう。
CP+2025での登場が待ち遠しいアイテムの数々
コダック
コダック ジャパンとHIGHLAND SUPER 8 LABのブースではフィルムカメラ「KODAK Super 8 Camera(コダック スーパー8 カメラ)」が参考展示されていた。北米では5,500ドル(約90万円)で発売中だが、国内での発売は未定。ぜひ発売して欲しいカメラの一つだ。
アナログとデジタルをミックスしたフィルムカメラで、8mmフィルムの「Super 8フィルム」に記録する。本体には液晶モニターを搭載するほか、音声は SDカードに収録可能になっているなど、ハイブリッド仕様になっている。HDMI端子も装備されていた。
「KODAK Super 8 Camera」で使用するSuper 8フィルムは、50フィート入りのカートリッジタイプ。カラーネガ、モノクロ(TRI-X)、エクタクロームの3種類がある。
レンズは6mm 1:1.2が付属する。レンズはCマウントを採用しており、レンズ交換ができる。また録画ボタンを搭載したハンドリングとピストルグリップも付属する。
富士フイルム
映像制作向けのカメラとして開発発表されたラージフォーマットカメラ「FUJIFILM GFX ETERNA(エターナ)」がショーケースに入れられて参考展示されていた。スクエアタイプのボディを採用している。
富士フイルム初の映像制作用カメラということもあって、来場者の注目度は高かった。富士フイルムブースのほかに、シネマカメラを集めた「CINEMA」ゾーンにも展示されていた。
装着されているレンズは、焦点距離32-90mm相当の開発中のパワーズームレンズ。カメラの開発に合わせて PLマウントレンズを使用可能なマウントアダプターも進められているということだ。
ニコン
ニコンブースには、Z9の開発中のファームウェアを体験できるコーナーが設けられていた。今回のファームアップは動画機能にのみ適応されるものということだ。
メニュー画面から、輝度情報のサイズや透明度、表示位置などを設定できるようになっている。またハイレゾズームのズーム速度をコントロールできる。
開発中のパワーズーム搭載の標準ズームレンズ「NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZ」も展示されていた。
GODOX
GODOXのフルカラーLEDライト「MS60R」が、GODOXとKPIのブースに展示されていた。Inter BEEに合わせてサンプルが日本に到着したばかりということで、発売時期や価格は未定となっていた。
「MS60R」はGODOXの上位ブランドKNOWLEDに位置付けられている製品。コンパクトなサイズながら、多彩な豊富なアクセサリーが用意されている。
電源ユニットの交換が可能で、AC電源に接続できたり、電球のソケットに装着できるアダプターも用意されている。
発光部前のレンズ部分も取り外しが可能で、さまざまなアクセサリーを装着できるようになっている。
ボディ側面に設けられている操作パネル。操作系はモノブロックタイプのフラッシュ「AD300 Pro」に近い印象で、見慣れたものになっているため扱いやすそうだ。CP+での登場が楽しみなアクセサリーの一つだ。
H&Y Filter
ロック機構を採用した「REVORING Vari ND CPL」を参考展示じていたH&Y。可変式のステップアップリングに可変NDフィルターとPLフィルターを組み合わせている人気商品だ。
可変NDフィルターとPLフィルターにそれぞれロック機構が付いたことで、ND、PLの一方の効果を維持したままで効果を変えられるようになっている。発売時期や価格は未定。
Nextorage
Nextorage(ネクストレージ)は、Inter BEEの直前から連日メモリーカードとカードリーダーを発表。ブースにはさっそく新製品が揃って展示されていた。
CFexpress 4.0 Type Aメモリーカード「NX-A2SEシリーズ」は、CFexpress 4.0に対応し、専用カードリーダー(NX-SA1PRO)と併用することで最大読み出し速度1,900 MB/秒を実現する。12月中旬発売。
専用カードリーダーNX-SA1PRO。
「NX-B3AEシリーズ」(左)と「NX-B3SEシリーズ」(右)は、どちらも CFexpress4.0対応の Type Bメモリーカード。 VPG400に準拠し高速転送を実現しながら安定した動画撮影をサポートする。最低書き込み速度1,700 MB/秒(「NX-B3AE500G」は850MB/秒)を実現する。「NX-B3AEシリーズ」は12月中旬、「NX-B3SEシリーズ」は11月18日発売。
SDXCメモリーカードにもニューモデルが登場した。「NX-F2CLシリーズ」はビデオスピードクラスV30(最低継続書き込み保証速度30 MB/s)に対応したエントリーモデル。2024年11月18日に発売が開始された。
UHS-II SDカード対応デュアルスロットカードリーダー「NX-DF1CL」は、2枚同時読み出しをした場合でも速度低下を起こさないため、作業効率をアップできる。スロットにはそれぞれ設定可能なライトプロテクトスイッチを搭載。誤消去などのリスクを低減することができるようになっている。2024年11月18日に発売が開始された。
LAOWA
サイトロンのブースに参考展示されていたのは、LAOWAのシネレンズ「Ultima12-120mm T4」。8K対応の放送用ズームレンズで、まもなく発売予定ということだ。
サイトロンのブースには、そのほかにも参考出品のシネレンズがずらりと並んでいた。
七工匠
焦点工房のブースにずらりと並んでいたシネレンズは七工匠のシネレンズシリーズ。マウントアダプターだけでなく、シネレンズも充実させるということ。
Hppe Prime Seriesは1本84,000円から、6本セットでも495,000円(いずれも税込)と、シネレンズとしては超低価格でシリーズをラインナップする。
2024年9月に発売されたばかりのシネマレンズ「Sprite 24-96mm T2.9 S35 PL/EFマウント」。Super35mmフォーマットに対応した4倍ズームレンズで、希望小売価格455,000円(税込)とこちらも格安だ。中華系レンズがシネレンズの市場を変えていくのかもしれないと思わせる破壊力だった。
次回の開催は、2025年11月19日(水)〜21日(金)となっている。どんな製品が出てくるのか、映像業界のトレンドがどうなっているのか楽しみだ。