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キヤノン EOS R1 & EOS R5 Mark II バレーボール撮影体験レポ! アクション優先で白熱の瞬間を撮った

画期的なAF機能「アクション優先」搭載で注目のキヤノンのハイエンドミラーレスカメラ「EOS R1」「EOS R5 Mark II」。初めてのバレーボール撮影でも選手を捉える先進の「アクション優先」や、最新RFレンズを実写体験した撮影会の1日をレポートする。

CAPA & Canon バレーボール撮影体験会レポート

「アクション優先」でスポーツ撮影が変わる!

キヤノン「EOS R1」「EOS R5 Mark II」に搭載された革新的なAF機能「アクション優先」を体験してもらうため撮影会が開催された。今回の被写体はバレーボール。SVリーグに所属する、NECレッドロケッツ川崎だ。

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2024-25 SV.LEAGUE NECレッドロケッツ川崎 VS 岡山シーガルス (2025年1月19日 川崎市とどろきアリーナ) の試合を撮影した。

キヤノン「EOS R1」と「EOS R5 Mark II」を全員に貸し出し

フラッグシップ機「EOS R1」と、4500万画素の高解像を誇る「EOS R5 Mark II」は、どちらもアクション優先と高速連写機能を搭載し、スポーツ撮影のプロに対応した仕様。電子シャッター撮影時でも歪みが少ないのもポイント。

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EOS R1 (左)、EOS R5 Mark II (右)
キヤノン「EOS R1」の詳しい情報はこちらをチェック
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ずらりと並んだ最新の望遠RFレンズ

レンズは「RF100-300mm F2.8 L IS USM」を中心に、最新の「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」「RF400mm F2.8 L IS USM」、そしてエクステンダー「EXTENDER RF1.4x」が用意された。

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少数精鋭の参加者がPRESS扱いで参戦

撮影指導の築田純さんを中央に、抽選で選ばれた5人の参加者たち。国内バレーボールの最高峰、SVリーグの公式戦、しかも滅多に着用する機会がないPRESSのビブスに、撮影前からみんなワクワクが止まらない。

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最新カメラの先進機能でアスリートの動きを追い続ける

撮影指導は、NECレッドロケッツ川崎のオフィシャルカメラマンを務める築田純さん。カメラアナリストの伊達淳一さんが、アクション優先について、ジャンプしてスパイクを打つ選手に素早くAFが合う様子を動画を使って説明。「EOS R1」は最高約40コマ/秒、「EOS R5 Mark II」は約30コマ/秒の高速連写を搭載し、読み出し速度が速いため画像の歪みが非常に少ない。さらにブラックアウトフリー表示が可能なので、連写中も選手の動きを追いやすいのが特徴だ。

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そして築田さんが前日に撮影した作品を例に、バレーボール撮影の基本を解説。コートサイドやエンドラインからは、100-300mmや70-200mm、2階の客席からは、400mmや400mmに1.4倍のエクステンダーを装着すると撮りやすいとのこと。「球技はついボールの行方ばかり追いがちですが、選手中心に狙いましょう。ボールが画面になくても、表情だったり、プレー中のフォームだったり、ちょっとした仕草でも魅力的なバレーボールの写真になります」とアドバイス。さらにレシーブの瞬間を捉えるには「この選手にボールが来そうだ、と思ったら、ボールが来る直前からシャッターを切り始めます。守備専門のリベロに注目するのもいいですね」とコツを伝授してくれた。

撮影前に丁寧なレクチャーで機能を理解

まず、川崎市とどろきアリーナ近くの会議室に集合。伊達さんからキヤノン「EOS R1」と「EOS R5 Mark II」の機能説明に加え、築田さんによるバレーボールの狙い方が解説された。全員、アクション優先を使うのもバレーボール撮影も初めて。どんな写真が撮れるかな?

バレーボールの撮り方を実際の作品で解説

前日に行なわれた試合を撮影した築田さんが、その写真を見ながらバレーボールの撮り方を解説。プロの作品に、参加者からは感嘆の声が上がる。

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機材は公平にくじ引きで決定

今回使用するカメラとレンズがくじ引きで配られた。レンズは第2セットと第3セットの間で交換が可能。コート内に転がったりして試合の妨げにならないよう、レンズフードは装着しない。

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バレーボール撮影は場所選びが重要

築田さんから、コートでの撮影場所が特に念入りに説明される。「1mの違いで撮れる写真が変わってきます。選手や審判が重なって撮りづらいと感じたら、少し移動してみるのも大切です」

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とにかく触ることで基本操作に慣れる

AFは「領域拡大」で「アクション優先 (バレーボール)」を選択、ドライブモードは高速連続撮影に設定して臨む。露出設定はISO6400、F2.8、1/1600秒が基準。

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ゲーム前から試合会場で撮影準備

会議室でのレクチャーを終えたら、昼食を取ってアリーナに向かう。試合開始は午後からだが、1時間前に行って撮影ポジションを下見。練習中の選手にカメラを向けて、撮影場所やどのように狙うかあらかじめシミュレーションしておき、試合開始を待つ。

報道カメラマンしか入れない場所でも撮影できる!

今回は特別にPRESS席での撮影が許可されたので、築田さんから注意事項が伝えられた。1階はプレー中は移動できないので、セットごとに撮影する場所を事前に決めておいた。

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どのレンズがいいかチェック!

コートの縦側のエンドライン席は、コートサイドより細かなポジション移動がしやすい。参加者の一番人気は「RF100-300mm F2.8 L IS USM」。ゲーム後半は軽い「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」が人気だった。

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2階席は自由に撮影可能

自由席である2階の客席からも、観客のじゃまにならなければ、好きな場所から撮影できた。ただしコートから遠くなるので、400mm以上や、100-300mmではエクステンダーを使いたい。

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スポーツ撮影を変えた「アクション優先」

EOS R1」「EOS R5 Mark II」に搭載された「アクション優先」。サッカー、バスケットボール、バレーボールに対応し、複数の選手がいる中から主要な人物を検出。シュートやスパイクなどのチャンスを捉えやすい。また人物ごとに顔の登録ができ、特定の選手のプレーを追い続けることも可能。スポーツ写真の表現力を飛躍的に向上させた。

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スパイクを打っている選手の手前にブロックする選手が重なり、奥には線審もいる。このようなピント位置が迷いやすいシーンでも、アクション優先はスパイクの選手を正確に追い続ける。

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現在選択できる競技は3種類。これらのスポーツを撮っている人は使わない手はない。また検出できる被写体は、人物以外にも動物優先と乗り物優先もあり、動体撮影に強い。

初めてのバレーボール撮影でも「アクション優先」なら確実に撮影できる

2階席からネット際の攻防を狙え!

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2階席はアングルが高くなるものの、会場全体の雰囲気や、ネットの上から選手の表情を狙いやすい。特にネット際の攻防にはベストなポジション。スパイク、ブロックのバレーボールらしい写真が得られる。

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キヤノン EOS R1 RF100-300mm F2.8 L IS USM + EXTENDER RF1.4x 絞りF4 1/1600秒 ISO10000 WB : オート

エンドラインは選手の表情がよくわかる

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エンドラインから、選手の表情を狙った。スパイクやレシーブなど派手なプレーでなくても、笑顔やハイタッチなどの様子を撮ることで、人間味あふれる表現が可能になる。これもスポーツ写真の魅力だ。

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キヤノン EOS R1 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF2.8 1/2000秒 ISO6400 WB : マニュアル

コートサイドから選手のプレーに肉薄

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エンドライン寄りのコートサイドから。注目はスパイクを打っている選手の手。あえてひねることで、ボールの軌道を変えてブロックされないようにしている。アクション優先と高速連写で、この瞬間が撮れた。

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キヤノン EOS R5 Mark II RF70-200mm F2.8 L IS USM Z 絞りF2.8 1/2500秒 ISO8000 WB : オート

躍動する筋肉の美しさを描く

スパイクを打つロレイナ選手をコートサイドから狙う。国内最高峰のリーグで活躍するアスリートの肉体とフォームの美しさを表現している。初めてのバレーボール撮影でも、アクション優先でここまで撮ることができた。

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キヤノン EOS R1 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF2.8 1/1600秒 ISO6400 WB : オート

跳んでいる印象的な瞬間をキャッチ

バレーボールはチームスポーツ。攻撃するほかの選手も入れた写真を撮ると、競技の雰囲気がグンと増す。アクション優先を活用すると、ピントもスパイクを打つ選手に一瞬で合わせてくれた。

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キヤノン EOS R1 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF2.8 絞りF2.8 1/1600秒 ISO6400 WB : オート

初めてで不安を感じたが納得のいく作品が撮れた!

目の前で繰り広げられる熱い戦いに、参加者たちは夢中でシャッターを切る。バレーボールは特にコートと客席が近い。スパイクやレシーブしたときのボールの音や、選手のジャンプの高さが間近に感じられて迫力満点だ。カメラを持つ手にも力が入る。

第2セットと第3セット間の15分間のインターバルで、一度集まってレンズ交換。「動きが速くて……」「こんなに近くでスポーツを撮ったことがなくて……」とやや苦戦気味の様子だが、「選手にすぐピントが合う」「連写でチャンスを狙いやすい」とアクション優先や高速連写をしっかり味わった。

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第2セットと第3セットの間のインターバルで一旦集合。間近で見るバレーボールの迫力やスピードに圧倒されつつも、楽しそうに撮影した参加者の皆さん。「選手の次の動きを予測すると躍動感のあるシーンが撮りやすいですよ」と築田さんからアドバイス。

白熱の試合はNECレッドロケッツ川崎が勝利。撮影した写真は、どれも見事に決定的瞬間を捉えている。これには築田さんも「みんなよく撮れている!」とビックリ。試合前に築田さんが解説したバレーボールの狙い方を、全員が確実に実践している。参加者からも「あっという間に試合が終わった感覚です」「またバレーボールを撮りたい」と満足の声が上がる。「EOS R1」「EOS R5 Mark II」、RFレンズと、バレーボール撮影を存分に堪能した一日だった。

 

バレーボールの撮影ポイント

今回撮影したエリアは、コートサイド、エンドライン、2階席。一般席でも1階のコートサイドやコートエンドはプレス席に近いアングルから撮影できるので、ぜひバレーボール撮影の参考にしてほしい。

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「EOS R1」「EOS R5 Mark II」のアクション優先を体験した参加者の声

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撮影後に行なわれた講評会の様子。左から築田純さん、伊達淳一さん、参加者たち。

参加者は一様に「バレーボールの撮影は難しかった」と語るが、試合後に再生するとしっかり選手にピントが合っていた。「慣れればさらに確率が上がりそうです」とも。アクション優先は使いこなすことでその真価を発揮できると実感した。

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カメラのレーティング機能を使って作品をセレクト。レーティングした画像だけの再生も可能なので、絞り込みも楽々。
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山舗俊隆さん
(神奈川県)

バレーボールの試合は面白いですね。それをどう表現しようかと、客席から400mmで撮影したり、コート脇で撮ったり、いろいろ試しました。「EOS R1」は連写の速さに驚きました。いつもは他メーカーを使っていて今回初めて触りましたが扱いやすいカメラですね。慣れたら狙った瞬間を撮れると感じました。

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キヤノン EOS R1 RF400mm F2.8 L IS USM + EXTENDER RF1.4x 絞りF4 1/1600秒 ISO10000 WB : オート

築田さんのコメント
400mm + EXTENDER RF1.4x を上手に使っています。選手を中央ではなく向かって右に配置し、空間にボールがあるのが絶妙ですね。アクション優先を活用したピントもバッチリ。

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沖田好弘さん
(埼玉県)

いつもは飛行機を撮っています。バレーボールは被写体が近く、動きもランダムで速くて難しかったです。「EOS R1」は一度AFが外れても、復帰がとても速いのが印象的でした。ピントがスッと合うのは気持ちいいですね。カメラの性能のおかげで最高の瞬間が撮れたと思います。

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キヤノン EOS R1 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF2.8 1/2000秒 ISO6400 WB : オート

築田さんのコメント
ネット際の攻防を熱心に狙っていましたね。写真からスパイクの音が聞こえてきそうな、バレーボールの魅力が伝わってくる写真です。選手の後ろ姿もバランスの良い形をしています。

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長澤徹大さん
(東京都)

普段はサッカーを撮っています。バレーボールは攻防が頻繁に替わるので難しかったですね。だけど「EOS R5 Mark II」はアクション優先の精度が高く、狙った選手を追いやすかったです。電子シャッターの歪みが少ないのも印象的でした。ボタンの感触も良く使いやすかったです。

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キヤノン EOS R5 Mark II RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF2.8 1/2000秒 ISO6400 WB : マニュアル

築田さんのコメント
レシーブを撮るのは難しいのですが、ダイブしている瞬間を見事に捉えました。ボールが宙に浮いていて、とても躍動感のある写真です。選手の表情や、手の形も良いですね。

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佐藤美咲さん
(東京都)

普段は一眼レフでラグビーや野球を撮っています。「EOS R1」は、とにかくAFが速いですね。アクション優先はアタックを打つ選手に一瞬でピントが合うのに驚きました。おかげで初めてのバレーボールでもここまで上手く撮れたのだと思います。連写も一眼レフでは不可能なコマ速で瞬間が狙えました。

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キヤノン EOS R1 RF100-300mm F2.8 L IS USM 絞りF2.8 1/1600秒 ISO4000 WB : オート

築田さんのコメント
セッターがトスを上げて、アタックに向かう瞬間をタイミングよく捉えています。次のプレーへの動きや、選手の表情が想像できる写真ですね。初めて撮ったとは思えないほどです。

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菊池菜月さん
(神奈川県)

いつも撮っている野球とは違って、バレーボールは動きが読めなくて難しかったです。アクション優先はピントを外したと思っても、あとで再生するとしっかり合っていてすごいですね。ピントを気にせず構図に集中できました。またバレーボール撮影にチャレンジしたいです!

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キヤノン EOS R5 Mark II RF400mm F2.8 L IS USM 絞りF2.8 1/2500秒 ISO6400 WB : オート

築田さんのコメント
ネット際での戦いを上手に表現しています。手の形が素晴らしいですね。顔が見えなくても、手の表情だけで試合の熱さが伝わってきます。望遠レンズをよく使いこなしています。

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撮影指導 : 築田純さん
1962年、埼玉県生まれ。写真家の水谷章人氏に師事し、1988年にフリーのスポーツ写真家となる。1997年からアフロスポーツに参加し、オリンピックや各種世界選手権など国内外のスポーツ競技を幅広く撮影。2013年に再びフリーで活動を始める。

 

〈協力〉キヤノンマーケティングジャパン株式会社
〈取材〉藤井智弘
〈カメラ機能解説〉伊達淳一
〈取材撮影〉我妻慶一