カメラ・写真愛好家とし知られる俳優の玉木宏さんが、ライカギャラリー東京と、ライカギャラリー京都にて写真展「Roots」を開催中。2025年3月13日には、ライカギャラリー東京でレセプションパーティが開催された。
冒頭の挨拶で玉木さんは、写真展実現に至るまでの関係者への感謝と写真展への想いを語った。
「私は20代半ばに「ライカ M4-2」というカメラでライカを初めて手にしました。フィルムカメラで、マニュアルフォーカスのレンジファインダーでのピント合わせの難しさもありましたが、そのライカを手にすることによって、写真を撮る楽しさもたくさん知ることができました。
今回写真展をやるにあたって、見ていただく方にどんなテーマでお伝えしようかと考えていた昨年の5月に祖父が102歳で亡くなったんです。102歳ですから戦争も経験しており、シベリアに2年半ぐらい抑留されていたこともありました。その後西ノ島へ戻り漁師として暮らしました。
今年は戦後80年を迎えますが、今回テーマでもある撮影地に選んだ西ノ島には戦争が終わって80年経っても、祖父が生まれたころから102年経っても変わらない景色が残っていると思います。日本人でもなかなか見たことがないような景色がたくさんありますし、こういった祖父が見たであろう美しい景色や、戦争から戻ってきて穏やかな素敵な時間を過ごした場所を、少しでも知っていただきたいなと思って、島根県隠岐郡の西ノ島をテーマに写真を撮りました。
躍動的な写真ではないんですけれども、祖父の目に焼き付いていたであろう穏やかな平和な時間ということをテーマに、少し柔らかくて穏やかな時間が流れているような空気を感じ取っていただけたら幸いです」
また、西ノ島の自然風景を撮影するにあたり、険しい崖を登ったり一人では撮影に行けない場所のガイドをしてくださった宇野仁さんも来場されており、玉木さんから紹介があった。
「玉木さんとは8年ほど前に出会いました。玉木さんはご家族や友人の方をすごく大切にされる方で、お墓参りやお子さんを連れておじいさまに会いに西ノ島にいらっしゃったりしたタイミングでお会いしておりました。
今回の写真撮影のガイドの話をいただき、喜んでお引き受けさせていただきました。普段は観光や釣りのポイントのガイドをしていますが、今回はロッククライミングだったり、ロープを使って降りないといけないような場所にも写真を撮りに行きたいという玉木さんの要望をお聞きして、案内とサポートをさせていただきました。私も故郷を大事にしたいと思います」と、撮影時のエピソードや玉木さんの人柄について触れた。

ライカギャラリー東京とライカギャラリー京都では、同じテーマで撮影した違う作品を展示している。

玉木宏写真展「Roots」
<東京>
会期 2025年3月14日 (金) 〜6月15日 (日)
会場 ライカギャラリー東京
住所 東京都中央区銀座6-4-1 ライカ銀座店2F
時間 11:00〜19:00
休館日 月曜
入場料 無料
問い合わせ ライカ銀座店 (TEL 03-6215-7070)
<京都>
会期 2025年3月15日 (土) 〜6月15日 (日)
会場 ライカギャラリー京都
住所 京都市東山区祇園町南側570-120 ライカ京都店2F
時間 11:00〜19:00
休館日 月曜
入場料 無料
問い合わせ ライカ京都店 (TEL 075-532-0320)
玉木 宏 (Hiroshi Tamaki)
1980年1月14日生まれ。愛知県名古屋市出身。俳優ときどき写真家。20代半ばに生まれ年の「Leica M4-2」を手にしてから、カメラと写真の世界に魅了され、写真を通しての表現も続けている。
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