キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5 Mark II」と最新の高性能RFレンズを大自然のフィールドで試すことができるCAPA&Canon「EOS & PIXUS 風景ゼミナール」が開催された。芽吹きの季節を迎えた奥日光の風景を被写体に、8名の参加者はどのような写真を描き出したのか!? 使用感と共にレポートする。
高画素機の強みを生かして春の芽吹きを撮影
「EOS & PIXUS 風景ゼミナール」は、参加者全員がキヤノンの最新フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5 Mark II」とRFレンズを思う存分に体験できる風景撮影会。前回の2019年以来、久しぶりの開催となった。

快晴に恵まれたGWの最初の週末に、日本全国から風景写真ファンの参加者が奥日光に集結。奥日光は栃木県日光市に位置するいろは坂より西側地域の総称で、いずれも名高い景勝地である、千手ヶ浜、湯ノ湖、戦場ヶ原を1泊2日で体験撮影して巡った。

- 春の息吹が感じられる早春の奥日光に参加者たちが集結!
- EOSユーザーだけでなく、普段は他社製カメラを使う方も参加。高画素高精細画質と高速性能を併せ持つ「EOS R5 Mark II」と「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」をはじめとするRFレンズが生み出す風景撮影のポテンシャルに期待が高まる。
撮影会の特別講師は、人気の風景写真家の米美知子先生。先生にとって奥日光はとても思い入れのある場所だ。「私が初めて戦場ヶ原を訪れたときに、惚れ込んで通うことになった倒木がいまだに存在しているのを見ると、嬉しくなります」と話す。
- 特別講師・米美知子先生
- 東京都生まれ。独学で写真をはじめ、アマチュア時代、全国規模のコンテストで数々の賞を受賞。素晴らしい日本の自然の色彩美を独創的な視点で捉え続ける。テーマは「夢のある表情豊かな作品」。前回の赤城自然園に続き講師を担当。
「EOS R5 Mark II」の使いこなしについて、フィールドはもちろんセミナー会場でもいろいろとアドバイスしてくれた。「一眼レフと違いミラーレスカメラはファインダー内で撮影画像の再生が可能なので、確認後すぐに修正を反映しやいのが最大の特徴になります。特にEOS R5 Mark IIの高精細な描写は風景撮影に最適で、トラッキングを始めとする優秀なAF性能も併せ持っています。風景撮影ではここまで強力なAFや連写性能は求められませんが、新たに搭載された『プリ連続撮影』機能と合わせ、突然現れる動物などにも対応できるのは、やはりとても魅力的です」と教えてくれた。


繊細な春風景をどこまで描き出せるか!? 奥日光の夕景・朝景、森や高原の樹木を実写
千手ヶ浜
輝く新芽や雄大な中禅寺湖畔の風景で4500万画素の真の描写力を体感
■描写力を試す格好の雄大な風景が広がる
中禅寺湖の西端は一般車両は乗り入れ禁止のため、低公害バスで移動。南北2kmにわたり砂浜が広がる、千手ヶ浜の手付かずの大自然は格好の被写体だ。
■青い湖面をどこまで再現できるか期待が膨らむ
千手ヶ浜の近くの山道を少し登ると、中禅寺湖を見下ろす場所に出る。快晴の空のもと、青く染まった湖面に映える木々が生み出すダイナミックな風景にレンズを向けた。
■光り輝く芽吹きをカメラに収める
山道は樹齢200年以上のミズナラやハルニレなどで形成された豊かな森へと続く。芽吹き始めた木々の間から午後の太陽がきらめく、幻想的な光のシーンをカメラに収めていく。
夕暮れの湯ノ湖
日が暮れた後も時間の許す限り撮影
■太陽が山に沈むわずかな瞬間を狙う
小さな湯ノ湖は、撮影する方向を自由に変えて狙える。山の向こうに太陽が沈むギリギリのタイミング、急いで湖の東側に移動して、逆光に輝くネコヤナギを熱写した。
■描写力が試される夕暮れ時をじっくり撮影
光量の落ちる夕暮れどきこそ「EOS R5 Mark II」の描写力が試される。すっかり太陽が山に隠れてしまった後も、光芒差す山肌や蒼くなった湖面など、時間が許す限り撮り続けた。
夜明けの湯ノ湖
カメラをセッティングして対岸から昇る朝日を待つ
■移り行く光の変化を見極めて捉える
湖畔に立つホテルの前からは、湯ノ湖越しに男体山が一望できる。4月下旬とはいえ冬のような早朝の寒さに耐えながら、高原に訪れる朝の光の変化を見極め捉えていく。
■輝度差の大きな風景で描写力を確認
太陽が昇るにつれて、朝日に照らされ対岸の森が上のほうから輝き始める。輝度差の大きいシーンを「EOS R5 Mark II」はどのように描き出すのか。試行錯誤しながらその描写力を確かめた。
戦場ヶ原
米先生のアドバイスを参考に萌えゆく春にカメラを向ける
■湯川沿いに続く木道で早春の被写体を探す
戦場ヶ原は南北に縦貫する木道が整備されている。まず米先生が簡単に撮影ポイントをアドバイス。湯川沿いに続く木道で、被写体を探しながら撮影していくことに。
■戦場ヶ原の雄大な風景は高画素機が生きる絶好の被写体
抜けるような青空となったこの日。どこまでも広がる戦場ヶ原の雄大な湿原と、背景となる男体山をはじめとした山々は、「EOS R5 Mark II」とRFレンズの絶好の被写体となった。
■発売間もないレンズを試せるのもこのイベントの魅力
発売されたばかりの「RF16-28mm F2.8 IS STM」は広角マクロとしても使える。米先生の指導でこのレンズに交換して撮影。「思い切って木の芽に寄ると、ボケで芽吹きが引き立ちます」とアドバイスも。
■教えてもらったテクニックを「EOS R5 Mark II」で即実践
アドバイスを受けた参加者は、さっそく教えてもらった撮影テクニックや機材の操作を実践しながら、心と体に覚え込ませていく。
■参加者目線で親身に相談に乗る米先生
あちらこちらで足を止めて撮影しつつ、一人一人に撮り方を指導していく米先生。ときには参加者と並んで同じ被写体に向かいながら、親身に相談に乗っていた。
■プロから直接受けるアドバイスは新鮮
赤く変色した小川を発見。「こうした自然のちょっとした変化にも目を向けましょう」と米先生。見逃してしまいそうなポイントをプロから直接アドバイスしてもらい、早速狙ってみる。
■お互いの感想を確認できるのも撮影会ならでは
撮影会も後半ともなると参加者同士も打ち解けて、写真を見せ合ったり、「EOS R5 Mark II」の感触をお互い確かめ合ったりと交流が生まれた。これもフィールドで行なう撮影会の醍醐味だ。
高輝度側階調優先機能&ハーフNDフィルター撮影術
■湯ノ湖畔でハーフNDフィルターを試す参加者も
日ごろから風景を撮っている参加者が多く、既にハーフNDフィルターを使用する人も。今回は朝日や夕日の時間帯の撮影も多く、ハーフNDフィルターが活躍していた。
■朝夕はハーフNDフィルターで輝度差をカバー
「高輝度側・階調優先」でも白トビしてしまう朝日・夕日撮影では、ハーフNDフィルターを勧める。「1枚持つならND4のソフトタイプがオススメ。私は固定しない派なので、サコッシュに入れて首から下げ、すぐ取り出せるようにしています」。
■高輝度側・階調優先を多くの場面で使用
ハイライト部分の白トビを緩和してくれる「高輝度側・階調優先」機能。米先生の設定は基本的にオン。多くの場面で「D+」にしてを使っているとのこと。
「EOS R5 Mark II」の緻密な描写力が作品性を高める
■高解像画像をきっちり描き出す「PIXUS PRO-S1 Mark II」
出力体験に使用したのは、2025年3月に発売されたばかりのA3ノビ対応プロ向け8色染料プリンター「PIXUS PRO-S1 Mark II」。最新の機種とあって、「EOS R5 Mark II」の高解像度の画像を余すことなく引き出してくれた。

■決定的瞬間を確実に捉えてくれるプリ連続撮影を解説
シャッターを切る前の半押ししている間の画像を最大15コマ記録してくれる「プリ連続撮影」機能。動く被写体だけではなく、撮る人のタイムラグによる一瞬の遅れも助けてくれると解説してくれた。
■自然風景でも活用できる新機能
「風景でも動物や鳥を撮ることもあるし、浜辺の波などでもよく使います」と話す米先生。
■良かった点や改善点を全員にアドバイス
自分が撮影した写真の講評が聞けるのもこの撮影会ならでは。参加者が選んだ3枚の作品すべてを米先生が具体的にアドバイスしてくれる。参加者も聞き逃すまいと真剣な表情で講評に臨んでいた。
プリントすると見えてくる明確な意図を写真に込めよう
「EOS & PIXUS 風景ゼミナール」は、撮影が終了してすぐに最新のPIXUSプリンターで作品をプリントして、それを見ながら講評が行なわれることも特徴だ。
参加者は「PIXUS PRO-S1 Mark II」を使って、撮影した自分の作品を3点選んでプリントする。高精細な「EOS R5 Mark II」の画像を余すことなく描き出す再現性に感銘を受けていた。撮影後にプリント出力しない人も増えている昨今だが、実際にプリントされた作品の美しさを見ることで、その魅力を改めて再認識することができた。
参加者全員のすべてのプリントが並んだ様子は圧巻の一言。その作品1枚1枚を的確に講評していく米先生。「プリントすると、どこにピントが合っているかが一目瞭然。これだけはあとから変更できないので、どこにピントの位置を合わせるか、意図を持って撮影することが大切です。そうすることで、例えば絞り開放で撮っていても写真がシャープに見えるようになります。逆に意識しないで撮ると、絞っても写真がシャープになりません。見てくれる人に狙いが伝わりやすくなりますから、自信を持ってこの場所にピントを合わせたと言えるようになりましょう!」そんな米先生の言葉を参加者も深く心に刻み込んでいた。
コロナ禍もあり、長く中断を余儀なくされた「EOS & PIXUS 風景ゼミナール」。今回、久しぶりに開催することができたが、参加した皆さんの満足げな表情がとても印象的だった。
米先生の作品&コメント
「春へまっしぐら」

米美知子先生が捉えた奥日光の春の息吹
自然豊かな奥日光で、「EOS R5 Mark II」の描写力を皆さん楽しまれたようです。初心者からベテランまで自然風景の撮影歴は人それぞれでしたが、芽吹き始めた春の戦場ヶ原の撮影を一緒に満喫できました。
参加者の作品&コメント
- 興味のあったRFレンズが試せて良かったです
- 以前から「RF15-35mm F2.8 L IS USM」 に興味があったので参考になりました。腕の力がなく重い望遠はあきらめていましたが、「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」なら私にも持てそうです。
- AF性能の進化を実感しました
- 普段は「EOS R5」を使っていますが、AFの多彩さ、食いつきの良さ、トラッキング性能などに「EOS R5 Mark II」の進化を感じました。「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」は解像感が上がったのを実感。テレコンが使えるのもいいですね。
- カメラもレンズも軽量で好感度が上がりました
- 春先に日光で撮影するのは初めてで新鮮に感じました。いろいろなメーカーのミラーレスカメラを使っていますが、今回使用したカメラもレンズも軽量で好感度がアップ。さらに画質が良くて感激しました。操作性もとてもよくて使いやすかったです。
- 動物やスポーツ撮影でも「EOS R5 Mark II」を試してみたい
- 現在「EOS R5」で風景をメインに撮影しています。動物やスポーツなどに「EOS R5 Mark II」を使ってみたいので、真剣に購入を検討中です。購入したら風景撮影での活用はもちろん、動きモノでのAF追従性もぜひ確かめてみたいです。
- 「EOS R5 Mark II」は違和感なく操作できました
- まだ冬の風情が残る中、たくさんの良い被写体を撮影できました。普段からEOSには慣れているので、「EOS R5 Mark II」も違和感なく操作できました。所有しているのがEF70-200mm F2.8なので、「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」はとても魅力的です。
- 「PIXUS PRO-S1 Mark II」の仕上がりにも感動
- 楽しく撮影できました。新型の「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」はコントロールリングの操作に慣れが必要でしたが、写りが良くて感動しました。また「PIXUS PRO-S1 Mark II」のプリントがきれいで久しぶりにプリンターが欲しくなりました。
- クリアな描写とトラッキング性能の向上を実感
- 所有している「EOS R5」よりクリアな写りになっているのが印象的でした。カモを撮影してトラッキング性能の向上も感じることができました。また「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」 は軽量で操作性がよく、前ボケの美しさに感動しました。
- 米先生のアドバイスで使ったRF16-28mmに感激
- 風景を撮るのはずいぶん久しぶりでしたが、米先生の話が聞けてとても興味深かったです。やはり目の付けどころが違いますね。教えてもらった「RF16-28mm F2.8 IS STM」はギリギリまで寄ることができて面白かったです。
休暇村日光湯元
日光国立公園内、湯ノ湖の湖畔にある静かな森に包まれたリゾートホテル。今回の「EOS & PIXUS 風景ゼミナール」では、ここに宿泊し、すぐ目の前の湖畔で思う存分撮影を楽しんだ。