見習いカメラマンの後藤佑紀です。
昨シーズンから「フォトサポアンバサダーSUPER FORMULA担当」、今シーズンからそれに加え「SUPER FORMULA公式カメラアシスタント」、そして新たに「KYOJO CUP公式カメラマン」としても活動をしています。
今回はGW中の5月3、4日に富士スピードウェイで開催された、SUPER GT Rd.2へ行ってきました。
先日行われた富士の公式テストでは、悪天候により不完全燃焼に終わってしまったので、今回はとにかくいろんなコーナーから撮ってみよう! と気合い十分で臨みました。また今年は大きくマシンを撮るだけではなく、サーキットの色々な撮影スポットを覚え、景色を絡めた写真を撮りたいとも考えていました。
レポートは、「CAPA流し撮りGP」応援ドライバーの三宅淳詞選手、佐藤蓮選手を追いかけつつ、GTレース全体の雰囲気をお伝えしようと思います。
あと、私が普段使っている望遠レンズは180-600mmなのですが、今回は2025年3月19日に発売されたSONYの超望遠ズームレンズ「FE 400-800mm F6.3-8 OSS」をお借りして撮影をしました。ボディはSONY α1IIです。焦点距離800mmですよ? どんな世界が撮れるんだろうとワクワクしていました。
私自身まだまだサーキットには詳しくないのでCAPA編集部の方や他のお客さんに聞いたりしつつ撮影したのでその部分も共有できたら嬉しいです。
初めての800mm超望遠でマシン撮りを体験!

土曜日の練習走行では、Supraコーナーで一旦400-800mm超望遠ズームを堪能することに。まずは正面から800mmで大きく撮ってみることにしたのですが、もうすごい! コースサイドからだとファインダーを覗くといっぱいどころか画角からはみ出すほどの大きさで視界に広がるマシン。全くもって未知の世界でした。ズームだけど400mmから800mmに焦点距離を絞ったことによる解像力は抜群で、ドライバーのヘルメットのみならず手元までしっかりと映ります。この迫力。
この焦点距離で撮ったことがなかったので、いくらスピードが落ちるコーナーとはいえ最高時速300kmを超えるマシンをブレずに撮れるようになるには時間を要しました。しかしα1IIの被写体認識(クルマ)とAF追従がかなり速いので、ここまでのドアップでも速攻でマシンを捕らえてくれるので不慣れな部分をかなりカバーしてもらえたと思います(笑)。
土曜日午後の予選は気温20度、路面温度は33度あったので、超望遠で遠くからマシンを狙うと陽炎でぼやけてしまいそうでした。なので、GT300の予選では手持ちの24-120mmを使い、ADVANコーナーをアウト側から撮る事にしました。最近「激感エリア」ができたところのすぐ前なので、まだ入ったことがない方にも参考になれば嬉しいです。ここからだと観客エリアにテントがたくさん張ってあってカラフルな写真が撮れそうだなと、少し広角めにシャッタースピードを遅めにして流し撮りをしてみました。
ヘアピンからの立ち上がりですぐ目の前をマシンが通過するので、かなり素早くカメラを振る必要があり、なんとか成功したのはシャッタスピード1/100秒で、SNSで見るような大きく流した写真を撮るにはこのシャッタースピードはかなり速めです。練習と体幹を鍛える必要がありそうですね(笑)。撮りたい写真の背景だったので絶対にリベンジしたいです!!!
気を取り直してほぼ同じ場所から100Rからの立ち上がりを撮りました。ここは100Rから下って上るため急にマシンが現れます。自分の耳とα1IIのAF性能を頼りなんとか撮ることができました。この場所はマシンを見上げる形で撮ることができるので迫力満点でした。
そしてGT500の予選と300のQ2は、13コーナーアウト側とダンロップコーナーを移動しつつ撮りました。カーブが続くためマシンがある程度詰まっていると、複数台を撮ることができます。なので撮りたいマシンは大きく捕らえつつ、後続車も絡めて撮りました。決勝のバトルシーンだと記憶に残る写真になりますね!
13コーナーでマシンの後ろを狙ったときは、西日が順光だったのでオレンジのフィルターをかけたようなノスタルジックな雰囲気で撮れました。この場所はカメラマンの先輩から教えていただいたのですが、コースだけではなく時間帯や季節による太陽の当たり方も覚えていきたいと思いました。
三宅選手、佐藤選手の予選結果はというと、三宅選手がドライブする3号車Niterra MOTUL Zは5番手、佐藤選手がドライブする16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT#16は3番手タイムとなりました。両車好タイムでのチェッカーとなり、決勝への期待が高まります!
決勝日には、ピットウォーク後に2台のピット前にお邪魔して撮影させていただきました。グランドスタンドのお客さまに笑顔で手を振るシーンも。


決勝レースは3時間の長丁場。ポイントを移動しながらの撮影
いよいよ3時間にも及ぶ決勝レースのスタートです!
決勝レースはコカ・コーラコーナーからマシン撮りを始めました。スタート時の路面温度は38度で、800mmで狙うには路面温度が高くて陽炎がもやもやしていたので、400mmで複数台のマシンを入れて撮るようにしました。レーススタート直後はマシンがまとまってやってくるので迫力のある写真が撮れますね。
少し南下してコカ・コーラと100Rの間でも撮りました。ここも100Rの立ち上がりと同様に急にマシンが出てきます。再びカメラマンの先輩にどこを狙うか教えていただき、こんな感じで撮れました。
マシンを見上げる構図になるのと後ろのテントがお気に入りです!

土曜日の予選では朝はくっきり見えていた富士山に、午後からは雲がかかって隠れてしまっていましたが、決勝日はずっと富士山がはっきり見えました。念願の富士山とマシンの横〜バックショットを。
皆さんは無駄な賭けをすることがないよう富士山を見つけたらすぐに撮ってくださいね(笑)。
今回はとにかく色々な構図で撮ることが目標だったので、メディアシャトルに乗って移動しては撮りを繰り返して割とたくさんのパターンで撮ることができました。
レース終盤になってコースにタイヤカスが転がっていたり、マシンが汚れていく写真も好きです。
KeePerが優勝! 古巣の勝利に感激が止まりません!!
100周を超える3時間のレースにチェッカーが振られ、GT500クラスは38号車KeePer CERUMO GR Supraがポールトゥウィン。KeePerがメインスポンサーになり、初の優勝! チームとしては6年ぶりの優勝だそう。2位は1号車au TOM’S GR Supra、3位は100号車のSTANLEY CIVIC TYPE R-GTという結果になりました。

GT300クラスは6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが優勝。2位は777号車のD’station Vantage GT3。3位は暫定表彰式が行われた後に正式リザルトが発表されて、3位でフィニッシュした7号車CARGUY Ferrari 296 GT3に10秒のタイム加算のペナルティがあり、結果4位でフィニッシュしていたHYPER WATER INGING GR86 GTが繰り上がって3位になりました。最終ラップのゴール目前でトップだった61号車のSUBARU BRZがリタイアするなど、レース終盤に大きく順位変動する場面があり、これもレースかと思った人も多いのではないかと思います。

個人的なのですが、2020-2022年でKeePerエンジェルズを務めていた私にとっては、2020年の最終戦が思い出されるようでとても心揺さぶられるレース結果でした。
当時お世話になっていた方々にお会いすることができたので喜びを分かち合いました。これを皮切りに強いKeePerがまたたくさん観られることを楽しみにしたいと思います!
また、GT300クラスでは前述したように表彰式の写真はありませんが、2024年まで私がレース・アンバサダーとして活動をしていた2号車が、見事3位入賞です! メインスポンサーがHYPER WATERになり、マシンもガラッと変わりました! 黒に水色のマシンがとても印象的です! 今年こそタイトルを目指して頑張ってほしいです!
3号車10番手、16号車11番手という結果でした。2024シーズン第2戦では三宅淳詞選手がドライブする3号車が優勝したこともあり期待していたので残念ではありますが、3時間という長いレースのチェッカーを無事に受けられてよかったです! ここまでのチームのランキングは3号車12位、16号車13位です。まだまだシーズンは始まったばかりなので、引き続き応援をよろしくお願いいたします!
今回のサーキット撮影は、3時間レースということもあり、人に聞きながらではあるものの太陽や路面温度を意識して撮影に臨むことができました。しかし、限られた時間の中で色々な構図で撮ろうと思うともっと練習が必要だと感じました。写真・カメラを好きになるほどにレース時間が短く感じてしまうんですよね…。それだけ楽しいということですが、シャッタースピードを速いところから初めてだんだん遅くして流し撮りに持っていくのにまだ時間がかかってしまいます。これは数をこなすしかないと思うので、今シーズンは色々なカテゴリーの撮影に挑戦して経験を積もうと思います! また安定してカメラを振るためには体幹が必須だと思うのでそちらも頑張ります(笑)。そして撮影前に撮影スポット・天気・太陽の位置の予習を行い、ある程度の計画性を持って臨みたいです。あと400-800mmは面白いですよ(ニヤリ)。
最後は感想文の宿題を書くみたいになってしまいましたが、これからも納得できる一枚を撮るべく精進していきますのでサーキットで見かけた際には暖かく見守っていただけると嬉しいです!
次戦は6/27~28で開催されるRd.3マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット、国内戦は8/2~3に富士スピードウェイで行われるRd.4。少し空いてしまう感じがしますが引き続き「CAPA流し撮りGP」応援ドライバーの三宅淳選手、佐藤蓮選手への応援をよろしくお願いいたします。
レース・アンバサダーギャラリー
最後はレース・アンバサダーギャラリーです! 今回はたくさんの子を撮らせていただきました。今年のコスチュームもどれも可愛くて、撮っていてとても楽しかったです!
後藤佑紀さん プロフィール
2月19日生まれ。愛知県出身。モデル。元SUPER GTレースアンバサダー(muta racing fairies2024)。2024年ニコン「フォトサポ」アンバサダー(スーパーフォーミュラ担当)。レースクイーンをやりながら趣味で始めたカメラにはまり、『撮られる側』から『撮る側』に転身をしました。今までの経験を活かし、それぞれの良さを更に引き立てる写真を撮ります。
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