CAPAのモータースポーツフォトコンテスト「流し撮りGP 2025」第2戦の結果を発表します!
記録と演出がマッチしたときに傑作が生まれる
写真が持つ大きな力のひとつである「記録性」を大切にしたい! サーキットで起こるさまざまなシーンを前にして、その場にいなければ撮れない現実を確実に記録しつつ、それを際立てる映像的な演出がマッチしたときに「傑作」が生まれます。第2戦はそんなことを思わせてくれる作品が多く集まりました。
〈流し撮りGP審査委員長〉小林 稔
GP1位「待望の時」野中翔平 (ルーキー応募)

作者コメント
ウイニングランで、石浦選手の嬉しそうな「表情」を撮影することができました。
GP2位「圧倒」細野 勉

作者コメント
他を圧倒するペースでトップを快走する太田選手。誰よりもローターを赤く染めたブレーキングは迫力がありました。
オイルに汚れたカウル表面など、マシン全体の質感描写がいい。フォーカスもシャープさも圧倒的!
GP3位「歓喜」小林祐太

作者コメント
チェッカーの瞬間を正面から撮影しました。チェッカーフラッグ、ピットウォールで歓喜するスタッフ、ヘッドライトを点滅させる1号車と、ゴールの瞬間を1枚に納めました。
フィニッシュシーンの1発勝負を見事にまとめた快作です。画面内のすべてが超望遠の圧縮感で凝縮されていて気持ち良い。
GP4位「不撓不屈」榎 良久 (ルーキー応募)

作者コメント
雨のGRスープラコーナーです。いろいろな設定でデータを取得している1号車の気迫が伝わるように撮影してみました。
水煙とテールライトが作る「フワリとした柔らかいにじみ描写」が魅力的な作品。シャッター速度の魔術ですね。
GP5位「夕走」鈴木京一

作者コメント
3月の夕方です。この時期、このコーナー、この時刻帯は、夕方の太陽がギリギリにあたって路面が赤く染まります。赤くなったレコードラインをマシンが駆け抜けていく様子を意識して、撮影時間を計算して撮影しました。
紅の色調とともにマシン前方にくっきりと黒く影を引く斜逆光がドラマチック。新鮮なアングルです。
GP6位「Turn the page (corner)」山上一彰 (ルーキー応募)

作者コメント
不慮のマシントラブルでリタイアとなった1日目の第3戦です。岩佐選手が無線で発した悲痛な叫びは、勝利を渇望する感情の発露だけではなく、翌2日目の第4戦に向けて気持ちを切り替える儀式のようでもありました。タイトルの「Turn the page」は、本のページをめくるように気分を一転する様子を表す英語の慣用表現です。前向きな姿勢でレースに向き合う岩佐選手が、出口をしっかり見据えて力強くコーナーを回っていく姿 (Turn the corner) を収めることができました。
画面全体の流れ感に対してヘルメットだけがピタリと止まる。流し撮り技術とともに、構図コントロールも素晴らし仕上がりです。
GP7位「アオハル」山田和宏

作者コメント
wakosカラーとなったARTA若手の2人の勢いを表現。ガードレールや芝生は流して、マシンはカッチリと描写した作品です。
画面全体の流れ感に勢いがあり、それでいてかつ美しい作品。ガードレールの生かし方なども良く計算されています。
GP8位「ギリギリまで攻める」下山裕大

作者コメント
SUPER GT 富士の予選はコカ・コーラコーナーで撮影することが多いです。AMG GT3はコカ・コーラコーナー出口の縁石で火花を散らすことが多いので、今回はそこに絞って撮影しました。
迫力に満ち溢れた力強さ満点のバックショット。縁石の赤白と黒地に白文字のマシンカラーも効いてます!
■流し撮りGP 2025 年間ランキング
勝者の感激と興奮がストレートに伝わってきます。真正面のドアップ。コックピットに光が入る角度と瞬間を狙いすまし、「その瞬間」に右手を掲げてくれた石浦選手との共鳴もスゴイ。1回しかないその瞬間を見事にとらえた力量、GTマシンでも人物描写できる見本のような力作です。