人気フォトグラファーと高校生が、写真展プロジェクトに取り組む本企画。講師にもろんのんさんを迎え、逗子葉山高等学校・写真部のメンバーが2026年3月に開催される「エプサイトプレミアム写真展Vol.3」での作品展示を目指す。第1回となる今回は、作品づくりをプチ体験する。

エプサイトプレミアム写真展とは?
撮り方やレタッチ術、プリント技法などが学べる写真愛好家向けサービス「エプサイトプレミアム」会員のための写真展。参加費無料、事前選考なしで展示ができて、作品についてプロ写真家からコメントももらえる。このハイアマが集う写真展に、もろんのんさんと生徒たちが特別参加する。

スマホ撮影から脱却! カメラによる作品づくり
秋晴れに恵まれた11月中旬、フォトグラファーのもろんのんさんが向かったのは、神奈川県にある逗子葉山高等学校。写真部は4年連続で高校の写真全国大会に出場する強豪校ではあるものの、部員は1年生も多く、自分のカメラを持っていない生徒もちらほら。写真部所有のミラーレス一眼カメラはあるものの、普段はスマートフォンで撮影を楽しんでいる部員も多い。
写真部顧問の鬼頭先生は、「スマホでも、まずは写真を楽しんでもらいたいのですが、そろそろ1年生にもカメラで撮影して、表現することにも挑戦してほしいですね」と話す。そこで、今回はCAPA編集部のカメラを持ち込み、ひとり一台ずつミラーレス一眼を持って撮影。さらに、迫力のA3ノビサイズまで出力できる写真高画質プリンターの「エプソン EW-M973A3T」を使って、作品づくりのプチ体験をしてもらった。もろんのんさん指導のもと、「エプサイトプレミアム写真展」に向けての基礎実習がスタートした。

自分の写真って何だろう? アウトプットしながら、写真について一緒に考えよう

もろんのん流の写真レクチャーは、生徒たちとやり取りをしながら進められた。受け身の授業にならないよう、またアウトプットすることも大切ということで、スケッチブックとペンが用意された。もろんのんさんからのお題に生徒たちは自分の気持ちや考えを、スケッチブックに書いて発表する。






共通項を見つけたり深掘りしたりして、一言でまとめる。そこから、「私は〇〇な写真を撮るのが好き (かもしれない)」という、“自分の写真” における大きなテーマ (=自分らしさ) が見えてくる。


島田英澄さん (左) は「いつもの空気が伝わる写真」、加藤瑚深さん (中央) は「その日にしか撮れないような風景と物」、嶋田彩乃さん (右) は「物語性のある写真」と、生徒たちのアウトプットにもろんのんさんは感嘆していた。
テーマがあっても “自分らしさ” のある写真を
「エプサイトプレミアム写真展」には毎回テーマが設けられ、参加者はテーマに沿った作品を提出する。ただ、取材時はテーマ発表前。そこで、これから生徒たちがテーマに沿った写真を撮っていくなかでも “自分の写真” を大切にしてほしい、どんなテーマでも “自分の視点” で撮ることを忘れないでほしいというもろんのんさんの思いから、「自分の写真」について考えてアウトプットする授業となった。
同じテーマでも、出来上がる作品は十人十色。「その人らしさ (自分らしさ)」がある写真を目指すためには、色合いや構図、被写体の選び方など自分の “好き” が一貫していることが大事ともろんのんさんは話す。生徒たちはスケッチブックを手に自分自身と向き合い、秘めた思いを書き留めていた。


悩める大人も必見! もろんのん流・写真上達のヒント
悩み① 個性がない、自分らしい写真がわからない人へ
ヒント 好きなものを撮ることが “自分らしさ” につながります。
悩み② どんな写真を撮ったらいいのかわからない人へ
ヒント 撮れなくてもいい、夢でもいい、まずはどんな写真を撮りたいのかアウトプットしてみましょう。
悩み③ うまい写真が撮れないと悩んでる人へ
ヒント 上手に撮らなきゃいけないと思わずに、「自分は何が撮りたいのか」を大切にしましょう。
悩み④ 考えすぎてしまう人へ
ヒント 考えることは大切。だけどときには感じたまま、「あっ!」と思った瞬間に撮ってみましょう。
心が動いたものを撮ってみよう! たくさん撮って、カメラに慣れる

学校からバスで移動して、森戸海岸&神社で撮影実習。バスの中ではカメラの基本設定の確認や撮影の基礎レクチャーも。ここでは撮影のテーマは特に設けず、「今日はプリントもするので、自分のお気に入りの写真を撮ってください」ともろんのんさん。40分程度の短い時間で、各々散らばって撮影する。



もろんのんさんは、海岸や神社周辺に散らばった生徒たちを見つけては声を掛け、撮影のアドバイス。ローアングルとハイアングルの比較や、人物撮影での光の読み方・写りの違い、連写モードの使いどころ、シャッター速度によるしぶき描写の変化など、現場で撮って違いを見せながら説明。生徒たちもすぐに実践し、どんどん吸収していく。






いつもはモニターだけど、今日はプリントで見る! 写真の見え方はどう変わる?

昼食を挟んで、午後からはプリント体験。逗子葉山高校写真部は、講評会など作品を見せ合う際にはモニターを使っており、プリントはあまりしないという。1年生の中には、自分の写真を初めてプリントするという生徒も。
今回はひとり2枚、A4サイズにプリントする。セレクトが終わったら、次に用紙選び。そして、選んだ用紙で印刷スタート。さあ、プリントの出来は?
プリント体験

今回は高光沢、絹目調、マットと3種類の用紙が用意された。エプソン販売の稲原さんが、それぞれの特徴を説明。「プリントは撮ってからが作品づくりのスタートです」。選ぶ用紙で仕上がりの雰囲気が変わることなども話してくれた。



A4サイズの自分のプリントがだんだんと印刷され出てくる様子を、ワクワクしながら見つめる生徒たち。そして出力され、自分の作品を手にする。今回初めて自分の写真をプリントした生徒もいた。
生徒のひとりは「作品をつくっている感じがした」と話してくれた。モニターだけで見ているよりも、現物 (プリント) があるほうが実感しやすい。自分の作品を手にできる喜びを感じてくれたようだ。

講評会

最後は、もろんのんさんがプリント作品を見ながら講評会を行なった。ここでもひとりずつ自分の作品についてアウトプットし、もろんのんさんがやさしくアドバイスを送る。「プリントはモニターよりも自分の作品を客観的に見ることができます。いいところやダメだったところを把握しやすく、それが写真の上達につながりますよ」。

プリント体験はどうだった?

モニターで見るのと違って、プリントの場合は、用紙の種類によって仕上がりが違うことがわかりました。

写真の楽しさをより実感しました。カメラで撮ってモニターで見たとき、セレクトしているとき、そしてプリントして出てきたとき、それぞれの楽しみがあります。

普段はあまりプリントをしませんが、これからもっとしてみたくなりました。モニターだと気が付かない気泡や立体感などもA4プリントだと細かいところまでわかるし (岩崎さんの作品)、自然としっかり写真を見ることにつながると思いました。

今回、同じ写真をクリスピア〈高光沢〉と絹目調にプリントして比べてみたのが良かったです。色の出方や雰囲気が少し変わりますね。私はクリスピアのほうが好みでした。

授業で使用したプリンター
エプソン EW-M973A3T
エコタンク方式のインクを採用した、コスパ抜群のA3ノビ対応の写真高画質プリンター。低印刷コストなので、たくさん印刷する写真部の活動にはぴったり。染料5色に顔料マットブラックを加えた6色インクによって、豊かな階調描写、かつ緻密なプリントが可能。モノクロプリントにも好適な1台。


次回は写真展に向けたプリントに挑戦!
エプサイトプレミアム写真展Vol.3
テーマ【感謝】

会期 : 2026年3月24日 (火) ~29日 (日)
会場 : ギャラリー・ルデコ (東京都渋谷区渋谷3-16-3 髙桑ビル)
- もろんのん
- 広告や雑誌などの媒体を中心に、商品、旅、ポートレートまで幅広く撮影を手がける。自身のYouTubeチャンネル「もろんのんTV」では、初心者にもわかりやすい写真撮影術や心が躍る旅Vlogを発信中。Instagramのフォロワーは11万人、YouTube登録者数は15万人を超える。
- → X │ → instagram │ → YouTube
- 神奈川県立逗子葉山高等学校
- 逗子高校と逗葉高校の統合により2023年4月に開校。学校の目指す方向性は「挑戦できる居場所」。写真部は2022~2025年 (逗葉高校から) 4年連続で「写真甲子園」の本戦大会に出場。部員数は現在20名程度。
- → WEBサイト
〈協力〉エプソン販売株式会社