寒くて出かけるのがつらくなるこの季節。でも、早起きして身近なフィールドを歩くと、美しい輝きにあふれていることに気づくはず。朝日が差すと霜がキラキラ光り、小さな流れは水しぶきが凍り、ユニークな造形を見せる。冬にしか撮れない、美しい被写体をマクロレンズや望遠ズームレンズでクローズアップしてみよう。
まずは、霜を表情豊かに捉えるためのポイントを紹介する。

- 刻々と変化する霜の表情をマクロレンズで狙う
- 氷の造形美を切り取るには望遠ズームが有効
- 絞りとWBで氷の印象をコントロールする
- 被写界深度合成で氷全体をシャープに見せる
撮影は夜明け前にスタート
風がなく冷え込んだ朝、空気中の水蒸気が枝や草に凍りついて霜となる。水分のたっぷりある川や湖、湿原の周辺などでよく見られる。
霜の撮影は夜明けの薄明るくなるころから始まる。日の出前の青みが生きる時間帯だ。葉を落とした枝や枯れた草についた霜でモノトーンの寂しげな雰囲気を出すのもよいが、ノイバラやズミ、マユミなどの赤い実に付いた霜ならカラフルに仕上がる。
このときマクロレンズでクローズアップすると、霜の繊細な造形美を捉えられる。まだ薄暗いこと、また数段絞ったほうが解像感を出しやすいので、三脚を使って丁寧に撮影したい。

被写体に近づける霜の撮影には100mm前後の中望遠マクロレンズが最適。写真は「ニコン Z7II」と「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」。
日の出前に見せる冷たい表情をWB4600Kで撮影
霜をまとったノイバラをマクロレンズでクローズアップ。日の出前の冷たいイメージを強調するため、ホワイトバランスを4600Kにして青みを帯びた色合いを引き出した。多角形の結晶からなる、霜の繊細な姿を捉えることができた。

日の出がクライマックス
朝の光が霜を照らし始めると、いよいよ霜撮影のクライマックスとなる。逆光による透過光を狙い、霜を輝かせるのが基本だ。絞り開放で解け始めた水滴を背景にすると虹色の丸ボケとなる。背後に一面の霜原が広がるようなモチーフを選び、数cmのカメラポジションの違いで変化して見える虹色の輝きを狙ってみよう。
溶け始めた霜が虹色に輝くボケとなる
朝日が当たると霜は解けて水滴となる。逆光、つまり背後から昇る朝日が溶け始めた霜を照らし、キラキラと輝きを放っていた。絞り開放F2.8で水滴の輝きを丸ボケにすると、カラフルな虹色の輝きを捉えられた。

逆光・半逆光で輝きを引き出す
◎ 逆光
霜は半透明の氷の結晶なので、逆光や半逆光で撮ると透過光による輝きが生きる。特に逆光時は赤い実が明るい色合いとなり、透明感が出る。順光時は輝きが出ず平面的となり、霜の印象は弱い。

○ 半逆光

△ 順光
