寒くて出かけるのがつらくなるこの季節。でも、早起きして身近なフィールドを歩くと、美しい輝きにあふれていることに気づくはず。朝日が差すと霜がキラキラ光り、小さな流れは水しぶきが凍り、ユニークな造形を見せる。冬にしか撮れない、美しい被写体をマクロレンズや望遠ズームレンズでクローズアップしてみよう。
今回は、氷の冷たさと硬質感を表現するためのポイントを紹介する。

- 刻々と変化する霜の表情をマクロレンズで狙う
- 氷の造形美を切り取るには望遠ズームが有効
- 絞りとWBで氷の印象をコントロールする
- 被写界深度合成で氷全体をシャープに見せる
氷の撮影でボケは禁物! 絞って被写界深度を深くする
氷はシャープに見せることで硬さが感じられるようになり、繊細な造形美が生きてくる。画面の隅々までシャープに見せるためには絞り込むことが欠かせない。絞り込み不足で前後がボケてしまうと、柔らかい雰囲気になってしまう。
氷は立体的でデコボコがあるのでF16まで絞り込むのが基本。モニターでピントを確認して甘い部分があるなら、躊躇せずにF22まで絞り込みたい。結果的にスローシャッターとなり、水流は柔らかな流れとなって硬い氷との対比が生きるはずだ。
絞り込むことで氷の硬い印象を強める
氷をアップで捉えるとき、絞りF5.6では前後の氷がボケてしまった。斜めから捉えた氷ゆえ、凹凸だけでなく奥行き感もあるため、F22まで絞り込むことで被写界深度を確保した。氷の硬い印象を強めるにはボケを排除し、シャープに見せることが欠かせない。


○ F22

青みを加えて氷の冷たさを引き出す
ネイチャーフォトではホワイトバランスを「晴天」で撮影すると、被写体の自然な色を引き出せる。日陰の氷であれば、青空の色を映してやや青みを帯びた色に仕上がる。しかし、曇天では青空の映り込みはなく、ニュートラルな色になりやすい。
そんなときはホワイトバランスの調整で青みを加え、冷たさを引き出すのがオススメだ。ホワイトバランスは「晴天」の5200Kに対して、色温度指定で4500K前後に設定するとよいだろう。
WB4500Kで青みをプラスして冷たさを強調
青空なら空色を映して氷も青みを帯びて見えるが、この日はあいにく曇り空。ホワイトバランス (WB) を4500Kに設定することで青みを帯びた冷たい雰囲気を引き出した。

WBを「晴天」に設定した下の4枚の写真は、岩の色の影響で氷の色がやや茶色味を帯びて見える。
流れをブラして氷の白さを引き立てる
うろこ模様が美しい氷を望遠210mmで捉えた。シャッター速度1/60秒では水流の動きがざわつき、氷の白さをじゃましている。スローシャッター1秒にすると流れが穏やかになり、柔らかな水流との対比により氷の硬いイメージが際立った。






○ 1秒
