人気フォトグラファーのもろんのんさんと逗子葉山高等学校・写真部のメンバーが、2026年3月24日から開催される「エプサイトプレミアム写真展 Vol.3」で作品を展示する。本企画の2回目は、展示する写真セレクトからレイアウトまでをレクチャーする。

エプサイトプレミアム写真展とは?
撮り方やレタッチ術、プリント技法などが学べる写真愛好家向けサービス「エプサイトプレミアム」会員のための写真展。参加費無料、事前選考なしで展示ができて、作品についてプロ写真家からコメントももらえる。このハイアマが集う写真展に、もろんのんさんと生徒たちが特別参加する。

部員全員での作品づくりに写真プリントは必須!
昨年の11月に実施した、もろんのんさんによる撮影&プリント体験から約2か月半。部員たちが参加する「エプサイトプレミアム写真展Vol.3」のテーマも決まり、本格的に展示の準備をするため、2月上旬に2回目のレクチャーが行なわれた。
写真展のテーマ「感謝」を自分なりに解釈し、撮影に取り組んでくれた部員たち。新たに導入されたエコタンク方式の写真高画質プリンター「EW-M973A3T」を使い、各々2L判にプリント。80枚近くが集まった。ここからもろんのんさんと一緒に考え、写真部としてひとつの作品を作り上げる。

以前の活動ではほぼプリントはせず、モニターを使い作品講評をしていた逗子葉山高校写真部。あら選びからはじまり、レイアウトを組むまで写真プリントで行なうのは初めだという。顧問の鬼頭先生は「プリントで作品全体を見ながら、そして部員みんなで話し合いながら作品をつくる経験ができるのは、プリンターを導入したからです」と喜びを語ってくれた。
集まった約80枚の写真プリントを机に並べて、さあ、作品づくりのスタート。最終的に16~18枚の組写真にまとめる。
写真展のテーマ「感謝」の副題を考えよう
今回の写真展示では、ひとり1~2点を展示するのではなく、写真部として作品を作ることになった。まずは、エプソン販売の稲原さんから写真展の概要説明。どんな写真展なのか、会場や展示スペース、作品のサイズやおおよその点数を確認する。
そして、部員たちは撮影してきた自分の写真についてアウトプットし、投票で展示候補をあら選び。その後、みんなで作品を組むうえで重要となる副題を決める。

①写真発表

撮ってきた「感謝」の写真を、もろんのんさんに向けて発表。

②あら選び

部員12名から80枚以上が集まり、まずは20~30枚に絞る。ひとりに付箋5枚が配られ、気になった写真に貼っていく。ここでは稲原さんやCAPA編集長の菅原も参加して、より完成度の高い作品づくりを目指す。


③副題を考える

「感謝」は広いテーマなので、写真部としての作品の方向性を明確にするため副題を決める作業を行なった。セレクトされた29枚を中心に、もう一度写真を見ながら、各々に表現したいテーマを言語化する。「色彩」「日常」「生命」に関する言葉が目立った。

セレクトされた29枚を被写体別に分けてみた。ここでは「家族」「学校・友達」「風景」「そのほか」の4つに。わかりやすい副題ではあるが、少しありきたり。伝えたい思い、空気感、色味なども考慮しながら副題を模索すると広がっていく。
作品全体を俯瞰してレイアウトを考えよう
多く挙がった副題案から「日々のいろどり」と「いのち」の2つで作品を組んでみることになった。最終的には1つの案に絞る。指差しや多数決で、部員たち全員で作品を選考。展示に見立てて壁にプリントを貼り、引いて全体を確認しながら作り上げていく。
①メイン写真選び

まずは、「日々のいろどり」における核となるメイン写真を選ぶ。指差しで3~4点をピックアップ。それらに対して、補いたい要素の写真をさらに選んで8枚をセレクト。

②サブ写真選び

メイン写真を壁に貼って、作品全体を引いて見る。構図の寄り・引き、色味、被写体のバランスなどを考慮して、足りない部分を埋めていく。あら選びされた写真では補えないときは、落ちた写真からセレクトするのもアリ。


③並べ方の検討

似たような写真が上下左右にないか、あえて似たような写真を並べるかなど、気になった写真の入れ替えを行なう。もろんのさん先導のもと、意見交換しながら詰めていく。迷ったら、横に並べたまま一旦保留。

④副題・仮レイアウトの決定
副題「いのち」でも同様の作業を行ない、2作品が組み上がった。それぞれに講評したあと、多数決によって「いのち」16枚組を展示することに決定。
枚数の多い組写真を作るときは、完成度の高い写真ばかりではなく、合間を補う、つなぐ写真 (ヌケや余韻など) を入れることが大切。全体でテーマを表現するイメージだ。作品の核となる写真を全体の1/3程度に置き、そこからレイアウトを考えると決めていきやすい。

プリントを並べて客観的に作品全体を見ることが◎
レイアウトを決める作業は、プリントを壁に貼って行なうといい。より本番の展示に近いイメージだ。写真を平置きした場合と壁に貼った状態では印象が異なる。
そして、写真プリントがあることで、組み直しがしやすく、部員全員で見比べながら意見交換することができるほか、「客観的に作品全体を見られる良さもある」ともろんのんさんは話す。
展示するサイズにプリントして確認しよう
おおよそのレイアウトが決まったら、最終確認のため展示するサイズにプリント。「大きくプリントしたら、ぐっと作品っぽくなった」と部員たち。さらに、実際の展示に使う額装に写真を入れると、歓声が上がった。
①展示サイズにプリント

実際の展示に近いサイズにプリント。今回はA3の写真用紙クリスピア〈高光沢〉に、額装を想定して余白をとって出力した。2L判と入れ替えて作品全体を再度検討。同じ写真でも、サイズが大きくなると見え方や印象が変わる。
②最終検討

2L判で保留となっていた写真のセレクトを行なう。もろんのんさんが何度も写真を入れ替え、違いを見比べた。

\ 決定! /

逗子葉山高校写真部の展示作品「感謝 -いのち-」が完成。被写体や色味のほか、描写やフォーマットもさまざまだが、うまく融合した作品となった。
③プリントレクチャー

「写真プリントを飾ったり見せたりするときは、余白の有無やその幅を考えることも大事」ともろんのんさん。また、大きく伸ばすと細部まで見せることができる半面、ピントの甘さなど描写の粗も見えてくると、それぞれの良し悪しを伝えていた。

④質疑応答

最後は、もろんのんさんに質問タイム。すぐに手を挙げたのは淺見直人さん。「旅撮影の法則5つを教えてください」。永田倖士さんは、スマホのカメラ機能でプロが撮ったような写真を撮る方法を聞いていた。

下の写真は「エプサイトプレミアム写真展 Vol.3」で使われる額装のサンプル。黒い額縁が作品全体を引き締め、白いマットが奥行きを与え、作品としての見栄えが増す。用紙をフォトマット紙や写真用紙〈絹目調〉などに変えると、また違った風合いとなる。
実際の展示がとても楽しみです
部員たちはA3のクリスピア用紙に大きく伸ばされた写真を見て、「迫力がある、ダイナミック」「2Lでもきれいなのに、より映える」「奥行きが感じられる」などと絶賛。
一連の作品づくりについては、「自分だけで完結せずに、みんなで作ることで表現の幅や視野が広がった」「見る側にどう伝わるか、どう伝えるかも大事」「答えがない作業で悩みつつも、そこが楽しかった」「それぞれに考えがあって、それが間違いではない」など、各々に得るものがあったようだ。そして、「額装もされるので、実際の展示が楽しみでしかありません」と。
授業で使用したプリンター「エプソン EW-M973A3T」
エコタンク方式のインクを採用した、コスパ抜群のA3ノビ対応の写真高画質プリンター。低印刷コストなので、たくさん印刷する写真部の活動にはぴったり。染料5色に顔料マットブラックを加えた6色インクによって、豊かな階調描写かつ緻密なプリントが可能。モノクロプリントにも好適な1台。

エプサイトプレミアム写真展 Vol.3

プリント体験イベントなども実施される「プリントでつながる写真展『Photo Connect SHIBUYA』」の一環として行なわれる。テーマは「感謝」。もろんのんさんと部員たちの作品は3階に展示予定。
会期 2026年3月24日 (火) ~29日 (日)
会場 ギャラリー・ルデコ (東京都渋谷区渋谷3-16-3 髙桑ビル)
時間 11:00〜19:00 (最終日は15:00まで)

→ プリントでつながる写真展『Photo Connect SHIBUYA』の詳しい情報はこちら
- もろんのん
- 広告や雑誌などの媒体を中心に、商品、旅、ポートレートまで幅広く撮影を手がける。自身のYouTubeチャンネル「もろんのんTV」では、初心者にもわかりやすい写真撮影術や心が躍る旅Vlogを発信中。Instagramのフォロワーは11万人、YouTube登録者数は15万人を超える。
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- 神奈川県立逗子葉山高等学校
- 逗子高校と逗葉高校の統合により2023年4月に開校。学校の目指す方向性は「挑戦できる居場所」。写真部は2022~2025年 (逗葉高校から) 4年連続で「写真甲子園」の本戦大会に出場。部員数は現在20名程度。
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〈協力〉エプソン販売株式会社