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低所得者層の農家向け「農機シェア」が話題! アグリテックがナイジェリアの農業を変える

【掲載日】2022年6月15日

最先端テクノロジーを導入することで農業の方法を変える「アグリテック」。AIやドローン、ビッグデータなどが話題を集めがちですが、実は資金の提供スキームも進歩を遂げています。途上国では「BOP(Base of the Pyramid)」と呼ばれる低所得者層の農家を対象にしたビジネスモデルが次々に登場しており、世界の投資家から熱視線を浴びているのです。この仕組みは途上国が人口増加と食料の問題を解決するうえで大きな役割を果たすかもしれません。

所得の低い農家が希望を持てるビジネスモデルが生まれた

 

2021年、貧困と飢餓の撲滅を目指して国際開発を行う「ヘイファーインターナショナル」は、アフリカ全土の有望なアグリテックイノベーターに賞金を提供する「AYuTe Africa Challenge」を創設。その第1回大会で賞金150万ドル(約2億2500万円※)を獲得したのが、農機具を持たない農民に対して携帯アプリでトラクターなどのレンタルサービスを提供するナイジェリアの「ハロー・トラクター(Hello Tractor)」でした。

※1ドル=約135円で換算(2022年6月13日現在)

 

ハロー・トラクターのサービスはソフトウエアとトラッキング・デバイスからなり、ユーザーがトラクターの所有者にアプリ上で連絡して利用日を予約するというもの。「Uberのトラクター版」とも呼ばれる本サービスは、ペイ・アズ・ユー・ゴー(Pay-as-you-go)の仕組みを活用しており、課金方式は従量制。最大のメリットは、低所得者層の農家がトラクターを使って生産性を向上させることができる点です。借りる側の担保ではなく、トラクターが生み出す収益に着目したこのビジネスモデルは、日本を含めた世界各国においても大いに参考になるビジネスモデルとなりえるでしょう。

 

石油大国として知られるナイジェリアですが、農業も最重要分野の1つ。同国の農業は、自給自足を主とする小規模農家が多く収穫高は天候に大きく左右されます。また、近年は高いインフレ率にも苦しんでおり、2022年3月は17.2%の食料インフレ率を記録しました。さらに、人口は現在2億人を超えており、2050年には4億人に倍増する見通し。そのため、食料の安定した供給は重要な問題なのです。

 

日本においては人口減少や跡継ぎの不在など、ナイジェリアの農業事情とは異なる部分も多いですが、アグリテックによる農業の進化が未来の重要な鍵である点は同様。また、食料の安全保障はどの国においても必須課題であると同時に、大きなビジネスチャンスを秘めています。途上国で生まれるハロー・トラクターのようなイノベーションから今後も目が離せません。

 

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