超高画素なのに高速連写できるニコンの最新フルサイズ一眼レフカメラ「D850」。風景撮影編に続いて、今回はポートレート撮影でAFを中心に使いこなし方を探ってみた。
ニコン D850
目次
<9コマ/秒か? 7コマ/秒か?>
ギリギリの瞬間撮影力で差がつく2つの連写速度。賢く選ぼう
被写体の瞬間を狙うならMB-D18+EN-EL18bで9コマ/秒を! そこまで要らないのなら、MB-D18+通常バッテリーで7コマ/秒でも十分
D850の特徴といえば有効画素数約4575万画素と超高画素機ながら、極めて軽快に撮影できる高速連写力。その実力はボディ単体で7コマ/秒、マルチパワーバッテリーグリップMB–D18を付けた場合、最高9コマ/秒となる。はじめにそのあたりの実感を確認してみたい。
まず、本体のみでの7コマ/秒のパワーだが、これだけでも十分といえる連写性能。5コマ/秒のD810ユーザーであれば、画素数が増えている上にここまで連写性能が上がっているのは、それだけで垂涎の的。連続撮影枚数も大きく向上し(例えばロスレス圧縮RAW/14ビットでD810の28コマからD850では51コマにアップ)、連写もスムーズだ。ただし、使いこなすには、それ相応の高速メディアが必要になる。
MB–D18とバッテリーEN–EL18bを使った場合は最高9コマ/秒となって、体感としても別機種といってイイくらい高速連写が可能になる。高速連写が自慢のD500の10コマ/秒にもう少しで追いついてしまうパワーだ。本体はかなり大きくなるが、縦位置時の使い勝手も非常によくなり、画素数的にも十分なDXクロップとの組み合わせで動体撮影にも真っ向勝負できる実力だ。
D850で9コマ/秒連写するための条件がコレ
9コマ/秒の高速連写スペックはMB-D18にEN-EL18bを使うことで達成。そこまでハイスペックは不要、だけど縦位置グリップは欲しいという人はMB-D18のみでもOKだ。グリップ内には通常バッテリーのEN-EL15aや、単3形電池8本もセットでき、カメラ本体のEN-EL15aと合わせて使え、長時間の撮影にも対応。縦位置シャッターボタン、サブセレクター、縦位置AF-ONボタン、縦位置Fnボタンを搭載する。
連写速度の違いが「ココ!」という瞬間を撮れる確率の差に現れる
ちょうど左足が離れる直前からの連写カットを9枚並べてみた。9コマ後では、9コマ/秒ではジャスト1秒で左足が着く直前、7コマ/秒でちょうどスタート時と同じ左足が離れる瞬間となって、結構差があるのがわかる。MB-D18を装着したからといって、最初のタイムラグはもちろん変わらない。連写速度アップは、連写による途中の「当たり」を引く確率や、シーケンス内の動きの解析能力が影響する。
ニコン D850 AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR マニュアル露出 F5.6 1/2000秒 ISO400 WB:オート
9コマ/秒
7コマ/秒
9コマ/秒連写はポートレートで表情を捉えるのにも有効だ
「ここだ!」と思ったら連写すれば最高の表情が逃さず撮れる
超高画素機だからといってあまり気負うことなく、スムーズに撮れてしまうのがD850。MB-D18を装着すると、重さもあって安定感が増す。9コマ/秒の連写はさすがに軽快で、AFも迷いなくスムーズ。撮影後のデータ量に怯えてしまうほど。
ニコン D850 AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED 絞り優先オート F1.4 1/2500秒 +0.7補正 ISO100 WB:オート0
今までミラーバランサーで対応していたものを、このD850ではより低振動とするためにシャッターカウンターバランサーを搭載。シャッター先幕の動きに合わせて逆方向にバランサーが動き、振動を打ち消す。高精度なAFと合わせて、スムーズな連写をもたらす。