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【花撮影の基本④】絞りとシャッター速度と深い関係のISO感度

春夏秋冬、いつでも被写体として私たちを楽しませてくれる「花」。撮影する際、「こんな風に撮りたい!」とイメージするかと思いますが、それを写真で再現するためには、カメラ操作における基本的な知識やテクニックが必要になってきます。基本的な撮影のコツを押さえておきましょう。

 

 

三脚使用時は任意で低感度に設定し、手持ち撮影の場合は感度オートにするのがおすすめです。 ISO感度は、低感度のほうが高画質が得られる一方で、シャッター速度が遅くなるためにぶれやすくなります。高感度はシャッター速度を稼げますが、ノイズが増えるので画質が粗くなります。画質を優先させたいならISO100や200の低感度を選び、その際にシャッター速度が遅くなるようなら三脚に据えてブレを防ぎましょう。温室や木道など三脚が使えない場所や、そもそも三脚を使わず撮影したい人は、ISO感度をオートにするか、必要に応じて感度を任意で上げましょう。
高感度の画質は機種によっても異なりますし、鑑賞するサイズによってもノイズの目立ち方は違います。ISO感度を段階的に変えて撮影し、自分なりの基準をチェックしておくのも手です。

 

 

画質を優先して低感度で撮るのが基本

花の撮影にはマクロレンズや望遠レンズを使い、またクローズアップなど高倍率の撮影も多いため、三脚を使うのがベターだ。よって、画質を優先して低感度で撮るのを基本にしたい。そして、花が微風で揺れていたりしたら、少しずつ感度を上げてシャッター速度を調整していこう。

 

薄暗い場所だったので三脚を使用してISO200で撮影

薄曇りだったので、シャッター速度が1/80 秒と遅くなった。感度を上げてシャッター速度を速めることもできるが、画質を優先させたかったので、感度は ISO200 のまま、カメラを三脚に据えてブレを防いだ。

300ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/80秒) +2補正 ISO200 WB:オート

 

シャッター速度が遅くなるときは感度アップで速くする

花のクローズアップ撮影でつらい天候が強風だ。風がなかなかやまないときはシャッター速度を速めるしかないが、速いシャッター速度を得るためには感度を上げる必要がある。ここでは感度を ISO100 から ISO400 へと上げることで、シャッター速度を 1/30 秒から 1/125 秒に速めて、被写体ブレを抑えた。

 

 

「絞り」「シャッター速度」、そして「ISO感度」。この3つの要素が、露出を決定する要素になります。明るい場所や暗い場所などの撮影状況、シャッター速度の調節と合わせてISO感度も調節しましょう。

 

写真・解説/吉住志穂