外出が億劫になるだけでなく、機材がぬれるので撮影をしない人も多いだろう。しかし、雨の日だからこそ、雨上がりだからこそ撮れる写真がある。ここでは雨天ならではの撮り方を、その道のプロに聞こう。
雨の日のスナップ撮影では、町並みや歩行者を主題にしつつ、副題として雨天ならではの被写体を取り入れるのが効果的だ。例えば、傘や長靴などの雨具、ぬれた地面の反射、付着した水滴など。撮り方としては、被写体ブレを避けるため、高感度を積極的に利用したい。
水滴に風景が映り込む場所でマクロレンズを使って接写する
雨が止んだ直後は、草木などに付着した水滴を探してみよう。特に狙い目は、水滴の後方に絵になるわかりやすい風景がある場所だ。そんな場所で、マクロレンズなどを使って水滴を接写すれば、後ろの風景を水滴の中に写し込むことができる。ピントは水滴の中の像に合わせること。
17ミリ(リバースアダプター使用) 絞り優先オート(F22 1/40秒) ISO800 WB:オート
窓の水滴にピントを合わせて背景がわかる程度にぼかす
窓ガラスに付着した水滴を撮るというアイデアもある。右の写真では標準ズームレンズを使って、レンズ前から30cm程度の距離にある車窓にピントを合わせた。背景がわかる程度にぼかすことで、雨天らしいしっとりとした雰囲気を表現できる。
57ミリ相当 マニュアル露出(F4 1/800秒) ISO400 WB:オート
雨の日だからこそ撮れる写真がある。自然の恵み、雨。この雨の水滴をどのように生かして撮影するのか、背景をどう映りこませるのか、イメージしながら撮影したいですね。
写真・解説/永山昌克