暑い夏!サマーバケーションで、南国や海を訪れる方もたくさんいるでしょう。そんな時、青い海、青い空、何気なくカメラを向けたくなる被写体です。海と言っても、静かな海、荒々しい海、太陽ギラギラの海など、その表情はさまざまです。撮りたい海のイメージに合わせて撮影テクニックをご紹介いたします。
Q.「夏らしい海」写真を撮るには?
Answer. 青と白の高いコントラストを生かす
青い海、青い空、白い雲、白い砂浜など、強い色彩や光のメリハリが夏らしさを感じさせてくれる。そのためにはヌケのよい、クリアな夏空の日に撮影することがマスト。空のヌケ具合は毎日異なり、かすみが強い日も少なくない。梅雨が明けて安定した晴天が続くころが、夏らしい海を撮るのに適したシーズンだ。また、PLフィルターは空の深みを増してくれるので絶好の条件時に使えば効果は上がるが、かすんだ空をクリアにできるわけではない点に注意しよう。
白砂の反射が目にまぶしいくらいに晴れ渡った日。夏らしいかすみのないクリアな青空と強い日差しのおかげで、強いコントラストによるメリハリと、鮮やかで深みのある色がもたらされた。PLを使うことで青空の深みが一層増し、白い雲とのコントラストが引き立った。
24ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/320秒) +0.7補正 ISO200 WB:晴天
【! Point】薄曇りだと青と白のコントラストが弱くなるので、快晴下で撮るのがベスト
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晴天でも雲が多かったり、空がかすんでいたりすると、コントラストが弱いメリハリのない写真になってしまう(上写真)。水平線まで抜けるような青空の日なら、青空の深みだけでなく、強い光によって海の色や砂浜も輝いて夏らしく写る(下写真)。特に光を受けた海は透明感やキラメキが生まれ、薄曇りの日の単調な色合いとは大きな違いがある。
【! Point】逆光だと青空がかすむので、トップ光または順光で撮るのが基本
トップ光
夏らしい青空や海の色を出すには、真上から照るトップライトや、太陽を背にした順光線がよい。通常の風景では立体感が出る斜光線が好まれるが、海の場合は陰影を生かせるわけではないので、左の写真のように海の中まで光が差し込んでカラフルに仕上がるトップライトがベストだ。
16ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/50秒) -0.3補正 ISO200 WB:晴天
逆光
逆光ではかすんだように描写されがちで、青空や海の深い色は出にくい。
海のイメージはさまざま。日本海と太平洋でも、海の印象は全く違いますし、天候にも左右されます。その時々の海のイメージに合った撮影方法を選びましょう。
写真・解説/深澤武