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【海の撮り方③】迫力のあるダイナミックな海の写真を撮るテクニック

暑い夏!サマーバケーションで、南国や海を訪れる方もたくさんいるでしょう。海はカメラを向けたくなる被写体ですが、静かな海、荒々しい海、太陽ギラギラの海など、その表情はさまざまです。撮りたい海のイメージに適した撮影テクニックをご紹介いたします。

 

Q.「力強い海」写真を撮るには?
Answer. 砕ける波やゴツゴツした岩を捉えて迫力を出す

台風による荒波や冬の季節風による波を望遠レンズで切り取ると、海の力強さを引き出せる。安全な場所から撮影するには、最低でも300ミリ相当以上のレンズが欲しい。岩で砕ける波は場所が一定なので狙いやすいが、沖からやってくる波がかっこよく砕ける場所を予想しながら、素早くレンズを向けて撮影するのは容易ではない。何度も何度もチャレンジして、よい瞬間を捉える努力が必要である。また曇天だと白い波が灰色の海に埋もれてしまいがちなので、台風前後の晴天などを利用し、光のキラメキを生かして高速シャッターを切るようにしたい。

 

岩に当たって波が砕ける瞬間を、330ミリ相当の望遠レンズで切り取る。 1/2000 秒の高速シャッターにより、波の動きを写し止め、迫力ある姿を捉えることができた。また逆光線に輝く波しぶきが、背景の山並みのシルエットに浮かび上がった。か っこいい波を狙って、何度もシャッターを切っている。連写撮影も有効だ。

330ミリ相当 絞り優先オート(F5.3 1/2000秒) -0.7補正ISO100 WB:晴天

 

【! Point】荒波を望遠レンズで切り取り、高速シャッターで写し止める

沖からやってくる波は岸辺に近づくと波頭を崩してゆく。予想はしづらいが、波をよく観察して狙いを絞る。コンティニュアス AFで沖からやってくる波を追い、波が崩れ始めたら高速連写でシ ャッターを切る。波を写し止めるには1/1000 秒以上の高速シャッターが目安だ。

420ミリ相当 絞り優先オート(F5.6 1/1250秒) -0.7補正ISO100 WB:晴天

 

【! Point】岩礁を取り入れて荒波のダイナミックさを引き立てる

切り立った岩礁をシルエットにして初冬の打ち寄せる荒波を捉え、岩を洗うような波の迫力を狙って作画する。風景として広く捉えすぎると高速シャッターで波を止めても、しぶきは小さくなって迫力は出ない。 1/5 秒という動きが残るシャッター速度で海の躍動感を引き出した。

39ミリ相当 絞り優先オート (F22 1/5秒) +1補正 ISO100 WB:晴天

 

穏やかな海を撮影するには、スローシャッターにし、逆に、荒々しいダイナミックな海を撮影するには、高速シャッターにします。岩礁やごつごつした岩を入れることで、波の荒々しさがより表現され、迫力を増すことができます。

 

写真・解説/深澤 武