橋や高速道路などのジャンクションは、人気のある被写体で、夜景での撮影がフォトジェニックで近未来感あふれる作品になります。この入り組んだ立体交差のジャンクションを夜に撮影するテクニックや、ライトアップされた橋の撮り方をご紹介します。
撮影者のイメージに合う色味でOKコントラストは低めに設定しよう
昼間の写真に比べて夜景は色の許容範囲が広く、目で見たとおりの色で撮るのもいいですし、自分のイメージで変えてしまってもそれほど違和感は出ません。夜の被写体は各種の人工光源で照らされているので、そもそも写真で色を正確に再現するのは難しいのです。写真の色味はホワイトバランスで調整しますが、ときには色温度を手動で設定して大きく変えても◎。なお、夜の写真ではコントラストが高いと暗い部分の描写がつぶれやすいので、低めの設定にしておきましょう。
基本テクニック
ジャンクション夜景は、ホワイトバランス「白色蛍光灯」がおすすめ
ジャンクション夜景に限らず、都市夜景は全般的にWB「白色蛍光灯」がマッチする。それは日本の街並みや室内の照明の大部分が蛍光灯だからだ。とはいえ、「白色蛍光灯」なら違和感のない色に仕上がるが、ほかのWBが悪いわけではない。夜景撮影ではWBを色の補正ではなく、色合いを表現するための設定と考えて、いろいろと挑戦してみよう。
「白色蛍光灯」がいちばん自然な色合い
ホワイトバランスを変えて撮影。 いちばん自然なのは「白色蛍光灯」だ。「太陽光」では若干赤みが強く感じるが、 そのほかの色合いも悪くない。好みで選んでOK。
オレンジ色の光を「白色蛍光灯」で見たとおりに再現
オレンジ色の光で彩られたジャンクションの渦巻き部分を、魚眼レンズを使って歪みを強調して撮る。現場の見た目もこのような色合いなので、 WB「白色蛍光灯」で不自然さはない。色合いでもインパクトを出したいなら、WB「日陰」や「くもり」を選んでさらに赤みを足すのもいいだろう。
15ミリ相当 絞り優先オート(F11 15秒) -3.3補正 ISO400 WB:白色蛍光灯
応用テクニック①
ナトリウム灯で照らされたものを青白く表現して幻想的に仕上げる
多くのジャンクションは安全な運転を行えるように、消費電力が少ないオレンジ色のナトリウム灯で照らされている。ジャンクション夜景ではそのままの色で表現してもよいが、WBを大胆に変えて自分好みの色にするのも面白い。色温度を手動で低く設定すると、青白い描写になって幻想的になる。
色2500K
色温度を2500Kに設定して青っぽい色彩にする
WB「白色蛍光灯」だと見た目どおりの色合いで、「オート」も意外とよい雰囲気だ。これらプリセットのWBのほかに、色温度設定を用いる手もある。ここでは2500Kに設定し、青っぽい色合いに変えてみた。設定するケルビン値は補正値なので、高くすると赤くなり、低くすると青く描写される。
16ミリ相当 絞り優先オート(F11 10秒) -1補正 ISO100 WB:2500K
応用テクニック②
コントラストは上げすぎず、暗い部分がつぶれないようにする
夜景写真に限らず写真に不慣れなうちは、コントラストを上げて派手な色で表現したものを良く感じがち。しかし、夜景はただでさえ照明が当たっている箇所と影の明暗差が大きく、コントラストを上げると本来残っている明部や暗部の描写がつぶれてしまう。それではもったいないので、コントラストを少し下げて、本来の描写を引き出したい。
×
◎
ジャンクション夜景は低コントラストがベター
この比較写真で一目瞭然だろう。◎写真のようにコントラストが低いと、暗部の描写が浮かび上がる。高コントラストな×写真は、一見メリハリがあるように思えるが、暗部が黒くつぶれてしまっている。ジャンクション夜景は低コントラストで撮ろう。
ホワイトバランスで、色味の調整をしましょう。ジャンクションでは、オレンジ色のナトリウム灯が使用されているが、その色味も、ホワイトバランスで調整が可能です。撮影イメージに合う色味を見つけてオリジナルの一枚を撮影しましょう。