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【ダリアの撮り方】大輪ゆえ花の密集度が低い・・・そんな時の撮影方法は?

ダリアの開花時期は、7月~10月と長い期間美しい姿を見せてくれます。ダリアの特徴は何といっても存在感のある大輪でしょう。花びらの形が豊富で、一重咲き、八重咲きもあれば、花びらが丸いもの、尖っているもの、筒状のものなどさまざま、さらに花色も色とりどりで被写体としては大変優秀です。特に色のグラデーションがついたダリアは美しく、何枚撮っても飽きることはありません。

ですが、大輪ゆえに引いて撮ることが多いので、背景がぼけにくくなります。また、花の密集度が低いので、画面を色で埋めるのが難しく、単調な写真ばかりになってしまいます。きれいな姿を見せてくれるダリアの魅力をさらに引き出すために、レンズワークやフレーミングを工夫したり、光線状態を見極めたりしながら、撮影しましょう。

 

大輪、かつ一輪で咲いているのでレンズワークやフレーミングの工夫が必要

基本テクニック

大輪のダリアはボケが得られにくいので、アップで捉えたり、ボケができる工夫をする
大きな花を画面に収めるには花から離れる必要がある。「花に近づく」というボケを作る要素がひとつ減るために背景はぼけにくい。それをカバーするため、望遠レンズを使ったり、マクロレンズで寄ったりする工夫をしよう。部分アップの場合は花びらの先端や花の中心部など、一輪の中でもポイントになるところを主役にしよう。

 

左の写真は100ミリ相当のマクロレンズで撮っているが、花全体を収めようと花から離れたために、背景のボケが少ない。右は広角レンズで見上げて青空を入れたが、背景の花々の密集度が低いため単調になってしまった。

 

ボケが得られにくいなら中心部によってクローズアップ
マクロで中心部だけをクローズアップした。部分アップなら背景は入らないし、被写体に迫るのでボケも大きくなる。切り取った中にもポイントは欲しいので、ここでは花の中心部にピントを合わせている。光がやわらかいのでピンクから黄色へのグラデーションが滑らかに描写された。

120ミリ相当絞り優先オート(F2.81/320秒)+2補正ISO200WB:晴天

 


「望遠、絞り開放、主役と前後が離れた場所選び」で大きなボケを獲得
300ミリ相当の望遠レンズで撮影。望遠なら焦点距離の長さを生かしてボケを作り出すことができる。また、主役の前後にほかの花が入るよう横から狙い、右と左下は前ボケ、左上は後ろボケと前後のボケで主役を挟み込み、空間を花のボケで埋めた。

300ミリ相当絞り優先オート(F2.81/320秒)+2.7補正ISO200WB:晴天

 

 
ダリアは、花びらの形や枚数、色などたくさんのバリエーションがあります。存在感のある大輪のダリアを撮影するテクニックは、アップ目での撮影すること。花の色のグラデーションや花びらの形にクローズアップしたりしながら撮影を楽しんでください。

 

 
写真・解説/吉住志穂