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【花撮影の基本⑨】花を撮る時のベストなカメラアングルは?

春夏秋冬、いつでも被写体として私たちを楽しませてくれる「花」。撮影する際、「こんな風に撮りたい!」とイメージするかと思いますが、それを写真で再現するためには、カメラ操作における基本的な知識やテクニックが必要になってきます。基本的な撮影のコツを押さえておきましょう。

花に対する角度をカメラアングルといい、花を高い位置から見下ろす「ハイアングル」、花と同じ高さから狙う「水平アングル」、花を低い位置から見上げる「ローアングル」があります。また、カメラの高さをカメラポジションといい、目線の高さを「アイレベル」、それより高いと「ハイポジション」、低いと「ローポジション」となります。ここではアングルを中心に解説をします。

アングルが変わると、花に対する撮影角度が変わります。見下ろせば花が下を向いているように写り、ちょっと寂しげな印象に。見上げれば空に向かって伸びるようで、生き生きとしてきます。また、アングルによって背景も変わります。ハイアングルでは地面に、ローアングルでは空になります。一輪の花に対し、さまざまなアングルやポジションを変えながらベストなフレーミングを探しましょう。

 

花の高さにカメラを合わせて撮るのが基本

花の高さにカメラポジションを合わせ、水平アングルで撮るのが基本。花を正面から写すことができるし、花畑なら前後の花をぼかして入れることもできる。画面全体が花の彩りで埋まるので、色合いがきれいになる。見上げるアングルは空や木々の木漏れ日を入れるときに使う。見下ろすアングルは水面の輝きを背景にするときなどに使うが、茶色い地面が背景になる場合は避けよう。

 

水平アングル

ハイアングル

水平アングルのほうが背景がぼけやすい

草丈の低い花をしゃがんで写しても花を見下ろす状態 ( ハイアングル ) になる。背景が地面になって平凡だし、背景との距離がないためボケも少ない。花の高さまでカメラポジションを下げると、周囲の花が背景に入る。前後の花に距離があればボケも作れるし、彩りのあるふんわりとした背景が作れる。

 

可動式の背面モニターがあると便利

草花を見上げるとなると、かなり低い位置から撮影しなければならないことも。そんなときに便利なのが、可動式背面モニターを搭載したカメラだ。背面モニターを引き出せば、地面すれすれの位置にカメラを据えても、モニターをしっかり確認しながら撮影することができる。

 

ローアングル、水平アングル、ハイアングル、花に対する角度を変えれば、花の印象をガラッと変えることができます。撮影したい花を、いろんな角度で撮影して、様々な花の表情を楽しんでみましょう!

 

写真・解説/吉住志穂