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【秋の花の素敵な撮り方②】ケイトウ・バラ・ソバのプロカメラマンの上級撮影術

2018年の夏の暑さも過ぎ去り、涼しい秋らしい季節になりました。9月下旬~10月上旬にかけコスモス、ヒガンバナの開花を迎えております。ここ数日あいにくの雨続きですが、雨粒を取り入れた撮影や、前ボケを利用してふんわりした撮影も環境に合わせて可能になります。プロカメラマンによる秋らしい撮影術を、ぜひ取り入れてみてください。

 

 

太陽が低い位置を通るようになるので順光と逆光の差が出やすくなる

夏に比べて光が弱くなり、どことなく物悲しくなってくる秋。季節が進むにつれ、真上にあった太陽も1日を通して低い位置になってきます。順光と逆光の差が出やすくなるので、光の印象の差を見据えながら、花に対するポジションを決めていきましょう。また、日の入りが早いので、夕暮れの光で撮る機会も出てくると思います。夕暮れの斜光線で立体感を出したり、夕焼け空を背景にしたり、花をシルエットで写したりと、秋の光でさまざまなバリエーションを撮影できます。

 

ケイトウ×前ボケ

カラフルな前ボケで華やかな画面にする
奥の花にピントを合わせ、手前にある花を大きくぼかした。一輪だけを目立たせるには丈の高い花を選ぶこと。そして、花と同じ高さまでポジションを下げると、主役だけが飛び出して見える。一輪だけだと寂しいが、たくさんのカラフルな前ボケに囲まれているので華やかである。

300ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/800秒) +0.7補正 ISO200 WB:晴天

 

バラ×マクロレンズ

花びらの色を反映して染まる水滴をクローズアップ

バラの花びらの上にちょこんとのった水滴を主役に捉えた。水滴はとても小さいが、マクロレンズでできる限り迫って背景をシンプルにしたので、しっかりと存在感が出ている。水滴は透明なので花びらの色を反映し、ピンクやオレンジ色に染まっているのは、クローズアップだからこそ見えてくる世界だ。バラの花びらは水滴を輝かせる彩りの舞台。そして、水滴は天から降ってくる宝石である。

120ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/125秒) +1.7補正 ISO400 WB:晴天

 

ソバ×ハイキー

光と彩り、露出の選択で美しい画面に仕上げる

ソバの花はひとつひとつは小さくて目立ちにくいが、赤ソバは彩りがあって写してみるとなかなかきれいだ。秋の低い光を取り入れて季節感を出し、大きな赤い前ボケを入れてソフト感を出した。そして、明るめの露出でハイキーに仕上げる。目立たなかった花でも、光と彩り、露出の選択で見違えるように美しくなる。

300ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/250秒) +1.7補正 ISO200 WB:晴天

 

 

夏に比べて太陽の高さが低くなり、順光と逆光の差が、はっきり出てきます。ですので、太陽の高さや方向を確認しながら、撮影してください。特に夕焼け空などを背景に取り入れると、花の印象もドラマチックなものになりますので、撮影の時間帯も調整してみてくださいね。

 

 

写真・解説/吉住志穂