ソニーが、フルサイズミラーレスカメラ「α9」「7R III」「α7 III」のソフトウェアアップデートの実施を発表した。フォトキナ2018で予告されて話題を呼んだ瞳AFの動物対応を含むAF性能の強化をはじめ、画質・操作性の向上などが盛り込まれる。2019年3月以降、順次提供の予定。
▲フォトキナ2018のソニーブースで、瞳AFの進化について技術展示が行われた。
■「α9」のAF性能を大幅に強化
「α9」のソフトウェアアップデートは、2019年3月ごろにVer.5.0、2019年夏ごろにVer.6.0を公開予定。
新開発のリアルタイムトラッキングを搭載
AIによる物体認識を含む最新アルゴリズムを採用し、複雑な動きやスピードに緩急のある動体を高精度に認識して追尾する。特に被写体が人物や動物※の場合は、AIが瞳の位置情報を並行してリアルタイムに認識する。静止画撮影時・動画撮影時とも対応。
※対象外の動物もある。
リアルタイム瞳AFが進化、動物にも対応
AIによる物体認識で即時に瞳情報を検出するリアルタイム瞳AFが進化。AF-C(コンティニュアス)AFモード時もシャッターボタン半押しで瞬時に被写体の瞳を検出し、高精度に追従する。フォーカスする瞳を右目や左目など任意で選択したり、カスタムボタンを押すたびに左右を切り替える設定も可能。Ver.6.0で一部の動物にも対応予定。
像面位相差AFの活用領域拡大、精度もアップ
AF-Cで連写時にAFが可能な絞り値をF11からF16に拡大。照度の低い環境での性能が向上するほか、スローシャッター時の絞り値を大きく設定した撮影でも迅速に自動でフォーカスを合わせる。
動画撮影時のAF性能を強化
動画撮影時のAF精度・速度が向上。被写体の手前を何かが横切った場合や、絞り値を大きく設定した場合も、スムーズでふらつきの少ないピント合わせが可能になる。
タッチパッド機能を新搭載
モニター画面上の被写体にタッチしてピントを合わせるタッチフォーカスに加え、モニター上を指でなぞってフォーカス位置を変更できるタッチパッド機能に対応。タッチトラッキング機能を設定しておけば、タッチによる被写体の選択と追従が可能になる。
階調表現とホワイトバランスの性能が向上
カメラ内のJPEG生成アルゴリズムを最適化し、より滑らかな階調表現を実現。連続撮影モード時に短い間隔の連写を繰り返す場合も、オートホワイトバランスの正確性・安定性が向上する。
そのほかの機能も強化
そのほか、柔軟なカスタマイズに対応するマイダイヤル機能、メモリーカードのリレー記録、インターバル撮影機能(Ver.6.0)、モバイル機器との連携強化などが盛り込まれる。
■「α7R III」「α7 III」も瞳AFを強化
「α7 III」「α7R III」のソフトウェアアップデートは、2019年4月ごろを予定。リアルタイム瞳AFが強化され、AF-C時もシャッターボタン半押しでリアルタイムに被写体の瞳を検出し、高精度に追従する。一部の動物にも対応予定。インターバル撮影機能も追加される。
■ソフトウェアソリューション「Imaging Edge」も大幅強化
ソニー製デジタルカメラに対応するソフトウェア群「Imaging Edge」に、2つのモバイルアプリケーションを追加。従来のPCアプリケーションも機能を強化する。
プロ向けモバイルアプリケーション「Transfer & Tagging add-on」
カメラのFTPバックグラウンド転送を使用して、静止画の全画像または選択した画像を、撮影中でもモバイル機器に転送可能。転送した画像に音声、タグ、キャプションを入力しすることもできる。2019年3月ごろ提供予定。
モバイルアプリケーション「Imaging Edge Mobile」
モバイル機器によるリモート撮影や静止画・動画の転送などを行うアプリケーション。スマートフォンへの自動バックグラウンド転送、4K動画の転送、モバイル機器からのリモート操作、撮影画像への位置情報付与などが可能。こちらも、2019年3月ごろ提供予定。
PCアプリケーション「Remote」「Viewer」「Edit」をアップデート
インターバル撮影した静止画からのタイムラプス動画生成に対応。また、連続撮影時に前の画像を半透明化するオーバーレイ機能により、前後の画像比較やストップモーション動画の作成が容易になる。さらに、2つの画像の比較表示、画像の入れ替えや表示位置の同期など、操作性が向上する新ユーザーインターフェイスを採用する。アップデートは2019年1月末ごろの予定。