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ソニーが「α7 III」を発表! フルサイズミラーレス機ベーシックモデルの衝撃価格とは?

ソニーがこのほど発表したミラーレスカメラ「α7 III」。2018年2月27日、東京・品川でメディア関係者を集めて行われた新商品説明会で、その実機が初めて公開された。同製品のα7シリーズにおける位置付けはベーシックモデルだが、超高感度撮影や多点測距の像面位相差AF、高速連写性能など、上位機と遜色ないスペックを有している。そして、なんと実売23万円(ボディのみ)という価格の発表に説明会場は騒然となった。

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α7 III を手にするモデル女性を囲む、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズのシニアゼネラルマネジャー・長田泰行氏(左)と、ソニーマーケティングの小笠原啓克統括部長。

 
また、α7 III の発表に合わせ、ガイドナンバー60の電波式ワイヤレス通信対応フラッシュの最上位モデル「HVL-F60RM」の発売も発表された。
 

ソニーの最新技術を惜しみなく投入したフルサイズミラーレスの入門機

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「おい、ウソだろ……」と、どよめきが上がる。ソニーが発表した α7 III は、市場推定価格がボディのみで約23万円。レンズキットでも約25万円という、フルサイズ機では破格の値付けだったからだ。同社が現在、発売中のプロユースモデルである α9 が約50万円、α7R III が約37万円という市場価格を考えても、これは衝撃的な価格設定なのは言うまでもない。発表会では、この α7 III を「ベーシックモデル」(入門機)という位置付けにしているが、そのスペックを見ると、とても入門機のそれとは思えないほど、ソニーの最新技術がふんだんに投入されているカメラなのだ。
 
※価格はいずれも税別。
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発売は2018年3月23日を予定(予約販売受付は3月2日10:00開始)。全国のソニーストア(α Plaza)では、同じく3月2日から発売前の先行展示が行われる。
 
この α7 III は、有効2420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載。上位機の α7R III と同じ画像処理エンジン・BIONZ Xにより、従来機の α7 II に比べて約1.8倍の高速処理を実現している。また、693点の像面位相差AFに加え、高精度で追従性能の高い「瞳AF」も採用されている。さらに、独自のAFシステム「4Dフォーカス」に対応し、メカシャッター時およびサイレント撮影時でAF/AE追従ながら最高約10コマ/秒の高速連写を実現している。
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軍艦部のデザインは、これまでのα7シリーズを踏襲。直感的に操作可能な独立式のダイヤルが、右手側に集中して配置されるデザインとなっている。
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タッチ操作が可能な背面液晶モニターは、チルト式で屋外での視認性も非常に高い。
 
撮影感度は、拡張で最高ISO 204800での高感度撮影を可能としている。また、BIONZ XとフロントエンドLSIによって、解像とノイズ低減の両立する最大1.5段分の画質向上がなされているという。さらに、低感度時約15ストップの広いダイナミックレンジを持ち、5.0段の補正効果がある光学式5軸ボディ内手ブレ補正機能が搭載されているというから、スペック面で上位機と遜色ない性能を持つカメラだということがわかる。
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大きく進化した新機能として、瞳AFの追従性が挙げられる。動く被写体にも容易に合焦し、しかも被写体が動いたりカメラの持つ手が動くなどして被写体が画面の隅になっても、瞳AFが追い続けてくれるのだ。これは、ポートレート撮影に大きな優位性があるのは間違いない。693点の像面位相差AF測距点と、撮像エリアの93%をカバーするAFエリアがなせるワザだ。
 
このほか、ミラーレスカメラでは最大クラスの撮影可能枚数も大きな特徴だ。1回充電当たり、最大で710枚の撮影が可能となっている。動画撮影機能は、画素加算のない全画素読み出しによる高解像4K HDR動画が撮影可能。それでいて、650gの小型・軽量ボディとなっている。
 

連続発光性能と操作性を兼ね備えた大光量の最上位フラッシュ登場

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また、α7 III の発表に合わせて、プロユースにも対応するフラッシュの最上位モデル「HVL-F60RM」が発表された。発売は2018年4月13日を予定しており、希望小売価格は68,300円(税別)。
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ガイドナンバー60で、発光間隔は1.7秒という高い連続発光性能を持つ。広角20mmから望遠200mmまでの広い照射角度に対応しており、発光回数は220回という性能を有している。なお、このHVL-F60RMは電波式ワイヤレス通信に対応しているため、同社の電波式ワイヤレスコマンダー FA-WRC1M と合わせて利用すれば、レシーバーを必要とせずに安定した多灯ライティングが可能となる。
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また、ソニー独自のクイックシフトバランスを採用しており、縦・横位置の切り替えがワンアクションで可能。光量レベルボタンで、光量や調光補正値も素早く設定できる。
 
写真・文/水澤 敬