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【カメラ用語事典】ハーフNDフィルター

ハーフNDフィルターとは、フィルターの半分が透明で素通し、もう半分は光量を落とすグレーに着色されたフィルター。画面の上だけや下だけ、もしくは右だけや左だけにNDフィルターの効果をかけることができる。

NDの濃度はメーカーによってラインナップが異なるが、主にND4、ND8、ND16の3種類という製品が多い。初めてハーフNDフィルターを使うなら、定番のND8がおすすめ。

ハーフNDフィルターには、保護フィルターやPLフィルターと同様に円形のものと、長方形の角型のものがある。円形のものはレンズの口径に合わせたものをレンズ前に装着するため、NDの境目が画面中央で固定されてしまう。角型のものは、レンズの前に専用ホルダーを装着してから、角型フィルターをスライドさせて使用する。別売りの専用ホルダーが必要だが、比較的構図の自由度の高い撮影が行える。

さらに、NDと透明部分の境目がくっきりしている「Hard」と、穏やかなグラデーションになっている「Soft」がある。グラデーションのかかり方はさまざまで、メーカーによっても異なる。水平線など上下(または左右)がくっきり分かれているシーンではHard、山並みなど凸凹のあるシーンではSoftが有効だ。

このようにハーフNDフィルターは、NDの濃度、フィルターの形、NDの付き方などさまざまだ。どのフィルターが自分の撮影に合っているか吟味して購入、使用する必要がある。

 

▲ケンコー・トキナーのNUANCES GND8。なだらかなグラデーションの角型ハーフNDフィルター。ND部の減光量は3絞り分。レンズへの取り付けは、専用のフィルターホルダーとアダプターリングが必要となる。
 

 

▲ケンコー・トキナーのR-ハーフND4。NDと透明部分の境目がくっきりした円形ハーフNDフィルター。ND部の減光量は2絞り分。フィルター径49~58mmを用意し、手頃な価格でハーフNDを楽しめる。
 

 

PLあり、ハーフNDなし

 

PLあり、ハーフNDあり

 

空と池に明るさの差があるため、空に露出を合わせて撮ると、上の写真のように紅葉や池は暗く写る。そこでハーフNDフィルターを使って、ND部分を空に合わせて明るさを落とすと、下の写真のように紅葉も池も鮮やかに写る。

 
写真/深澤 武

 

 

上の写真は、角型、ND8、グラデーションのハーフNDフィルターを使用。