パナソニックは、2019年2月1日にスペイン・バルセロナで、フルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S1」「LUMIX S1R」と3本のレンズを海外正式発表した。レンズは2本のLUMIX S PROレンズと1本のLUMIX Sレンズ。いずれもライカLマウントで、「LUMIX S1R / S1」をはじめとするLマウントに対応するカメラで使用可能となっている。
パナソニックが発表したのは、LUMIX Sシリーズ対応のLマウント交換レンズ「LUMIX S PRO 50mm F1.4(S-X50)」「LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S(S-R70200)」「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.(S-R24105)」。いずれも最大480fpsの高速センサー駆動を実現し、レンズ駆動音を抑えたフォーカス機構により、動画撮影にも最適なレンズとなっている。また、防塵・防滴・耐低温性能を備える。
プロユースを意識して開発されているLUMIX Sシステムは、高品質のカメラとレンズで妥協のない写真表現を追求するとしている。パナソニックは、LUMIXを中心に10以上のレンズの設計と開発に取り組んでおり、2020年までに高性能レンズシリーズ「LUMIX S PRO」レンズとSシリーズレンズのラインナップをさらに拡大することも表明した。
米パナソニック直販サイトの価格は、「LUMIX S PRO 50mm F1.4」が2,299.99ドル、「LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S」が1,699.99ドル、「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」が1,299.99ドルとなっているが、日本での発売に関する発表はまだない。
■LUMIX S PRO 50mm F1.4(S-X50)
LUMIX Sシリーズレンズの中核となる大口径単焦点レンズ。2枚の非球面レンズと3枚のED(超低分散)を採用した11群13群構成で、フィルター径は77mm、11枚の円形絞りを採用する。ライカの厳しい基準をクリアした高い解像度と描写性能を備え、滑らかなボケ味が特徴となっているレンズだ。
リニアモーターとステッピングモーターを組み合わせたダブルフォーカスシステムにより、最高合焦速度は480fps。高速で高精度なAFを実現する。また、フォーカスクラッチ機構の採用により、瞬時のAF/MF切替と正確なマニュアル操作が可能となっている。
■LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.(S-R70200)
ズーム全域にわたってF4の絞りで高解像度を特徴とする望遠ズームレンズ。非球面レンズと3枚のEDレンズを含む17群23枚構成で、フィルター径は77mm、9枚羽根の円形絞りを採用。ポートレートからスポーツまで、幅広い被写体の撮影に使用できるレンズだ。フルサイズミラーレスカメラシステムのレンズとして初めて、手ブレ補正「Dual I.S.2」に対応し、三脚がないときや暗い場所でも、シャッタースピード換算で6段分の補正効果を発揮する。フォーカスクラッチ機構の採用により、AF/MFの即時切換えと正確なマニュアルフォーカスができ、高速で高精度なAFとレンズ駆動音が抑えられている点は、「LUMIX S PRO 50mm F1.4」と同じだ。
■LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.(S-R24105)
広角から中望遠までの焦点域をカバーするマクロ機能を備えた汎用性の高い標準ズームレンズ。最短撮影距離0.3mで0.5倍のマクロ撮影が可能となる。レンズ構成は、2枚の非球面レンズと2枚のEDレンズを含む13群16枚構成で、色収差を効果的に抑制し、高解像度を実現している。前玉にはフッ素コーティングが施されている。フィルター直径は77mm、9枚羽根の円形絞りを採用、こちらも「Dual I.S.2」に対応する。
〈文〉柴田 誠